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レポート
2025.01.28
2024-25シーズンのテーマは“女子サッカーにおける「する」「みる」「関わる」機会を増やすためのWE ACTIONを”
第8回 WE ACTION MEETINGを開催 

公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)は、2024年11月27日に第8回 WE ACTION MEETINGをJFAハウスで実施しました。2024-25シーズンは「女子サッカーにおける「する」「みる」「関わる」機会を増やすためのWE ACTIONを」がテーマ。今回も、WEリーグクラブスタッフ、WEリーグ事務局スタッフ、WEリーグパートナー企業、スポーツ団体、メディアの計57名が参加し、白熱のディスカッションが進められました。

“推し活”もヒントに。女子サッカーとの接点、きっかけを探して


「WE ACTION MEETINGは、理念推進の機会になっているだけはなく、WEリーグに関わる様々な皆さんが集い、新しい気づきを得たり、新たなつながりを持つ機会になっていると思います。活発な議論を通して出てきたものをWEリーグのACTIONへの参考にしていきたい。女子サッカーにおいて“する人、みる人、関わる人”が増えていくこと。それが女子サッカー向上につながります。今までトライできなかったことにも挑戦したいですし、オープンなマインドで一緒に力を合わせてやっていきましょう」と宮本恒靖副理事の挨拶から、第8回WE ACTION MEETINGがスタート。


まずは、「女子アスリートが安心・安全に競技ができる環境を整える」をテーマに議論が進んだ第6、7回を経て、WEリーグが行った具体的な施策(ACTION)を振り返ります。施策として上がった6項目の中から、試合会場やSNSなどで発信する啓発映像の作成や、研修の実施が紹介されました。

続いて参加者は6グループに分れて、今シーズンのテーマである「女子サッカーにおける「する」「みる」「関わる」機会を増やすためのWE ACTIONを」について、ディスカッションをしていきます。

今回のWE ACTION MEETINGでは、「する」「みる」「関わる」の中から課題をひとつ選択し、解決に向けた具体的なACTIONを検討していく流れです。課題を絞っていく中で、多くのグループで出てきた声が「普段、サッカーと関わりがない人がスタジアムに行くことはハードルが高い」「サッカーに親しんでいない人とサッカーをつなげる接点=関わりを見つけるのが難しい」ということ。

その上で、「する」「みる」「関わる」というACTIONにつなげていくにはどうしたいいのか。それぞれの立場で、積極的な意見が飛び交います。


例えば「みる」という課題について。「スタジアムで“みる”のか、配信で“みる”のか。どの“みる”を選ぶかによってアプローチ方法も変わる」と意見が出てくる中で、参考例に上がったひとつがバレーボールです。

「バレーボールは今、注目されているスポーツのひとつです。スター選手の登場もあって、テレビ中継などで“みる”人たちが、スタジアムで“みる”ようになった。“みる”ことは、スポーツと関わる根本ですが、実はとても難しい。でもバレーのように興味やきっかけがあれば“みる”方向に導いていくことができる」という発言に、グループ内の意見交換も加速していきます。

実は、その隣のグループでも類似例が上がっており「女子サッカーの良さは、選手との近さもひとつ。選手が移籍をすると、ファン・サポーターも移籍してしまうことがある。クラブからすると苦しいこともあるけれど“推し”をつくってもらうことは大事。この“推し”を作るために、選手のバッググラウンドに焦点を当てたストーリーなどを発信してはどうか」という具体的な話も上がっていきました。

どんどん熱を帯びる議論は、あらかじめ設けられたディスカッションタイム内で終わらず、延長になるほど。WEリーグクラブスタッフ、WEリーグ事務局スタッフ、WEリーグパートナー企業、スポーツ団体、メディアと様々な視点を持つ参加者が集うからこそ、それぞれの立場で意見が出て、各所と連携した具体的なACTIONへと話が進みます。

ファン感謝祭やスーパーマーケットで接点を。バリエーション豊かな施策案


各グループが選んだ課題で最も多かったのが“みる”です。具体的な施策案発表では、「エスコートキッズやエスコートファミリーの実施。仕事体験で子どもたちが試合に来て、サッカーの現場を知る」、「今回参加しているみんなで協力してWEリーグの露出を増やしていく。そこで推し選手を見つけて箱推し(チームにファン)になるように、ファンとのタッチポイントをより多く作る。選手に会いたい、試合を見たいと思うモチベーションにつなげられたら」「推し自慢コンテスト、推し写真コンテストなどの実施」という意見が出てくる中で、多くのグループが頷いていたのが「サッカーを知らないおかあさん」をターゲットにした施策でした。

「おかあさんは、家庭の中でもみんなに影響を与える大きな存在です。その上で、子どもが戦隊ヒーローのファンになっておかあさんも一緒に応援。おかあさんの方が熱心(=推し活)になるということが実際にあります。そこでまずは、おかあさんに女子サッカーの魅力を知ってもらう。そのために地元のスーパーマーケットと連携し、存在を知ってもらうような施策を実施する。以前は選手がスーパーマーケットなどでおかあさんたちと一緒に働いていて、応援に来ることもありました。そうした女子サッカーとおかあさんとの接点を作り、関係性を深めていけたら」。


そのほか、「関わる」をテーマに「ファン感謝デーを、リーグ・全クラブ・パートナー企業で一緒に実施。みんなが“関わり”ながら裾野を広げ、新規ファンの獲得や推し活につなげられたら」という案も出ていました。

今回も様々な視点で、バリエーション豊かな意見が交わされたWE ACTION MEETING。 世相に乗る「推し活」やスポーツの現場では欠かせない「ファン感」。日常生活に密着した「スーパーマーケットなどでのPR」など、どの施策が実現につながっていくのか。その過程もまた、WEリーグが関わるすべての人と起こしていく“WE ACTION”です。

次回のWE ACTION MEETINGは、2025年春ごろに開催予定。選手たちも参加して、より豊かで活発な意見交換の場へ。今回話し合った内容に、さらに磨きをかけていきます。

参加者コメント
SOMPOホールディングス株式会社 山中 紗恵子さん

議論に積極的に参加される方が多く、「女子サッカーを盛り上げたい」というアツい想いで会場内が溢れていたことが印象的でした。時間が短く十分な議論ができなかったので、チームの人数を少なくする。参加者には事前に議論の内容を伝えて、考えをまとめたうえで参加するなどすると、アイデアをもっとしっかり共有できると思います。クラブやパートナーの方々、それぞれの想いを知ることができて良い時間でした。ありがとうございました。

読売新聞社 日高徹生さん

集客に関心があることが分かりましたし、もっと頻繁に開催してほしいです。リーグ、クラブ、企業が一つになって盛り上げようとする取り組みはとても素晴らしいと思います。少しずつでいいので、果実を産み出していきましょう。

日テレ・東京ヴェルディベレーザ 鴇矢莉子さん

クラブ担当者では考えられなかった新たな想像と発見がありました。実際にお子さんと休日を過ごされている方のご意見は参考になりましたし、女子サッカーを見る方法を、日常に取り入れてSNSで発信していくという発想はとても興味深く、実施してみたいです。沢山の方と交流するという意味では、3分間の発表ではどういう話し合いがなされたのか見えないので、2人ずつに分かれてそれぞれの班で出た内容を共有し、時間を決めて人がシャッフルしていくなどの試みも面白いのかなと思いました。


●第8回 WE ACTION MEETING

日時:2024年11月27日(水)16時

場所:JFAハウス

参加者:WEリーグパートナー企業、WEクラブスタッフ、スポーツ団体、メディア、WEリーグ事務局

第6回 WE ACTION MEETING

第7回 WE ACTION MEETING

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