2022-23 Yogibo WEリーグ第2節にあたる週を、大宮アルディージャVENTUSは「VENTUS ACTION WEEK」と題し、埼玉県さいたま市内で、学校訪問やサッカー教室を行なった。
10月26日(水)には大宮Vの7選手がNACK5スタジアム大宮のすぐ近くにあるさいたま市立大宮北中学校を訪問し、「ジェンダーについて考えよう!」をテーマに、生徒たちとディスカッションしました。
大宮V の望月ありさ選手、乗松瑠華選手、五嶋京香選手、仲田歩夢選手、西澤日菜乃選手、田嶋みのり選手、村社汐理選手の7選手は、図書室に集まった男女33名の生徒たちに拍手で迎えられ、簡単な自己紹介の後に6つの班に分かれた。
まず、ジェンダーを考える上でカギとなる「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」について、埼玉県男女共同参画推進センター(With You さいたま)の黒須さち子専門員の講義が行われた。「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)とは、その人の過去の経験や知識、価値観、信念をベースにして、何気ない発言や行動として表れる、自分自身では気づいていないモノの見方や捉え方の歪みや偏りのことを言います」と説明があり、「特に、小さい時から男はこう、女はこう、と決められて考えがちですが、これらに悪気はなくても、誰かを傷つけてしまっているかもしれない。まずはこれに気づくことが大切です」と話がありました。
次に班ごとにグループワークを開始。学年も性別も混合の各班に選手1〜2名が加わり、性差によって偏見を持たれた体験談を互いに話し、紙にまとめていった。はじめは緊張した面持ちの生徒も、選手と話すうちに積極的に意見を出し合い、無意識の偏見が日常に数多くあることを認識した様子でした。 最後に班ごとに「無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)」の事例を発表し、なぜそのような偏見があるのか、その原因や解決案にまで踏み込むなど有意義な時間となった。
大宮北中学校2年の嶋田晴さんは「最初は難しそうな内容だと思ったけど、選手のリーダーシップでみんなと楽しく考えることができました。最後の発表では、そんな考えもあったんだという発見もありました」と、新しい気づきがあった様子。 サッカー部顧問の若林拓夢先生は「ジェンダーギャップなど様々な思いをしてきた選手から様々な経験談を聞き、生徒たちは新たな視点を持てたと思います」と、選手のキャリアに基づいた話を共有することで、ジェンダーを考えるきっかけになったようでした。
大宮Vの乗松選手は「もしかすると無意識の偏見によって、自分も他人を傷つけてしまっていたのかも知れない」と思い返し、「私が議論を進めなくてもどんどん意見が出て、生徒たちの考える力はすごかった。今回の発表をぜひ多くの人に見てほしいです」と話した。
今回の発表は大宮Vのホームゲームで掲出されるため、生徒たちの発表がまた、スタジアム来場者の学びのきっかけとなることが期待される。
大宮Vは10月28日にさいたま市内の埼玉県立大宮武蔵野高等学校へ訪問して、同様のディスカッションを実施。10月30日には性別、年齢、国籍に関係なく実施するサッカー教室も行って「VENTUS ACTION WEEK」を締めくくった。