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インタビュー
2021.05.28
【WE INTERVIEW #17】~小林里歌子選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)~


心に余裕を持てたとき“自分の力”が発揮できる

 

日テレ・東京ヴェルディベレーザの若きエース——小林里歌子。U-17世代時には世界一へ輝いたが満足するプレーとまではいかなかった。次なる目標だったU-20世代では怪我に泣かされ、世界への挑戦は叶わなかったが、その道は今、なでしこジャパンへつながっている。長いリハビリ時期を越えて、ようやく心に余裕が生まれたとき、彼女の目の前には新しいサッカーが広がっていた。現在23歳。小林の挑戦は始まったばかりだ。

  

——高校から名門・常盤木学園でサッカー三昧な日々を送ります。こういう環境を探していたのでしょうか?

中学3年生のときにU-15の代表活動を経験して、レベルが高いところでプレーしたいと思うようになっていました。高校では自分たちでどういうサッカーをするのかを考えるスタイルだったので、相手の動きなど細かいところまで考えてサッカーをするようになりました。

 

——そんな生活に馴染み始めた頃にFIFA U-17女子ワールドカップ優勝という経験をしました。

もちろん優勝という経験は自信になります。個人的にはまだまだできた部分もあったのですが、ベストのコンディションで大会を終えられなかったので、自分としては満足のいく大会ではないです。

 

——だからこそ次の大会では、と意気込んでいた矢先、前十字靱帯断裂、その復帰が見えたと思ったら今度は右膝半月板を損傷。さすがに大きな怪我が続いたことで焦りがあったのでは?

最初に怪我をしたときは6か月から8か月で復帰の予定だったので、FIFA U-20女子ワールドカップ本大会に間に合うと思っていたのですが、それがどんどん長引いて本大会の日程が近づいてきたときはさすがに焦りました。結局間に合わなくて・・・。大会期間中のチームメイトのSNSは見たくなくて、ストレスが溜まる毎日で、ただ単に時間が過ぎて行くのを待っていました。当時は同じ怪我をした選手や家族、トレーナーに支えてもらっていたと思います。

 

——ベレーザに加入した直後もなかなかチームに合流できず、相当きつかったのでは?

チームで一度もプレーしたことがなかったので、自分のプレーが想像できないままリハビリをしていました。当時は怪我が治っていると感じられていなかったので、余裕がなかった。今思うと、怪我に対してちゃんと向き合えていませんでした。もっと自分の身体を大事にして、練習をやり過ぎない、休むという勇気がなかった。この経験は今の選手生活に活きています。初めて試合に出たときは、感動よりも試合勘や体力のなさに「ヤバイ!」ってなっていました(笑)

 

——自分のベストコンディションで溶け込めたと実感できたのはいつ頃ですか?

2019年の後半に、思い通りに身体が動くようになって心に余裕が生まれました。自分が覚えていたサッカーを楽しめている感覚というか、体と心の部分がやっと合わさった感覚がありました。

 

——最近はシュートでの足の振りがすごく速くなった気がします。

ゴールへの意識は確実に高まっています。高校生のときはアシストをするのが好きで、シュートを打てる位置にいるのにパスを選ぶことも多かったので、今はFWらしくなってきたなと(笑)。まだまだ自分でゴールを狙いにいくことや、最後の仕留める質にこだわってやっていかないといけないと思っています。

 

——小林選手が「WEリーグで一番〇〇な選手になる!」と宣言できるものとは?

一番料理をする選手になる!専門家に栄養面の話を聞いて、ちゃんとやってみようかと。普通のカレーをスパイスカレーにしてみたり、魚を単に焼くのではなく煮つけてみたりとか・・・。そんなレベルですけど(笑)

 

——今年の私は〇〇が違う!というところを教えてください。

今年の私は情熱が違います!最近、永田雅人コーチから南米の選手の熱いプレー映像が送られてきていて、これは・・・、そういうことだよなと思って(笑)。私は“情熱”とは無縁で、感情を表に出すことが苦手で、“熱さ”もFWらしさにつながってくると思うので、今年は出していこうと思っています!

 

——ゴール後のパフォーマンスが気になりますね。では最後にファン・サポーターの方へメッセージをお願いします。

9月から女子のプロサッカーリーグが始まります。ゴールに向かうプレーや得点で、ベレーザを引っ張っていけるような選手になっていきたいです。ぜひ観に来てください!





【プロフィール】

小林里歌子 (こばやし りかこ)

1997年7月21日生まれ、兵庫県出身

FW、背番号10

若草SSC → アギラス神戸 → プラセル神戸 → 常盤木学園高 → 日テレ・東京ヴェルディベレーザ

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