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インタビュー
2023.03.16
【WE INTERVIEW #59】~今井裕里奈選手(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)~


シーズン後半戦は攻撃面でも貪欲さを出していきたい

ボランチである今井裕里奈は「考えること」が苦手だと言うが、決してそうではないことは彼女のプレーを見れば一目瞭然だ。プレーの最中で瞬時に攻守のバランスを取ることができるため、自覚がないのかもしれない。WEリーグ中断明けのジェフユナイテッド市原・千葉レディースは、指揮官が代わり今一度チームを構築している中で、中盤の軸である今井の存在は大きい。シーズン後半戦はバランサーとしてだけでなく、さらに一歩踏み込んだプレーが見られそうだ。

——各世代別の日本代表への選出も経験している今井選手ですが、サッカーをプレーしてきて得た「最大の学び」は何ですか?

経験値が高いと思われがちなのですが、実際には試合に出場できないこともありました。初めてプレーするチームでは自分の力を発揮できず、思ったことを表現できないといつも感じていました。「自分」を表現したり、前面に押し出したりすることがすごく苦手だと分かったことが私にとって大きな学びでした。

——苦手な「自己表現」にはどう取り組んでいますか?

周りの選手をどう活かすのか、一緒にボランチを組む選手がどんなタイプなのかを常に考えています。「考えること」は本当に苦手なのですが、私のプレーの特長は周りの選手に合わせられるところだと思っているので、選手それぞれの得意なプレーを把握してどんなプレーをしたいのかを見極めてから、私のプレーを選択するようにしています。

——今井選手の特長としてキックの質も高いですが、そのスキルはいつ頃磨きましたか?

強いて言うなら、サッカーの経験がある父から「右足も左足も両方蹴れるように」と二つ上の兄とずっと一緒に練習をさせられていました(笑)。兄は私よりもサッカーが上手だったので一緒に公園で練習することが嫌いでしたが、今となっては一番近くに良いお手本がいたのかなと思います。でも実はキックを長所と言われるようになったのは大学生の時くらいからです。

——ずいぶん最近ですね(笑)。それまで長所だと思っていたところは何ですか?

それまではドリブルを褒められることもありましたが、ドリブルが上手い人やパスが上手い人は山ほどいるので、自分の長所が何か悩んでいました。大学生の時は違う選手と組むことが多かったので、誰と組んでも上手く合わせることが出来ていたところが長所かなと思い至りました。

——ピッチから降りた日常では、意識的にサッカーから離れますか?

大学生の頃はサッカー一色という感じでしたが、徐々に離れられるようになってきました。短期のオフであれば身体に負担がかかるような遠出はしませんが、ドライブが好きですね。道の駅に必ず寄って、そこでご当地のふりかけを探すのが楽しいです。今までで見つけたふりかけの中でのおすすめは、キャンプ中で寄った北海道にあるホタテのふりかけです。ふりかけは補食のおにぎりにも最適なんですよ。白米が好きなのでふりかけは欠かせません!今後は千葉のあらゆるところのふりかけを探したいです。

——ではここで、みなさんにお聞きしている質問を。ここからどんなWEリーグにしていきたいか、今井ビジョンを教えてください。

誰にとっても楽しみな週末、楽しみな場所になると良いなと思っています。女子サッカーは他の競技よりも観に来てくれるみなさんと選手の距離が近いと感じていて、特にWEリーグはできたばかりのリーグなので、どんなチャレンジでもできると思います。WE ACTION DAYで地域の方と交流できる機会があり、今後はもっと増やしていきたいと思っています。

——感染症対策も緩和されるので、ここから新たなスタートという感じですよね。

私がジェフに加入した時はすでにコロナ禍だったので、声出しが解禁になりサポーターのみなさんの「声」を初めて聞いた時にすごく感動して背中を押されました。ホームのフクアリ(フクダ電子アリーナ)での試合はすごくワクワクしています。

——そんなフクアリに足を運ぶと今井選手のどんなプレーが見られますか?

チームとしては「攻撃選手の流動性」という、今までジェフではあまりなかったスタイルに取り組んでいます。ボランチが前線の選手に関わるなど、攻撃のバリエーションについてもみんなで話しているので楽しみにしてもらいたいです。

私がパスの出し手になることが多いと思いますが、逆に私がパスの受け手になって前線に抜け出すプレーも見せたいです。今は攻守のバランスを取るプレーを優先していますが、元々は前線にどんどん出ていくタイプだったので、タイミングを見ながらそこを出せればプレーの幅もより広がると思っています。

そして得点も決めたいです!年間を通して2ゴールくらいなので、それ以上のゴール数を狙います。みなさんぜひスタジアムへ観に来てください。

(インタビュー・構成=早草紀子)



【プロフィール】

今井裕里奈(いまい ゆりな)

1998年2月20日生まれ、東京都出身

MF、背番号6

立川九小SC → 浦和レッズレディースジュニアユース → 浦和レッズレディースユース → 日体大FIELDS横浜 → ジェフユナイテッド市原・千葉レディース

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