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インタビュー
2021.12.30
【WE INTERVIEW #35】~隅田凜選手(マイナビ仙台レディース)~


牽引する難しさを知って強まった想い

派手なプレーで注目されるタイプではないが、必ずいてほしいところにいてくれる。隅田凜はそういう選手だ。アンダーカテゴリーでは多くの国際舞台も経験してきた。自身を成長させるために選んだ仙台の地。移籍2年目でキャプテンという立場に立った。言葉で伝えることは苦手な分、プレーに想いを込めた。今やマイナビ仙台レディースの不動のボランチとして厚い信頼を得た隅田の視線は常に前を向いている。

——サッカーを始めた幼稚園の頃の記憶はありますか?

ほぼないですが、テレビで男子のワールドカップを見てサッカーをやりたいと言い出したそうです(笑)女子サッカーについては・・・小学4年生のときに東京ヴェルディのセレクションを受けに行きました。そのときにベレーザがあることを知りました(笑)その後、テレビでベレーザと田崎ペルーレの試合を見て、女子はこの2チームしかないと思い込んじゃったんですよね。立地的にベレーザかな~なんて思っていました。

——ボランチは天職だと感じますか?

いや~、スピードがないので他のポジションが出来ない(笑)ボランチの醍醐味はゲームをコントロールできること。守備のときも、相手のパスの選択肢がたくさんあるなかで、自分が予想して奪えた瞬間とか、楽しいです。

——ここまであらゆる選手とペアを組んだと思います。印象に残っている選手は?

阪口夢穂選手(現大宮アルディージャVENTUS)です。ベレーザで夢穂さんと組んだときはもうボールを預けてれば安心!みたいなところで頼りっぱなしでしたが、夢穂さんが攻撃に関わって、自分がそこをカバーしてコントロールするようにとよく言われていました。ボランチって全部自分がやるんじゃなくて、役割を分担してお互いにいいところを出し合えるんだなと感じられたのは大きかったです。

——さらなる成長を求めてマイナビベガルタ仙台レディースへ。ここで成長したところは?

昨年はキャプテンをやったんですけど・・・引っ張っていく気持ちをプレーで出すのは自分なりに成長したと思います。チームは残留争いをするくらい状況が厳しかったので、バラバラになりそうな部分をなんとか引っ張っていくのは難しかったです。語ったりは出来ませんが、勝てないとどんどん悪い方へ進んでいってしまうので、練習中の雰囲気作りは常に考えていました。周りの人たちがたくさん相談に乗ってくれたので、そのおかげでなんとか・・・という感じでした(苦笑)

——そして舞台はWEリーグへ移りました。チームもマイナビ仙台レディースとして走り出し、松田岳夫監督のサッカーも浸透してきました。

最初はとにかくボールを繋ぐサッカーなのかなと思っていました。でも相手を外すとか、逆を取るとか、そういう部分はもちろんですが、一番大事なのはアグレッシブに戦う姿勢を見せることだと言われました。響きましたね。今は松田監督のその言葉を常に感じながらプレーできています。

——そこにスプリントが必要であれば、苦手でも取り組みますよね(笑)これは、前回のWE INTERVIEW時の長野風花選手からの情報です。

そうなんです(苦笑)なんとか・・・

——先日は久しぶりになでしこジャパンとして国際試合に出場しました。その取り組みの成果は?

この前のアイスランド戦ではそういう試しが出せなかったのが正直なところ。自分たちの良さが出せなかったという反省があるので、スプリント以前に戦い方だったり、勝ちにこだわるという部分の至らなさが出てしまったと思います。

——そこからマイナビで取り組める課題は拾えましたか?

戦い方として1対1の場面がいくつもあると厳しいですよね。もちろんそこは避けては通れないところですが、日本の良さとしてポジショニングとか、ワンツーの連係の部分はもっと出していかないと勝てない。そこは自チームで取り組むのは難しいですが、意識次第で変わるところもあると感じています。

——マイナビのサッカーに必要な要素でもありますよね。それを踏まえて、ここを伸ばしていけば後期はもっと戦えるぞというところはありますか?

得点になってるのがカウンターやクロスからのシンプルなゴールなんです。苦戦してる試合を振り返ると相手にゴール前を固められて、崩せないというのがあった。カウンターとかの強みの部分は続けていき、相手に引かれても崩し切る前にシュートを打つことや、ペナルティエリア内に侵入するバリエーション、そこを突破していく力があったらもっと点が入ると思います。

——マイナビのここを見てほしいという崩し方は?

FWの3人はスピードもあって3人でも崩せるんです。前の3人がスピードに乗り出したら、観客のみなさんには盛り上がる準備をしてもらいたいですね。

——みなさんにお伺いしている質問です。今後どのようなWEリーグにしていきたいか、“隅田ビジョン”を聞かせてください。

正直もっと注目されるのかなと思いましたが、現実的は2,000人入らなかったりと、まだまだ注目してもらえていないのが現状。これからもっともっとWEリーグが輝くためには、自分たち次第だなというのを感じています。チームでも毎試合何人入ってるかデータを見てたりして、これだと次の試合はもっと減るぞ!みたいなミーティングもするんですよ。

——選手間で話すことでどう見せていくかが変わってくるかもしれませんね。

サッカーだけではダメですが、まずはしっかりとピッチで魅せられるようにしないと。前半戦2位という結果で終えて、勝てた試合もたくさんあったので悔しさもありますが、自分たちの良さは出せてきています。1位のINAC神戸レオネッサとの差はありますが、ここから1試合も落とさないという気持ちで挑んでいきたいです。自分たちは見ている人に応援したいと思ってもらえるような戦い方をしていきます!なので、まず、一度でもいいので、スタジアムに見に来てください!

(インタビュー・構成=早草紀子)



【プロフィール】

隅田凜(すみだ りん)

1996年1月12日生まれ、神奈川出身

MF、背番号7

アルゼンチンFC  新林レディース → 湘南ミラネーゼ → 日テレ・東京ヴェルディメニーナ → 日テレ・東京ヴェルディベレーザ → マイナビベガルタ仙台レディース / マイナビ仙台レディース

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