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インタビュー
2023.06.08
【WE INTERVIEW #65】~望月ありさ選手(大宮アルディージャVENTUS)~


プロだからこそ、行動して変化を起こしたい!

大宮アルディージャVENTUSの守護神である望月ありさはプレー同様、心がパワフルだ。最後尾から試合の流れを見ているからか、視野が広い。そして、積極的に外の世界と繋がる一歩を踏み出す姿は眩しいほどにエネルギッシュ。彼女には一日24時間では足りないのではないか。一度引退を決意したからこその想いもあるだろう。プロ選手であるからこその誇りを感じられる言葉の数々だった。

——フィールドプレイヤーからゴールキーパーにポジションを変えたきっかけは何ですか?

出場機会を増やすためです。最初は楽しいと思えなかったですが、サッカーが好きでずっと打ち込んできたので、それがなくなるよりゴールキーパーでプレーしようと思いました。ゴールキーパーの練習はキツいです。ボールを飛んでキャッチすると下は土で痛いし。でも思い起こせば、シュートを止めた時は面白いと思っていたはず。でなきゃ続いていないですよね(笑)

——望月選手は自分をどんな性格だと思いますか?

やり始めたことを簡単に諦めるのは嫌ですね。小学生の頃はバスケットボールや野球、水泳、ピアノもやりましたが、最初に出会ったのがサッカーだったという理由で、常にサッカーが中心にあった気がします。

あとは、例えば監督や先生に怒られて「帰れ!」と言われた時に平気で帰っちゃう人がいるじゃないですか。私は逆で、「やりたいです!」と言ってしがみついちゃうタイプです。

——オンとオフの切り替えはどのようにしていますか?

想像ですけど、サッカーに専念する時間は長くないほうだと思います。試合で自分のプレーがどんなに良くなかったとしても、それをズルズル引きずる感じではないです。オフの息抜きには、ディズニーが好きなのでディズニーランドに行きます。ワンちゃんを飼っているので、家では常に癒されています(笑)

切り替えが出来ている今と比べると、試合への出場機会が少なかった日テレ・ベレーザでは、「いいプレーしないと!爪痕残さないと!」とネガティブに考え緊張して全然駄目でした。変わったのはAC長野パルセイロ・レディースに移籍して試合に長い時間出るようになってからです。自分でもだいぶ変わったと思います(笑)

——試合への出場機会が増えて最も変化したところは?

慣れもあると思いますが、自分でやらなきゃいけない責任感が出てきます。緊張している場合じゃないという感じです。AC長野ではセットプレーの考案を任されていたこともあり、自分で考えないといけないチーム環境が良かったと思います。誰をどこに配置するのか考えて、試合の前日にはみんなの前で発表しなきゃいけないので、最初はすごく緊張しました。当時は別で仕事もしていたので、結構忙しかったですよ。

——選手としてのキャリアを積む中で引退を考えることもありましたか?

一度は辞めようと思ったからなのか、自分が今後どう生きていくか、将来のプランを考えるようになりました。今はサッカー選手だけど、現役の時間がずっとあるわけじゃない。もちろん選手としてプレーを続けたいですが、他にもやりたいことがたくさんあります。

——今後やりたいと思っていることを教えてください。

ゴールキーパーの育成に携わりたいです。私自身、小学生の頃に通っていたゴールキーパースクールでの経験が、WEリーグでプレーしている今に活きているので、次は私が指導する側になってみたいです。自分のスクールを立ち上げてみたいとも思います。

もう一つは、埼玉から女子サッカーを盛り上げたいと思っています。埼玉にWEリーグのチームが3チームあることは盛り上げるうえで大きなことだと思っていて、まだ表立ってお話できるところまで進んでいないですが、実はいろんな企業さんと話をしています。あとは、今関わっている飲食業も続けたいです。

——「こんなWEリーグにしたい」というビジョンを教えてください。

まずは、誰もが知っているリーグにしたいです。「自分の子どもがサッカーを習っていなかったらWEリーグは見ないよね」という厳しい意見を聞くことがありました。私自身も現状はまだまだ盛り上がっていないと思いますが、女性スポーツ特有の“感動ポイント”があることも確信しています。「頑張っている姿に感動した」という声も多く聞くので、それをいかに伝えるかが一番大事だと思います。WEリーグに所属している選手一人ひとりが少しでも行動を起こしたらきっと何かが変わります。個人的に今は、女子サッカーだけじゃなく女性アスリートを一括りにしたプロジェクトを考えています。

——大宮Vで2シーズン目を過ごしていますが、ご自身の成長を感じるところは?

コーチングはこの2年でさらに学びました。私の声かけによってチームメイトが思い通りに守備をしてくれたら、ボールの動きを予測して守りやすくなります。反対に思い描いていたものと全然違う寄せ方だと、ゴールを守れる確率がどんどん減ってしまいます。相手の意見もあるのでコミュニケーションが大切ですが、その加減が本当に難しくて今も奮闘中です。

選手にはそれぞれの特徴があるので、そこを把握してコーチングの仕方を変えることによって、どの選手が試合に出ても自分の基本の守り方を崩さないようにしたいと思っています。そのために、マズいと感じたプレーに対しては直後に指摘します。

——WEリーグ2シーズン目もいよいよ最終節を迎えます。

声出しでの応援がOKになって、ゴール裏からの後押しをめちゃめちゃ感じています。それがモチベーションになって頑張らなきゃいけないとすごく思います。その声援に気迫あるプレーで応えたいです。最終節のホーム NACK5スタジアム大宮は、ピッチが近いので私がコーチングする声も聞こえると思います。その声をシュートストップに繋げて、必ず結果に結び付けられるようにするのでぜひ注目してください!

(インタビュー・構成=早草紀子)




【プロフィール】

望月ありさ(もちづき ありさ)

1994年4月15日生まれ、東京都出身

GK、背番号1

滝山JFC → 日テレ・メニーナ → 日テレ・ベレーザ → AC長野パルセイロ・レディース → ニッパツ横浜FCシーガルズ → 大宮アルディージャVENTUS

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