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インタビュー
2021.08.12
【WE INTERVIEW #25】~水谷有希選手(三菱重工浦和レッズレディース)~


絶妙な球離れとダイレクトパスに注目

 

JFAアカデミー出身の水谷有希は、勤勉家なのだろう。指導者目線を含めた視野でよりサッカーを深めようと筑波大学へ進学。在学中は大学のサッカー部と三菱重工浦和レッズレディースの練習を掛け持ちして活動するエネルギッシュな一面も持つ。彼女がたどり着こうとしているプレースタイルも感覚的なものというよりはどこか理論的だ。どこまで登りつめるのか、今年も目が離せない活躍が期待できそうだ。

  

——プレーするポジションは、サッカーを始めた小学1年生の時からこれまでずっと中盤の位置ですか?

フォワード、ミッドフィルダー、サイド、サイドバック・・・、センターバックはありませんが、色んなポジションを経験しました。自分の固定ポジションはなかったかもしれません。

 

——ここが好き!というポジションは?

攻撃だったらボランチ、守備だったらサイドハーフが好きです。ボランチは、最初はボールを取られることや相手に当たられることが怖かったですが、もともと駆け引きが好きなタイプなので、それを避けるために考えてプレーしている内に面白くなってきました。サイドハーフは、ある程度自分が守るべき範囲が限定されている中で相手との駆け引きができるので好きです。ボランチだと選択肢が多すぎて・・・(苦笑)。

 

——ポイントは”駆け引き”ですね。次に、進路の決断についてお伺いします。JFAアカデミーを選ぶというのも大きな決断だと思うのですが、大学も専門性の高い筑波大学へ進学していますよね。

将来は指導者になりたいと思っていて、筑波大学は体育に関して専門的に勉強できる特長があったので、そこにつながればと思って選びました。

 

——いつから指導者になるビジョンを持ちましたか?

高校3年生の時に明確になりました。アカデミーのコーチと一緒に試合を見ていて、明らかに上手くいっていないチームを「有希ならこのチームをどうやって変える?」と質問をされて、答えられなくて。監督の目線で見たことがなかったので、自分の知識で、伝え方でチームを変えることができたら面白いと思いました。

 

——指導者の目線で見て、実際に視野が広がった感覚はありますか?

自分の中で理解しているだけでなく、指導者はそれを伝えなきゃいけない。他人に伝えるためには言語化する必要がある。これが難しくて・・・、勉強になります。視野が広がったと言うより精度が上がったと言う方が近いかもしれません。

 

——昨年はコロナ禍で自粛期間もありました。プレシーズンマッチでの水谷選手のプレーはすごくキレがあるように見えましたが、どんなトレーニングをしていたのでしょうか?

昨シーズンは自分が出場できるか怪しい立ち位置にいたことを自覚していたので、森栄次総監督が重要視しているボールタッチを一番練習しました。苦手を克服するのも手だと思いますが、自分の長所をさらに精度良くできることにフォーカスして取り組んでいました。

 

——いま最も自信を持ってできているプレーを教えてください。

二つでもいいですか?(笑)。一つ目はダイレクトパスで、精度を高くしたいと思っています。ダイレクトプレーがディフェンスにとって反応しづらいことは自分が守備をしていても感じて、でも難しいからみんなあまり選択しない。今は、チームメイトとイメージを合わせていければ・・・という段階です。二つ目は絶妙な球離れ。リズムを作ることの一環ですが、球離れが良いチームはテンポが良い。相手を守備に来させるためにボールをゆったり持つ場合もある。でもタイミングを間違えると走っている味方のプレーを殺してしまうこともある。いつどの場面でボールを離すかは、センスだと思います。味方に迷惑をかけず、相手の足や思考をちょっと止めるような球離れが・・・、少しはできていると思います(笑)。

 

——今年の私は〇〇が違う!というものはありますか?

サッカーに関するすべてへのこだわりが違う!パスが通ってもそれは味方にとって本当に一番良いパスだったのか。同じミスがないようにこだわりを持って反省して積み重ねていくことが勝利へのこだわりにもなると思っています。

 

——最後にファン・サポーターのみなさんにメッセージをお願いします。

狙うところはもちろん優勝。どの試合も確実に勝ち点3を積み重ねてWEリーグ初代女王になれるようにがんばりたいと思います。応援よろしくお願いします!

 

(インタビュー・構成=早草紀子)




【プロフィール】

水谷有希 (みずたに ゆうき)

1996年4月11日生まれ、神奈川県出身

MF、背番号16

NPO法人 湘南ルベントスポーツクラブジュニアJFAアカデミー福島 → 筑波大学 → 浦和レッズレディース → 筑波大学 → 三菱重工浦和レッズレディース

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