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2022.12.20
「#KEEPPLAYING ~女子がスポーツを続けるために~」をオンラインで開催


公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)は、2022年11月10日にWEリーグに所属する各クラブの選手11名がディスカッションを行う「#KEEPPLAYING ~女子がスポーツを続けるために~」をオンラインで開催しました。

昨年度のWE ACTION MEETINGで出された300以上ジェンダー課題の中には、「女の子がサッカーを続ける場が少ない問題」「女性は10代でスポーツやめちゃう問題」など少女や女性が、サッカーを続けたいのに続けられないという問題が多く出されました。

そこで、2022-23シーズンのWE ACTIONでは、「女子がスポーツを続けるために」をテーマのひとつとして取り組みます。今回は、「女子がスポーツを辞めてしまう理由、続けるために必要なこと」をテーマに議論し、WEリーガーとしてできることを考えました。

プログラム

オープニング「課題説明」

全員でトーク1.
「サッカーを続けている理由、サッカーの魅力とは」

全員でトーク2.
「サッカーを辞めてしまうのはなぜ?」

グループディスカッション1.
「サッカーの魅力と辞めてしまう理由」

グループディスカッション2.
「女の子がサッカーを続けるためには?」

クロージング

参加者

マイナビ仙台レディース 松永未衣奈

三菱重工浦和レッズレディース 植村祥子

大宮アルディージャVENTUS 長嶋洸

ちふれASエルフェン埼玉 鈴木千尋

ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 千葉玲海菜

日テレ・東京ヴェルディベレーザ 黒沢彩乃

ノジマステラ神奈川相模原 松原有沙

AC長野パルセイロ・レディース 伊藤めぐみ

アルビレックス新潟レディース 山本結菜

INAC神戸レオネッサ 井手ひなた

サンフレッチェ広島レジーナ 立花葉

小林美由紀 WEリーグ理事兼理念推進部部長

司会/安田美香(フリーアナウンサー)

女子がサッカーを辞めてしまう理由から見えてくる課題

まずは、サッカー界の現状をWEリーグ理念推進部長の小林美由紀から説明。「女子の競技人口は男子に比べるとわずか6%と少ない」「小学生では男女一緒のチームで活動できるが、中学生になると女子だけのチームが少なく、小学生で辞めてしまう選手も多い」「高校卒業後もサッカーができる場所が少ないため、気軽に続けることができない」など、課題が山積していると話しました。これらの課題解決に向けて、今回のディスカッションは「女子がスポーツを続けるために」をテーマに開催すると伝えました。

司会の安田美香さんも、小学生でサッカーを始めましたが、中学生で続けるためには苦労をした経験を持っています。安田さんは、WEリーグが始まったおかげで実況という形でサッカーに関わることができて幸せだと語りました。

はじめに行われた自己紹介と全員でのトークでは、サッカーの魅力や始めたきっかけ、女子がサッカーを続けるための課題を選手たちが話しました。アメリカで幼少期を過ごしたS広島Rの立花葉選手は、「サッカーを通じて世界中に友達ができ、様々な文化に触れられた」と言います。長野の伊藤めぐみ選手は、「中学から県外のJFAアカデミー福島に行きましたが、地方だとサッカーを続ける選択肢が少ない」と課題をあげました。大宮Vの長嶋洸選手は、「大学卒業後、仕事をしながら楽しくサッカーをやりたくても、気軽にできる社会人チームなどがなく、辞めてしまう選手も多い」と自身の仲間を振り返りました。

続いて、3つのグループに分かれてディスカッションを実施。「サッカーの魅力と辞めてしまう理由」と「女の子がサッカーを続けるためには?」の2つの議題について熱く語り合いました。

「仲間」「一体感」「世界中とつながることができる」など、たくさんのサッカーの魅力についても語られましたが、一方で「セカンドキャリアのイメージがつかない」「今は辞めるか競技的に続けるかの、ゼロか100かしかない」などの辞めてしまう理由も多く集まりました。小学生、中学、高校、大学、社会人、どの世代でも共通する“続けられない理由”は、どんなレベルの人もプレーできる環境が少ないことが課題であると考えられます。また、指導者の不足もチームが少なく辞めてしまう原因のひとつと考えられ、EL埼玉の鈴木千尋選手は「小学校の授業で教えたり、子どもたちとプレーするイベントを定期的に行ったりしています。実際に選手とふれることで、サッカーに興味を持ってくれる子供もいると聞いています」。大宮Vの長嶋洸選手は、「今、WEリーガーは、C級コーチライセンスを取得していますが、女子のサッカー指導者不足を補うきっかけになると思います」と付け加えました。

サッカーを続けるための具体案も選手からいくつか出されました。アメリカの大学でプレーした経験を持つ立花選手は、「アメリカの大学には、奨学金の割り当てを男女平等にする決まりがあり、男子も女子も同じくらいチームがあります。そんな環境が日本でもあったらいいですね」と提案しました。

ディスカッションの中では、女子プロサッカー選手という新しい職業が生まれ、今の自分たちが、現役中はもちろん、引退後も生き生きとした人生を送ることで、「サッカーを続けたい」という女子も増えるのではないか、自分たちが先頭となって「一人ひとりが輝く」キャリアを進んで行かないといけない、という頼もしい言葉もありました。また、I神戸の井出ひなた選手は「INACでは“神戸市9区プロジェクト”という試みをやっています。何人かの選手が担当の区の小学校を訪問してサッカー教室を行っています。継続してやっていくことで、プレーをしたり応援をしたりしてくれる子どもたちが増えるように行っています」と、取り組みを教えてくれました。

最後に、WEリーグ理事兼理念推進部部長の小林美由紀から、「今回のディスカッションで出たアイデアをクラブに戻ってチームに還元し、WE ACTION DAYなどの活動で取り組んで行って欲しい。選手のみなさんが、少女たちがサッカーを続けるきっかけになる」と参加者に伝え、ディスカションを終了しました。

参加選手コメント
マイナビ仙台レディース 松永未衣奈

サッカーを続けられない人もいる中で、私たちWEリーガーが長く続けられているのは、多くのサポートがあったからだと改めて考えさせられました。女子がサッカーを続けられるように、プロリーグの選手として自覚を持って行動していきたいです。他のクラブが現在取り組んでいることも知ることができたので、自分のチームでも取り入れたいと思いました。

ジェフユナイテッド市原・千葉レディース 千葉玲海菜

多くの選手の意見を聞くことができて、自分の中にはない考えに触れられて良かったです。私自身、好きなことを仕事にできているプロ選手だからこそ、子供たちの未来のために、できることを積極的にやりたいと思います。アメリカでプレーした経験を持つ立花選手の意見を聞いて、アメリカでの取り組みを知ることができたのも良かったです。広い視野で考えることの大切さを感じました。

ノジマステラ神奈川相模原 松原有沙

女子が中学生年代で辞めてしまうことが多いというのは、以前から知っていたのですが、解決策や問題点をあらためて考えることができました。ひとりで考えるのではなくて、現役のプロ選手が話し合えたことに意義があると思いました。今回出た課題をチームに持ち帰って、今後に活かしたいです

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