三菱重工浦和レッズレディースは4月16日、さいたま市で「レッズレディース キッズサッカー教室」を開催しました。選手が考えた練習メニューやゲームメニューを通し、WEリーガーを身近に感じてもらう機会になりました。
雨上がりの快晴の下、幼稚園児17人と小学生の女の子49人、合わせて66人のキッズが全国から集まりました。会場は荒川河川敷にある緑豊かなレッズランド。浦和が地域スポーツ文化の発展と振興を目指し設立した、会員制のスポーツランドです。
コロナ禍の影響で、レッズレディースが大規模なサッカー教室を開くのは3年ぶり。日本代表経験があるDF上野紗稀選手が中心となって選手がサッカー教室の内容を計画しました。当日は全26選手が参加したほか、イベントの進行役も務めました。
サッカーや体を動かすことの楽しさを感じてもらうために、幼稚園と小学校低学年、それに小学校高学年の三つにグループ分け。選手たちはそれぞれの年齢に応じたメニューを試行錯誤しながら考えたということです。
幼稚園のグループは、ユース年代から浦和でプレーするMF栗島朱里選手ら7人が担当しました。自分のしっぽを取られないようにしながら相手のしっぽを取りにいく「しっぽ取り」や「ボール集め」といったシンプルな遊びで体を動かし、楽しみました。選手たちは、姿勢を低くして子どもたちと視線を合わせる心配り。笑顔でコミュニケーションを取りました。
小学校低学年のグループでは、WEリーグに興味を持ってもらえるよう「〇×クイズ」からスタート。東京五輪代表のDF南萌華選手が「WEリーグに参加するチームは、11チームである」などと問題文を読み上げると、みんな元気よく手を上げて答えていました。クイズの後は、リフティングといったサッカーのテクニックを盛り込んだメニューを実施。小学生たちはプロの技に驚きながらも、果敢に挑戦していました。
小学校高学年のグループには、技術の高い女の子も多く参加していました。そのため、メニューはパス回しなど、ボールを使った実践的なもの。ドリブルから蹴り込み、三角コーンを狙う練習では、鮮やかに命中させるスーパープレーが続出しました。これには選手たちもびっくり。「ナイス!」と声を掛けました。
ラストは各グループで試合です。選手も子どもたちのチームに加わりました。高学年グループには、得点ランキングトップのFW菅澤優衣香選手が参戦。参加者が出したゴール前へのパスに走り込むと、スライディングしながらシュート。見事にネットを揺らしました。面目躍如のプレーを披露し、ガッツポーズでチームみんなと喜び合いました。
サッカー教室の終了後は全員で記念撮影。キッズは時間いっぱいまでWEリーガーとの交流を満喫しました。選手たちは2列に並んで子どもたちをお見送り。お土産を手にした一人ひとりとハイタッチをして別れを惜しみました。
WEリーグに所属する選手の行動規範、WEリーガークレドには「私たちは、自由に夢や憧れを抱ける未来をつくる」と書かれています。今回のサッカー教室はクレドを体現したイベントになりました。
小学4年生の女の子は「選手たちは上手で、かっこよかった。うまくなりたいと思った」と話しました。選手のプレーや笑顔は印象深く、これまで観戦したことがなかった浦和の試合を「見てみたい」そうです。
なでしこジャパンのメンバーでDFの高橋はな選手は、最後まで笑顔で子どもたちに手を振っていました。「私たちは夢を与える職業だと思う。いろいろな方々に恩返しできるような活動をしていきたい」。一方、リーダーを務めた上野選手は、少女たちが将来サッカーで輝けるよう「一番にサッカーの楽しさを伝えていきたい」と述べました。これからも次世代のWEリーガーと交流を深めていきたいということです。