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2025.01.24
WE ACTION DAY 新潟L 
「アルビレックス新潟レディース・女子サッカーを応援する人の幅(多様性)を拡げるには」を実施

2025年1月7日、アルビレックス新潟レディースが新潟聖籠スポーツセンター アルビレッジで「アルビレックス新潟レディース・女子サッカーを応援する人の幅(多様性)を拡げるには」を実施しました。

さまざまな人をスタジアムに。選手たちが企画考案するワークショップ


この日、新潟Lが取り組んだのは「アルビレックス新潟レディース・女子サッカーを応援する人の幅(多様性)を拡げるには」をテーマとしたワークショップです。長期的な選手考案プロジェクトの一貫で、ホームゲームにさまざまな人々が来てもらうにはどうしたらいいかが出発点。後半戦のホームゲームで開催する施策案を、選手たちがグループに分かれて話し合っていくものです。ターゲット層や企画案のアイデアを自由に新潟Lらしく話し合う時間となりました。

新潟LがWE ACTION DAYを行うにあたって「多様性というとても広いテーマの中で、どのように取り組むのがいいのか。まずは選手たちに相談してみました」とクラブスタッフ。


そこで出てきたのが「お話を聞いたとき、悪い意味ではなく“多様性”という言葉だけが先に歩きすぎてしまっているのではないかなと思いました。“多様性”を知ることや考えることも大事なのですが、そこに行く前の段階。目の前のことができていないのではないかなと。言葉が難しく極端な言い方になりますが、単純にサッカーの能力面だけを求めるなら、男子サッカーなどもある。でもその中で、女子サッカーを応援してくれている理由は何だろう。世間のみなさんは、自分たちに何を求めているのかを考えました。連戦でも平日開催のアウェイでもファン・サポーターの方は来てくれる。本当にありがたいし心強い。でもそれはどうして何だろうと思ったんです。どんな思いを持ってスタジアムに来てくれるのか。それを自分たちも考えなきゃいけないと感じて、さまざまな人がスタジアムに来てもらうにはどうしたらいいかという今回の案を出しました。なかなか見えにくいものでも本当にやらないといけないものを考えることが未来につながると個人的に思っています」と、発案者のひとりとなった道上彩花選手。

この選手たちの声がもとになって、新潟Lは2024年12月から取り組みをスタート。2025年春の実施に向けた選手考案プロジェクトの実施につながりました。最終的なゴールは「後半戦のホームゲームで『選手企画考案デー』として実施すること」(クラブスタッフ)であり、さまざまな人々に女子サッカーを、”アルビレックス新潟レディース”を知ってもらい、楽しんでもらいながら応援してくれる人を増やしていくことです。

その第1回目として、ファン・サポーターや一般の方にアンケートを実施。「チームを知ったきっかけ」「スタジアム内外でどのようなイベントがあると行きたくなるか」「女子サッカーの魅力」などの質問に寄せられた声をもとに、第2回目の活動となる、選手たちによるワークショップに進みました。




今回のワークショップではターゲット層と企画内容。そして、その企画を「いつ」、「どこで」、「誰と」、「どのように」していくかを考え、実現に向けてのスケジュールも決定していきます。どのグループも、最初こそ頭を悩ませた様子ですが、アンケート結果に目をやりながら、自由なアイデアがどんどん飛び出し始めます。

「SNSを見てくれる人が多いから告知に使いたい。もっとSNSを強化したい」「大型ビジョンに自分が映るとうれしいよね」「スタジアムグルメに県内初出店を呼んで話題にする」「女子チームだからこそ女子力も感じてもらえるような選手考案レシピ」「映えスポットをスタジアムにつくって投稿してもらう」など、その内容は十人十色。すぐに実施につながりそうなものから、その土台になるアイデアまで、たくさんの案が出てきます。




中でも興味深かったのは「スーパーや駅ビルでの告知活動」「一律料金」「練習着にQRコードをつけてみる」こと。

例えば、「スーパーや駅ビルでスタンプラリーなどの告知活動」。選手たちはこれまでにも駅などで告知活動をしていましたが「駅は急いでいる人やどこかに行こうと思っている人も多く、チラシ配りなどがとても難しいということを実感しました。」そこで「スーパーなどだったらどうか」という発言から始まりました。「パートナー企業さんのスーパーや駅ビルでの実施なら集客につながるし、私たちの告知にもつながる。お母さん世代や若い女性にアプローチできるから、みんなにとってwin-winになりそう」と選手たち。

また「一律料金」は「人数制限を設けつつも、その中で何人が来ても3000円にする」という案で「人数を集めるほど一人あたりの料金が安くなるから、クラス単位や家族、グループで来てもらえるかもしれない」と大盛り上がり。

「練習着にQRコードをつけてみる」アイデアも「写真撮影などをする機会もあるから、あとで見返したときにQRコードがついていたら読み込んでくれるかも。そこにクラブの情報などを入れておけば告知になる」というもので、実体験による選手ならではの発案になっていました。

こうしたさまざまなアイデアの中から、各グループイチオシの施策ができ上がっていきます。


「何度も応援に来る人を増やすには」という課題に取り組んだグループは、当初は若者としていたターゲットをすべてのサポーターに変更し「今日のゴールは誰だ」を企画。「試合当日にゴールを決める選手を予想して当たった人に抽選会をする」を発表しました。

「サッカーをプレーしたことがない人・Jリーグを観たことがない人の観戦を増やすには」を考えたグループは、サッカー観戦をしたことがない人に向けた「直接試合告知」。「大学や駅ビル、スーパーでチケット販売やチラシ配りをする。そして笑顔もプレゼントする!」。



家族をターゲットにした「家族の観戦を増やすには」を話し合ったグループは「SNS強化月間(オフショット)とトップチームとグッズコラボ」。ウインターブレイク期間に入るため「キャンプ中はオフショットでSNSを強化。後半戦に入ったらトップチームとグッズを考案したい」。

10代女子に向けた「10代の観戦を増やすには」企画は、「10代でよかったと思えるDAY」を考案。「キッチンカーでいちご飴や新潟初出店グルメなど話題になるものを出す。それから30人まで何人来てもチケット代が3000円」。


それぞれのグループが考えた企画は、どれも等身大で、自分だったら何がうれしいか。どういうものがあればスタジアムに行くかを考えて出てきたものばかり。選手たちが出した案に対しては、運営スタッフがきちんとフィードバックし、「こうしたらできる」「これならできる」をクラブ一丸となって生み出していきました。

「選手ならではの目線が新鮮でしたし、スタッフだけでは浮かばない案もたくさんあって、実施に向けてしっかりと取り組みたい。楽しみです」とクラブスタッフ。

道上選手も「選手自身が集客や女子スポーツ、女子サッカーを拡めるためには何をしたらいいかを考えてほしいなと思っていました。クラブスタッフに任せるだけではなく、ピッチ外でも選手たちができることがあるなら、みんなで取り組んでいきたい。その思いも込めて、今回のワークショップに臨みました。一人ひとりの目線も違い、本当にたくさんの意見、面白いアイデアも出てきたと思います。今回をきっかけに女子サッカーがより良くなるための足かけになればいいかなと、改めて感じました。WEリーグが発足して4シーズン目。プロと言っていても集客面などは、まだまだ厳しい現状があります。もしかすると、これ(集客面を考えることなど)は選手の“仕事”ではないのかもしれません。でも、選手たちがやれることもある。こういう機会に携われて良かったですし、やっぱり選手も、女子サッカーを、リーグ全体を盛り上げていくためにもがんばらないと。みんなでより良い形で進んでいけたらいいなと思います」と改めて、今回の企画に携わる思いを教えてくれました。


自分たちでできることをやる。それは新潟Lが育んできた心でもあります。実は、今回のグループ分けは、日々のお掃除班だそう。

「新潟Lは、自分たちでクラブハウスなどの掃除をやっているんです。より良い環境で過ごすために、自分たちが掃除などをするのは当たり前のことだと個人的には感じる中で、新潟Lは、それが当たり前のようにできるクラブです。そうした活動や思いも女子サッカーの良さにつながりますし、魅力にもなっていくのかなと思います」(道上選手)

サッカーをする場所。見てもらう場所。それを自分たちの手で育みながら、女子サッカーの魅力を広めていく新潟Lの取り組み。その思いが多くの人々に届き、新潟Lらしい多様性の形が生まれていきます。

その一歩を踏み出して、後半戦へ。選手考案プロジェクトも今後、残りの1グループがワークショップを行い、ホームゲームでの企画実施に進んでいきます。

「これからも何ができるかをみんなで考えていけたらいいなと思いますし、後半戦で実施予定の『選手企画考案デー』は、選手自身も楽しみにしています。性別などに関係なく、さまざまな年代の方々がスタジアムに来てくださると思うので、女子サッカーならではのひたむきさやチームワークの良さを見せて、より身近に感じられる女子サッカーの魅力を体感していただけたらうれしいです」(道上選手)

ピッチの中でも外でも魅力を伝えるために、選手たちが自由な発想で考え抜いた今回のWE ACTION DAY。新潟を包む白い雪解けの季節に、スタジアムを彩る新たな楽しみが待っています。

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