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インタビュー
2021.09.23
【WE INTERVIEW #28】~長野風花選手(マイナビ仙台レディース)~


目に見える結果でゴールへのこだわりを示すシーズンに

 

各世代別の代表を経験し、“世界一”として見る景色を知る長野風花。巧みな技術はもちろん、その広い視野で見つけ出した軌道にキラーパスを出す。そのプレーは冷静であり、巧妙だ。彼女がWEリーグ開幕元年に選んだチームは、選手全員がプロ契約というマイナビ仙台レディース。新しいチーム、新しい指揮官のもとで、あえて“数字を出すこと”を目標に掲げた。今シーズンは、これまでにない貪欲さを前面に出す新しい長野風花が見られそうだ。

  

——各カテゴリーでの代表を経験して、知らないサッカーと触れる機会が多かったと思います。いつも冷静な長野選手の気持ちが一番上がった対戦相手は?

ワールドカップなどの大きな舞台では、経験したことのないスピード感やレベルの高い選手を見てワクワクしていました。特に、U-20のワールドカップの前に行った海外遠征でフランスと対戦したときの衝撃は覚えています。同じ年代なのに身体が出来上がっているし、スピード感も全然違うし、足の長さも違う。見たことがない領域で、世界にはこんな素晴らしい選手がいっぱいいるんだ!と思いました。

 

——その後、FIFA U-20女子ワールドカップでは強豪国をはねのけて優勝しました。アンダーカテゴリーの経験で今に生きていることは?

海外の選手はプレッシャーが速いですし、フィジカルコンタクト一つ取っても、全然国内とは違う。若い頃はプレッシャーが来ると慌ててしまうところがありましたが、U-20の代表活動を経験して、速くて強い寄せが来ても自分のプレーエリアを確保できるようになりました。

 

——プロリーグが開幕する年の所属チームとしてマイナビ仙台を選んだ理由は?

とても良い環境でサッカーだけに集中できて、とにかくサッカーにすべてを捧げられるところがマイナビ仙台でした。私は現代製鉄レッドエンジェルズ(韓国)、ちふれASエルフェン埼玉(当時なでしこリーグ2部)に所属していたときもプロ契約をさせてもらっていたので、個人的に大きな変化はありませんが、リーグ自体がプロになり、周りがプロ選手ということで意識高くサッカーに取り組めます。

 

——指揮を執る松田岳夫監督の印象は?

“渋い男”ですね(笑)。松田さんのサッカーをプレーしていて新しく知ることも多いのですが、一番実感しているのは、サッカーはサポートの位置だけですべて変わる、ということ。最初はボールを全然動かせなくて、ポゼッションをしてもボールを人に当ててばっかりでした。でも松田さんの話を聞きながらしっかりプレーに移していくことによってボールの動き方が変わって、試合で狙ったプレーができることもあったので、本当にこの7か月で大きく変化したと思います。

 

——長野選手とボランチを組むのが隅田凜選手です。

初めて凜さんと組むのですが、最初から違和感なく、今までずっとやってきたかのようなやり易さがあります。凜さんはボールにすごく関わるし、前への推進力もあるし、奪われたあとの切り替えでボールホルダーに対してガツンと行って取り切る!という選手なので、スゴイです。

 

——この二人でやってみたいプレーはありますか?

プレッシャーが速いときも、凜さんのパスコースを自分がしっかり作って助けるということに気を付けています。二人でボールに関わりながら、もっともっとフォワードの選手への決定的なスルーパスを増やしていきたいですね。

 

——ホームで迎えたWEリーグ開幕戦。緊張しましたか?

全くしませんでした(笑)。サポーターの方も応援してくださって、最高の雰囲気で勝ち点3を獲りたかったので悔しいです。今までやってきたことが出せて良いシーンもたくさんあったので、方向性は間違っていないと自分たちを信じてもっと良くしていくだけですが、課題はまだたくさんあると感じました。引いた相手に対してのプレーの引き出しとか、ボールへのかかわり方とか、かみ合わずに終わってしまった90分でした。

 

——球際でのプレーが厳しくなっているように感じます。

松田さんが常々言っていますが、アグレッシブなサッカーを90分間通してやることをチームとして練習から意識していて、球際の強さや、チャンスでスプリントをかけるということをやってきました。

 

——スプリントは元々得意でしたか?

いえ、全然得意じゃないです(笑)。でも松田さんからはボランチも飛び出すことを求められるので、凜さんと二人でがんばっています(笑)

 

——今年の私は〇〇が違う、というところを教えてください。

目に見える数字(ゴール)へのこだわり、です。

 

——あまり数字にこだわるタイプではないように思います。

今まではゴールへのこだわりというよりは、味方がプレーしやすいように、自分が決定的なパスを出すことにこだわりを持っていました。ボランチは見えないところでの貢献度が多いポジションですが、開幕戦のように苦しいとき、フォワードだけじゃなくてボランチが点を獲れたらチームは楽だと思うので、あえて見える数字(ゴール)にしました。とにかく得点に絡むプレーをしたいです。

 

——相棒の隅田選手も結構ミドルを狙っていますよね?

凜さん結構狙っていますね(笑)。私も狙っていきます。そのための練習をしていますし、炸裂させます!

 

——では最後にファン・サポーターのみなさんへメッセージをお願いします。

今年のマイナビ仙台は、全員がボールに関わりながらゴールを目指して決めきることをテーマにやってきています。しっかり勝って優勝を狙えるようなチームになっていくので応援よろしくお願いします!

 

(インタビュー・構成=早草紀子)




【プロフィール】

長野風花 (ながの ふうか)

1999年3月9日生まれ、東京都出身

MF、背番号11

FCパルティレ浦和レッズレディースジュニアユース → 浦和レッズレディースユース → 浦和レッズレディース → Hyundai Steel Company Red Angels Women’s Football Club (韓国) → ちふれASエルフェン埼玉 → マイナビ仙台レディース

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