INAC神戸レオネッサは3月26日、神戸市垂水区の三井アウトレットパークマリンピア神戸で防犯スポーツ教室とサッカークリニックを行いました。また、I神戸とフレンドシップパートナーの神戸新聞社による阪神大震災の写真展も開かれました。
I神戸はホームタウン神戸の子どもたちが安心して暮らせる街を目指し「防犯スポーツ教室」を、選手によるサッカークリニックと合わせ開催しました。「防犯スポーツ教室」は不審者からの逃げ方や手をつかまれた時の対処法(護身術)など、スポーツの動きと重ねて学ぶ体験型防犯教室です。当日はあいにくの天気でしたが、心待ちにしていた保育園と幼稚園の園児と小学生、合わせて65人と保護者が集まりました。
冒頭で防犯アドバイザー、坂本一成さんが犯罪に巻き込まれないための心構えを説明。判断力と瞬発力、それに決断力が必要で「最後まで諦めない強い心が大切だ」と説きました。その上で「危ないと思ったら逃げるのが一番。それでもつかまれた時の護身術を教えますので、家に帰ってもやってみてください」と呼びかけました。
午前中は園児と小学校低学年の子どもたちが対象で、東京五輪に出場したFW田中美南選手や、3月に加入したばかりのドイツ人GKスティーナ・ヨハネス選手ら12人が登場。まず、園児14人が護身術とサッカーを体験しました。
防犯教室では選手が不審者の役を務めました。選手に腕をつかまれた子どもたちが、覚えたばかりの護身術でふりほどくと、GK山下杏也加選手が「そうそう!」とグッドサインを送りました。サッカークリニックでは小雨に負けず皆でボールを追いかけました。
雨脚が強くなり小学1、2年生27人が参加した午前2回目のイベントは、室内で行われました。防犯教室はサッカーのトレーニングを応用、選手顔負けの俊敏性を見せる児童もいました。合図に合わせカラーコーンをタッチするゲームには、日本代表経験もあるDF三宅史織選手も挑戦。当初はにこやかでしたが、最後には真剣な表情で取り組んでいました。
午後には雨が上がり、小学3年生から6年生24人が屋外の会場に集合。参加選手も代わり、DF竹重杏歌理選手やMF伊藤美紀選手ら12選手が、子どもたちに拍手で迎えられました。
「てこの原理」を利用した護身術を学ぶなど、防犯教室も中、高学年が対象だけにレベルアップ。サッカークリニックでは選手と子どもたちのチームが対戦しました。試合は白熱し、FW京川舞選手が軽やかなドリブルで見せ場をつくる一方、子どもたちも強烈なシュートを放ち、ゴール前のDF井手ひなた選手、MF愛川陽菜選手が驚いて絶叫する場面もありました。
この回、進行役を務めた竹重選手は準備の段階からイベントに関わったといい「子どもたちが楽しめるメニューを考えました」。選手の行動規範「WEリーガークレド」の開発ミーティングにも出席したDFの牛島理子選手は「プロになって女子サッカー選手という職業になったので、あんな人たちになりたいと、憧れの存在に思ってもらえるような時間にしていきたい」と今後の抱負を語りました。
各回とも、イベントの最後は選手のサイン入り試合球を懸けたじゃんけん大会で、大いに盛り上がりました。園児の回で見事に優勝した5歳の女の子は「家族とボールで遊ぶ」とうれしそうでした。サッカーを習っている9歳の女の子の父、山口智恵さんは「プロ選手と一緒に動けたのは貴重な体験です」と感想を話しました。
I神戸の安本卓史代表取締役社長は、今後も定期的にWEリーグ理念推進活動を実施すると明言。4月には中学生以上の女性を対象に「女性のためのサッカー教室」を開校するということです。
また、1995年に発生した阪神大震災から今年で27年がたちました。室内の会場では、神戸新聞社による震災当時と復興の様子を記録した約350枚の写真展示が行われ、イベントに参加した親子が写真を見入っていました。