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2021.09.12
【東京NBvs浦和】塩越柚歩が試合終盤に逆転ゴールを奪い、注目の一戦は浦和が勝利【マッチレポート Yogibo WEリーグ 第1節】

東京NB 1-2 浦和

9月12日(日)13:30キックオフ 味の素フィールド西が丘


昨季のなでしこリーグ女王と皇后杯覇者の注目の一戦。33分、味方のロングボールに反応して抜け出した#9植木理子が#10小林里歌子とのワンツーで日テレ・東京ヴェルディベレーザが先制。三菱重工浦和レッズレディースも反撃に転じます。49分、後半から途中出場の#9菅澤優衣香が、低いクロスをニアで合わせ同点とすると、87分にはこぼれ球に反応した#19塩越柚歩が右足を振りぬきゴールネットを揺らします。後半に2得点を奪った浦和が逆転勝利を収めました。

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ハイライト

監督・選手コメント

日テレ・東京ヴェルディベレーザ

竹本一彦 監督

 

2,700人の観客の方々、西が丘に来ていただきありがとうございます。この試合で皆さんの印象に残るゲームをやろうということで試合に入りました。選手たちは自分のパフォーマンスを出してくれたと思いますが、相手の中盤でのプレスがきつく、簡単なパス回しができませんでした。相手のディフェンスラインが高いので、1点目のような植木理子選手や小林里歌子選手のスピードを生かした相手の裏を突く攻撃、清水梨紗選手の右サイドの攻撃参加は良かったですが、チャンスがあった中で2点差にする、追いつかれても再びリードする決定力がほしかった。最後、自分たちがペナルティエリア内で守る、ボールに対してチャレンジしてカバーして、危ない時間帯はクリアするなどして、なんとかしのぐ、耐えるということが、プレシーズンマッチや最近の練習試合を含めてなかったので、改めてWEリーグの試合をやってみて、自分たちが課題としている勝ち切る力、そういう相手と対戦したときにチームのプレーをできるようにしたいと思います。まだ始まったばかりで、あと19試合あるので、次節以降しっかり改善して、進めていきたいと思います。

 

——敗因はどこにありますか?

攻撃を絞らせるという我々の弱点を研究されてきていると思いました。それで私たちがチャンスをつくっても、ゴールキーパーとの1対1や2対1の崩しなど難しいかたちになってしまった。厳しいプレッシャーの中でのプレーは、まだ質が低いということはあると思います。相手の力量が高い中で、楽しもうと思ったのですが、特に後半の入りはあまり良くなかったと思います。

 

——ゴールを決めた植木理子選手の評価はいかがでしょうか?

フォワードに入って非常に成長してきているので、裏への抜け出し、浮き球の処理、ヘディングの流しなど、良いプレーが多かったと思います。ただストライカーとして、少ないチャンスでも決めきるのがチームのエースだということになると思います。彼女の良さは出ていましたけど、相手のセンターバックが速かったので、我々の攻撃でサポートをする、彼女を助ける動きがもっと必要だと思いますし、彼女自身にもその判断を高めていってほしいと思います。

 

——主導権を握る時間帯もあったと思いますが、どのあたりが良かったですか?

前半の立ち上がりは相手のペースで、我々が中盤でビルドアップしていくというかたちが作れませんでした。ただ飲水タイムで、相手のディフェンスラインが高い、中盤でのプレスがきつい中で、裏へのボールも多くしようということを話しました。その後は自分たちが相手の陣地でボールを回せるような時間帯になったと思います。後半の立ち上がりに菅澤優衣香選手が入ってきて、右サイドに安藤梢選手がポジションを変えたときの対応が少し遅かったです。そういう時間帯をしっかりとしのいで、自分たちの時間を多くしないといけないと反省しています。

 

——海外のサッカーファンにWEリーグで期待してほしいプレーは?

WEリーグで日本人選手のチームとしての規律を見てもらいたいと思います。ビルドアップして攻撃するときに、それぞれのコンビネーションやスルーパス、サイドチェンジなど、日本人ならではの攻撃をWEリーグで見せていきたいと思います。

 

 

DF #2 清水梨紗 選手

 

試合の入りは悪くなかったと思っています。後半立ち上がりに失点してしまって、相手が勢いづいて、その流れで2失点目を決められたところが、今節の試合の反省点だと思います。

 

——試合前のプランと比べて、何が誤算だったでしょうか?

元々、いろいろなシチュエーションは想定していました。1点リードしていて、追いつかれたところが誤算だったと思います。

 

——開幕戦に向けた緊張はありましたか?

チームは女王としてではなく、チャレンジャーとしてWEリーグに向かって取り組んでいました。たくさんの方に注目してもらった開幕戦で緊張している選手はいましたが、チームとしてはこれからの1試合1試合もすごく大切な試合なので、そこに変わりはなかったと思います。

 

——次の試合に向けて一週間をどう過ごしますか?

この試合については反省しますが、引きずらずに次の試合に向けて心も身体も良い準備をしていきたいと思います。

 

——スタジアムの雰囲気はいかがでしたか?

小さい子から大人の方までたくさんの方が来ていると、私も見ていて思いました。こういう雰囲気でサッカーができることはすごく幸せですし、その中で勝ちに繋げたかったと思っています。

 

——見ごたえのある試合だったと思いますが、プレーしていていかがでしたか?

観てくださっている方がそう思ってくれていたらすごく嬉しいです。チームとしてはまだまだ課題もありますし、プレーのレベルアップがもっと必要だと思います。

 

 

FW #9 植木理子 選手

 

先制できて良かったですが、後半締めるべきところで締めきれずに失点を重ねてしまったのは、反省点になると思います。

 

——後半もチャンスはありましたが、決められなかった要因について。

自分自身の技術もありますし、もう少し周りが見えていたら違う結果になったかなと思います。

 

——得点シーンを振り返って。

前半は裏を狙いながら、ゴールに向かっていくのが自分の役割だと思っていました。上手く裏に抜け出してから、小林里歌子選手とワンツーみたいなかたちでゴールできたのは、すごく理想のかたちだったと思います。

 

——試合後、涙を流していた時の気持ちは?

個人的に去年の一年間は不甲斐ないシーズンで、この開幕戦に向けて9か月間トレーニングしていましたし、そういう部分で絶対勝ちたかったというのが一番だったので、それが理由だと思います。

 

——次節以降に向けた修正点は?

自分のところでもっと起点になることと、最後にゴールを決めるところだと思います。そこは練習からもそうですし、試合で発揮しなければならないと感じています。

 

 

三菱重工浦和レッズレディース

楠瀬直木 監督

 

最初から良いリズムでボールを回せていたので、いつも通りいけると思いましたが、相手に高い技術やパスワークがあったので、普段は破られないところにボールが入ってきてズレが生じ、体力的な部分で人数が少ない場面がありました。結果的に勝利できましたが、かなり劣勢に立たされながらの勝利だったと思います。まずはしっかり回復して、改善していきたいと思います。

 

 

——開幕戦に勝利した心境

ベレーザ戦はずっと歴史のある試合ですし、前回皇后杯で負けていたので、勝つことができて非常に嬉しいです。次も楽しみにしています。

 

——失点後、選手たちに伝えたことはありますか?

植木理子選手の突破は想定していましたが止められなかったので、失点で慌てることはありませんでした。選手たちには事前のミーティングでファーストディフェンスやラインのコントロールについて話していたので、まず自分たちのかたちでフィニッシュまでいくことに集中できたと思います。

 

——ホーム開幕戦への意気込み

勝ちはしましたが次も簡単な相手ではないので、いろいろな部分を改善して良い準備をして、しっかり走って戦っていこうと思っています。

 

——多くの人の目に触れる開幕戦だったと思います。その部分で選手たちに伝えたことはありますか?

選手たちは十分理解していました。WEリーグの開幕戦というよりも、ベレーザに前回皇后杯で負けた悔しさのほうが強かったので、選手たちにとってはベレーザと対戦できるということが大きかったと思います。

 

——前半はパスで繋げそうなところでシンプルに前に蹴る場面が多かった印象です。

相手のプレッシャーが早かったので、裏をねらうことで中盤のスペースを空けようとしました。そういう部分で背後をねらうシーンが多く見えたと思います。

 

——後半の得点直後に長嶋玲奈選手を投入した意図は?

清家貴子選手が公式戦での復帰第一戦だったということで、時間を制限していたので、もう少しプレーさせても良かったですが、思い切って早めに交代させました。これからWEリーグがスタートするので、長嶋玲奈選手にも長い時間でのプレーを経験させたいと思い、このタイミングで決断しました。

 

——安藤梢選手の評価について。

本当に素晴らしかった。逆転ゴールに繋がった突破は39歳に思えない。ボランチに下げてもゲームをコントロールできるし、頼りにしています。頼りすぎて足をつるまで酷使させてしまったのはこちらの責任ですが、居てくれてありがたい選手です。

 

——後半に選手が足をつってしまった原因は?

フィジカルトレーニングというよりはプレーの精度アップの練習に時間を割いていました。けがから復帰した選手がいたというのもありますが、足をつるまでいかなくても限界まで来ていた選手もいました。ここからスタートなので、1シーズン通して戦えるようにじっくりコンディションを上げていきます。またチーム全体の戦力を上げて、誰が出ても高いレベルにできるようにしていかなければいけないと思っています。

 

——フィジカルを強化するうえで大事なことは?

かなり追い込んだトレーニングもしています。そこは継続して、身に着けていかなければいけないと思っています。

 

 

FW #9 菅澤優衣香 選手

 

開幕戦で難しい試合になることはわかっていた中で、先制点を許してしまいましたが、しっかりと逆転して、勝ち点3をとれて良かったと思います。

 

——交代直後に得点したシーンを振り返ってください。

安藤梢選手がサイドを駆け上がっていて、クロスボールが来ると思っていたので、ファーストプレーでしっかり決められて良かったと思います。

 

——ホーム開幕戦への意気込み

この勢いを次の試合につなげていけたら良いと思うので、しっかりと勝って勝ち点3を積み上げていけるようにしたいです。私はフォワードなので、点を決めてチームの勝利に貢献できるようにがんばりたいと思います。

 

——交代前はどんなイメージを持っていましたか?

自分のプレーとしては、しっかり前で収めてチームが落ち着く時間を作ることができればと思って見ていました。失点時は相手ディフェンスの背後をねらうことも選手間で話していて、それが得点のかたちになったと思うので、試合の中で自分たちで修正しながらできて良かったと思います。

 

——チーム全体が臨機応変に対応している印象でした。

誰が出ても、全体が流動的に動いていろんな攻撃ができるのは、今のレッズの強みだと思うので、それをこれからの試合でも上手く生かしていけたら良いと思います。

 

——菅澤選手のスルーパスへの抜け出しが逆転ゴールに繋がったと思いますが、いかがでしょうか。

本来であれば自分で決めたかったですが、難しいかたちになってしまいました。ほかの選手もいたので、誰が決めてもおかしくない攻撃だったと思います。最後は塩越柚歩選手がしっかり決めてくれたので良かったと思います。

 

——WEリーグを盛り上げるために、面白い試合をしなければならないという思いはありますか?

これから日本で女子サッカーを根付く環境をつくるためには、結果も大事ですが、まず自分たちが楽しんで、観てくださる皆さんを楽しませるサッカーをすることがすごく大事だと思うので、そういう試合ができたら良いと思います。

 

 

MF #19 塩越柚歩 選手

 

最高な素晴らしい相手と、お客さんがたくさん来てくださった中で、自分が得点をとって、チームが勝てて本当に良かったです。

 

——決勝点となった得点シーンを振り返ってください。

試合の入りから良い流れがたくさんあった中で先制点を取られてしまいましたが、後半に入ってすぐに菅澤優衣香選手が決めてくれて追いついたのでいけるんじゃないかと思っていました。良いところにボールがこぼれてきてくれて、思い切って足を振るだけでした。

 

——ホーム開幕戦への意気込み。

自分の中でベレーザとの試合は特別な試合です。ホーム開幕戦も特別な試合になると思っていますし、駒場スタジアムでの試合をすごく楽しみにしています。お客さんもたくさん来ていただけると思いますし、その中でしっかり勝って良い流れを続けていきたいと思います。

 

——プロリーグになっていつもと違う感覚はありましたか?

WEリーグが始まることを知ってから、今年は半年間くらいリーグ戦がない中でチームで良い積み上げをしながら、いよいよ始まるという思いで臨んだ開幕戦でした。自分が思っているよりも多くの方が観てくれていて、SNSで盛り上がっているのも見て、新しいプロリーグが始まるということが歴史に残る日になるんだなと思いながら、今日という日を迎えました。

 

——WEリーグを盛り上げて定着させるために、何をすべきだと思いますか?

自分自身がいろんな発信をしていかなければいけないと思います。サッカー選手としては、たくさんの方が感動するような諦めないプレーや、また試合を観に行きたいと思ってもらえるような面白いプレーを続けていかなければいけないと思っています。いろんな方が注目してくれた中で良いゲームができたと思っています。

 

——プロサッカー選手としての初試合はいかがでしたか?

プロサッカー選手や開幕戦だからといって特別な緊張や気負いはしていませんでしたが、当日になってINACと大宮が先に試合をしていてすごく盛り上がっているのを見ていて、特別な日なんだと実感してから、だんだん緊張し始めました。でも試合が始まったら、やるしかないという気持ちも出てきたので、良い緊張感を持って試合に臨めたと思っています。

 

——特別な日での決勝ゴールは大きなものになったでしょうか?

今シーズンは自分自身で点をとっていきたいという思いがあった中で、開幕戦で得点できて、その点でチームを勝たせられて嬉しいです。こういう試合をこれから増やしていきたいという思いが強くなりました。

 

——得点シーンで、シュートを選択した理由は?

こぼれ球が来て、菅澤優衣香選手と少し後ろで長嶋玲奈選手も呼んでくれていて、その声は聞こえていたのですが、なんとなく自分だったらここでターンをできる感覚があったので、パスの選択は自分の中で一切なくて、前を向いたらシュートコースが見えたので、右足を振るだけのゴールでした。

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