公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)は、参入基準において、女性登用を義務付けた日本初のスポーツ組織です。昨年に引き続き、リーグおよび各クラブの女性登用の実施状況を開示いたします。各クラブの組織の多様性を見える化し、WEリーグそして、スポーツ組織の今後に活かします。
1. クラブの運営にあたる法人を構成する役職員の50%以上を女性とする(入会から3年以内に達成すること)
2. クラブの意思決定に関わる者のうち、少なくとも1人は女性とすること。(取締役以上が望ましい)
3. コーチングスタッフ(監督またはコーチ)の中に女性指導者1名以上を含むこと
●役職員の数が全体的に増加。50%以上を3クラブが達成。女性比率は、36%から41%に増加。多くの新規の女性職員が雇用された。
●女性取締役がいるクラブは、7から6に減少。現場のコーチングスタッフ数が、120人から138人と急増。
プロ化し現場スタッフの充実が図られた。全クラブに女性指導者はいるが、カテゴリー別にみると、女性コーチがいないクラブもある。
●GMや部長等の管理職など意思決定に関わる女性の数の調査も必要。
●集計の基準を精査し、より本来の意味で女性活躍につながる制度にしていくことが必要。
WEリーグの理念推進に向けての取り組みを示す、2022‐23シーズンのWEステートメントを発表します。ステートメントに沿ったWE ACTIONを起こしていきます。
https://weleague.jp/weaction/2/#club
昨年に引き続き、女性登用の部分の数字をクラブ毎に出していただきました。各クラブの役職員の女性割合は41%。参入基準の50%以上のクラブが3つあります。クラブによっては、女子部門のみを数えているクラブ、全体を数えているクラブと、ばらつきがある為、次年度に向けて換算の仕方を検討する必要があります。ただ昨年に比べ、スタッフ全体の人数が増えています。全体の増加数より女性の増加数が多いので、クラブが新規に雇用をする際に、積極的に女性を採用している様子がうかがえます。特に、現場スタッフの人数の増加が多い結果となりました。プロ化したことで選手を取り巻く環境を改善していこうという意識の表れだと思います。
昨年、唯一の女性監督だったちふれASエルフェン埼玉は、監督こそ変わりましたが、田邊友恵監督が指揮を執っています。また、AC長野パルセイロ・レディースもA-proライセンスを取得した田代久美子監督が、ヘッドコーチから監督に就任しました。全クラブに女性コーチがいますが、カテゴリー別にみると、まだ女性コーチがいないチームもあるため、引き続き努力が必要です。
参入基準に全クラブが達しているわけではありませんが、クラブの理念推進への意欲が見える数字になっていると思います。女性リーダーシップ研修や女性指導者講習会などで、長い目で人材を育てていくこともWEリーグの役割だと思います。