9月12日(日)10:00キックオフ ノエビアスタジアム神戸
WEリーグのオープニングマッチとなった一戦。4分、INAC神戸レオネッサは#11髙瀬愛実が記念すべきWEリーグ開幕初ゴールを決めて先制すると、移籍加入した#23浜野まいかの2ゴールなど、前半のうちにリードを4点に広げます。後半も57分に#8阪口萌乃のパスに抜け出した髙瀬が今日2得点目をマーク。前後半にわたって23本のシュートを放つなど、終始攻め続けたI神戸が5-0の大勝で幸先の良いスタートを切りました。
>>試合詳細はこちら
INAC神戸レオネッサ
星川敬 監督
こういう状況下でお客さんがきていただいていることに感謝しています。そういう人たち対してもいいゲームができたので、すごい嬉しく思います。
——浜野選手、髙瀬選手それぞれ2トップの働きについて
プレシーズンマッチはずっと2トップとか3トップとかの選手がノーゴールで終わって、それから加入した浜野もいたし、髙瀬をプレシーズンの反省を踏まえて開幕に合わせてくれたし、WEリーグ最初のゴールを取ってくれたのもすごく嬉しいです。二人が日々毎日の成果をこういう大きい舞台で出してくれてよかったと思います。
——田中選手たちとの競争力について
田中選手が試合に出るべき選手だと思うので、出ていたらもう少し違う形のサッカーもできていたと思うんですけど、田中選手がいない中でも結果が出ているし、ディフェンスラインに関してもいいセンターバックがだんだん増えてきたので、プレシーズンから長い期間あったのでそこで良い感触をつかめたというのもあります。
——5-0という開幕戦でいいスタートを切ったが、優勝を見据えていく中で出た課題は
ゲームをコントロールすることができない時間帯があったので、そのあたりの行く行かないの時間とか、チームとして若くて行き切る力はありますがベレーザやレッズと比べると少し劣る。ゲームを読めるようなチームになっていければいいかと思います
——今日2得点の浜野選手の良かった点
セレッソにいるときもなでしこリーグで通じたスピードというのが加入して、後ろを向いたプレーでも精度が高くなってきたので、今日の出来だったら強豪相手でも太刀打ちできると思うし田中選手が入ってきて3人でコンビネーションの質とか高めながら90分間のペースといいますか、ただ単に走っているだけのシーンもあるので、考えてサッカーできるようになってきたら面白いのではないでしょうか。
——中盤で良くセカンドボールが拾えていましたが手応えは。
成宮選手がいるためセカンドボールを拾えることは他のチームに比べてできることだと思うので、出来としては非常に満足しています。
——優勝を目指すにあたり内容は満足か?
INAC強くなったとか、変わったねとか思われたかったので優勝を狙えるいいスタートを観のみなさまに見せられたかと思います。
——WEリーグに期待すること
理念や世界地位向上というのはサッカー以外のところでも頑張っていかないといけないですし、優勝を目指すとともに成長していけたらと思います。
——これからどんなサッカーをしていきたいか
女子サッカーというのが定着・浸透してきた中での有観客試合なので価値が高いものだと思いますし、競技の質という部分で男子と比べられるところも出てくると思うので、スピード感やパス、ひたむきに頑張る姿を見ていただきたい。質のところを見て世界を目指してやっていきたいです。
FW #11 髙瀬愛実 選手
開幕戦で多少緊張もあったんですけど、早い時間に点が取れて5-0で良い結果で終われたので、よかったかなと思います。
——WEリーグ初ゴールおめでとうございます。どういう気持ちで開幕を迎えたのかと、ゴールのシーンを振り返ってください。
WEリーグが始まるにあたって、新しいリーグにしなきゃいけないということで選手も色々発信してきましたし、その例を今日気迫だったりとか気持ちだったりというのをピッチで表現する日だったので、そういった意味では球際激しくだったとか、チームとしてはゴールがたくさん取れたりというところで自分たちの想いというのをしっかりプレーで表現できたんじゃないかなと思ってます。
——これからのFW争いも含めてどう頑張っていくか。
何人か強烈なFWが移籍してきてくれて、前線のFW争いというのは激しくなったなというのは感じていますし、自分自身その中でベストなコンディションで結果を残し続けないと試合で使ってもらえないだろうなというところは日々の練習から感じているところだったので、今日は自分がピッチに立ちましたけど今日もしっかり結果を残せましたし、練習でそういうところをアピールしていって試合に出続けたいなと思っています。
——2トップを組んだ浜野選手とのコンビネーションも含めて、自分がどんな位置取りをしようと思っていたのか。
正直言うともう少し(浜野)まいかと絡みたかったというのはあるんですけど、でも今日は前線の選手が多く絡んでというところで直接的に絡むシーンは少なかったんですけど、練習からまいかの位置というのは常に意識していましたし、スピードがある選手なのでスペースにボールを出してあげればゴールまでもっていってくれるというところがあるので、そういうのを自分は意識しながらやっていますし、まいかはまだまだ若い選手なので緊張せずに思い切ってやってもらう為に色々話とかもして、お互いにいい準備ができてピッチに立てたんじゃないかなと思います。
——改めてプロというリーグを迎えたことに関してはどのような思いで戦っていたのか。
今までもピッチで戦える喜びというのは感じていましたけれども、WEリーグになって注目されるようになって、胸を張って仕事ですと言えるようになって本当に幸せだなと今日改めて感じましたし、本当にたくさんの人がスタジアムに来てくださったり、テレビの前で応援してくださって今日リアルタイムで見てくれた人たちに、また見たいなと思ってもらえるような試合を次もしないといけないと思いますし、「面白いんだよ」って言ってもらって身近な人に広げてもらって、女子サッカーの輪というのももっともっと広げていけたらなと感じています。
——髙瀬選手自身含めて「魅せて勝つ」というのはあったのか。
個人的にはプロ化になって魅せるという部分というのはすごく大事に感じているので、今日見てくださった方々にINACの攻撃楽しいなと思っていただけたのであれば本当に嬉しいですし、いい崩しというのももちろん目指してはいますけど、今日に関しては早い時間にゴールが取れたところで攻撃陣の迫力というのは、崩しより迫力というところでは意識したかなと思います。
——Jリーグのヴィッセル神戸も含めて協力関係など意識していることはあるか。
Jリーグと比較するということはないのですが、女子サッカーの楽しさとして展開の早さやゴールに迫るスピードというのは1つ持ち味かなと思うので。Jリーグはボールを動かす時間も多いと思うんですが、それよりかは速くゴールに迫るシーンというのは女子サッカーの魅力かなとも思っています。
——先ほど「胸を張って」とおっしゃっていましたが、どういった場面で実感したか。
「お仕事何されているんですか?」と聞かれた時にINACはサッカーだけして生活はしていたんですが、それを職業欄に書くとプロではなく正社員になるので説明が必要というか。でもシンプルに「プロサッカー選手です」と言えるのがすごく嬉しいなと思います。
——今日の開幕戦に向けてプレーの面で修正してきた点はどういうところか。
正直プレシーズンマッチの段階ではチームとしては攻撃的なことというよりかは、ディフェンス的な部分で共通認識を持って取り組んでいた時期があったので、プレシーズンマッチが終わってこの開幕までに攻撃のコンビネーションだったり狙いだったりというのをやってくる時間ができたので。ただそれでもチームとして得点が取り切れないというのが練習試合とか組んでる中でも課題だったので、個人としては迷いなくやることが大事かなというので。その意識の変化が個人だけじゃなくチーム全体で迷わずにプレーしていいよと監督に言ってもらっていたので、そういう思いきれるような環境を作ってもらえたのが今日の5得点に繋がったんじゃないかな思います。
——INAC神戸はサッカーに集中できる環境だと思うのですが、WEリーグとなったことで気持ちの面や環境の面など、一番変化を感じているところはどこか。
今までプロに近い感じでやっていたので、責任感が無かったわけではないですけどこれが仕事で、これを楽しみに見に来てくれる人がいるというところでは改めてそういうことを考えさせられる状況になりましたし、本当に1試合1試合100%で戦えないといけないのはすごく改めて強くなったように思います。
FW #23 浜野まいか 選手
どきどきでいっぱいだったんですけど、タカさん(髙瀬 愛実選手)が1点目を決めてくれたので、その後は楽しくプレーできました。
——WEリーグデビュー、2ゴールおめでとうございます。後半にはハットトリックのチャンスもあったかなと思うのですが、2点取れた嬉しさと狙っていた3点目が取れなかったのとどちらの方の気持ちが強いですか?
チームとして後半は1点しか決められなくて自分が決めないことによって少し流れが悪くなってしまったのでそこは責任を感じています。
——前半は髙瀬選手がゴールを決めたあと、オウンゴールのシーンも含めて3点に浜野選手が絡んでいたと思うのですが。
2点目の印象が強くて、ヘディングが苦手で決めたことが無くて、なぜあそこで足でいかずに自分でもヘディングでいけたのか驚きです。
——それはINACで練習を積んできて、足でいかずに頭で飛び込むことも日ごろの練習から考えていたことなのか、今日はゴールを取りたいからどこに当ててでもという気持ちだったのでしょうか。
練習でもヘディングでまず外すというよりすることがなくて、今日は絶対点を決めるぞという気持ちだったので、多分勝手に動いたんだと思います。
——開幕戦のスタメンというのはいつ監督から言われたりしてどんな準備をして今日のピッチに立ったのか。
スタメンの発表というより練習で合わすことが多くなって、試合にでるのかなあというのは薄々わかりました。昨日の練習が終わった後に練習場の近くのホテルを手配してくれていて、そこから今日は練習場に行きました。
——FWで一緒にコンビを組んだ髙瀬選手がいろいろアドバイスしたと先ほど言っていましたが、嬉しかったアドバイスや緊張がほどけたアドバイスなどはありましたか。
試合前に背中を思いっきり叩いてくれてビクっとなりました(笑)
——それで気合が入ったと。
気合は入りすぎていたので、緊張が少しはほぐれたのかなと思います。
——浜野選手のプレーを見る人が初めていると思いますが、浜野選手が考える自分のプレーの良さはどういうところにあると考えていますか。
スピードが他の選手よりも速いと思うのでスピードのあるプレーを見てほしいんですけど、スピードだけに頼らずに、考えてプレーしたいと思います。
——どのくらい出来たというのはあるか。
55点(笑)シュートだったりキーパーに結構取られてしまったので決めきりたかったなというのはあります。
——INAC史上最年少のプロ選手となりましたが高校2年生で今までお金を稼ぐという経験がなかったと思うのですが、サッカーをしてお金を稼げるというところについては。
お金を稼いでる感じはしないんですけど、1日の中で学校にほどんど行かずにサッカーに集中できる生活というのが夢だったので、1つ夢が叶いました。お金のことはお母さんがやってくれているので分からないです(笑)
——開幕戦にゴールを決めて自分へのご褒美などは。
特にないんですけど、堂島ロールさんが試合後にくれたものがおいしかったです。今さっき食べました(笑)
——勝利おめでとうございます。INAC入ってこの選手のこのプレーに驚いたとか、この選手を参考にしているなどあるか。
ポジションによってみんな全然プレーが違うんですけど、それぞれ違う上手さというか。FWはよくボランチと関わるので成宮唯さん、阪口萌乃さんだとかは動き出しを常に見てくれているので動き出したらボールが出てくるのですごいなと思います。
——FWのメンバーのなかで参考にしているなどあるか。
髙瀬さんと美南さん(田中美南選手)はそんなにやっていないんですけどキープ力とか、2人ともキープがすごいなと思います。
——憧れの選手は。
メッシ。ボールを持ったらワクワクするのでそういうプレーをしたいと思います。
大宮アルディージャVENTUS
岡本武行 監督
試合の入り方と守備のプレッシャーのかけ方に不具合がありました。その中で後半はシステムを変えてチャレンジし、ボールの取りどころというのはできてきましたが、攻撃のクオリティをもっと上げていかないといけないと思いました。今年からできたチームというところで、ここからチームを成長させていかなければいけないと思います。
——選手の動きについて。
早い時間帯に失点しまったことによって、なかなか前に出ていけなかったと思います。プレッシャーがかかりづらいシステムを選んでしまったのは、私の反省点です。
——今節の戦術のねらいは。
中盤を厚めにして、スライドしながら前線にプレッシャーをかけたかったのですが、かからなかったことによって自由にバイタルエリアを使わせてしまいました。
——次節に向けた収穫はありましたか?
後半は積極的にボールに集まってシュートまで持っていけるシーンはあったので、そこの回数を増やしていければと思います。
——試合前は選手にどのような声をかけましたか?
自分たちから攻守のアクションをしようという話はしました。
FW #9 井上綾香 選手
前半はチームが崩れてしまって、自分たちがやってきたことをチームとして出せませんでした。後半は前から行こうというかたちで良い入り方ができたので、次に繋がると思います。
——前半チームが崩れてしまった要因は?
失点が早かったことと、シンプルに球際で相手が上回っていたことが一番大きいと思います。
——次節に向けて出していきたいところ。
球際のところでしっかり身体を張るところと。得点が取れていないので、そこは狙っていきたいと思っています。
——プロ選手になって変わったこと。
一日中サッカーに集中できる環境になったので、そこが大きな違いだと思います。ケアや筋トレに時間を使えるようになってありがたいと思いました。
DF #3 鮫島彩 選手
まずは多くの方のご協力で開幕戦を迎えられたことに感謝しています。開幕戦の最初の試合だったので、もう少し盛り上がるゲームができれば良かったという思いはあります。
——次節に向けた収穫はありましたか?
来週の私たちの戦い方次第でそう思えるか変わってくると思いますが、戦うべきところで身体を張るなど足りない部分はあって、そういう細かいところの見直しが必要だと思いました。ただ、まだ始まったばかりなので、決してネガティブになる必要はないと思っています。
——WEリーグの初戦ということで、今までと違う思いはありましたか?
どのリーグであれ同じ試合なので、戦う気持ちは変わりませんが、開幕戦ということで初めて女子サッカーを観に来てくださる方もいるかもしれないと思っていたので、女子サッカーって楽しいんだ、WEリーグって面白いんだって思っていただけるような戦いはしたいという気持ちは今までよりも大きかったと思います。
——WEリーグを成功させるために選手として大切なこと。
選手としてピッチ内で勝利を求めること、ベストなパフォーマンスを出すことは当たり前にしていかなければいけないと思っていますが、プロ化されたことで、興行としての成功も重要になってくるので、今まで以上にファンファースト、スポンサーファーストという部分を選手が意識して臨んでいくべきだと個人的には思います。
——プロ選手としての自覚をほかの選手に促すことはありますか?
私自身、プロ意識は選手それぞれ違うものだと思いますし、正直言葉で伝えるタイプではないので、若手の選手の模範となっていればいいなとは思っています。
——長年所属していたINAC神戸レオネッサと対戦して思ったこと
久々にお会いできてすごく嬉しかったです。INAC神戸レオネッサのサポーターの皆さんは女子サッカー全体を盛り上げていこうと思ってくださっている方がすごく多いので、拮抗した試合を見せられず申し訳ないです。髙瀨選手のところは気をつけようと話していたのですが、そこをこじ開けられるのが彼女の強さなので、私たちも女子サッカーを盛り上げられるようにがんばりたいと思います。