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インタビュー
2022.12.08
【WE INTERVIEW #56】~三宅史織(INAC神戸レオネッサ)~


人一倍の練習量を自信につなげる

一歩前に出て牽引するようなタイプではない。しかし今シーズン、三宅史織の腕にはキャプテンマークが巻かれている。INAC神戸レオネッサに入団し、9年目のシーズン。もう若手とは言っていられない。自分だけに向いていたベクトルがチームへと広がったことで視野も広がった。“なでしこジャパン”としての立場を受け止めながら、世界に通用するプレーを目指して、自らの課題に挑戦するシーズンが始まった。

——高校生の時に特別指定選手としてINAC神戸レオネッサに入団しました。

当時のINAC神戸は豪華な顔ぶれで自信はありませんでしたが、強みのビルドアップを活かそうと夢中でプレーしていました。ただ一年目は自分が何かをしなければいけないということはほとんどありませんでした。言われたところにパスを出せば点が入るし、守備でミスをしてもカバーしてもらえるから点は取られないし、自分が勘違いしちゃうくらい上手くいってしまっていました。

——自身が考えるターニングポイントはいつ頃ですか?

松田岳夫監督(現マイナビ仙台監督)の下でプレーするようになってからです。考えることができなかったら試合に出られませんでした。考え過ぎて動けなくても出られません(笑)。出られない試合が続いて、世代別の日本代表メンバーに選ばれなくなった時に言われた「もっと自分のことを知りなさい」という言葉が、心にまっすぐ入ってきたのを覚えています。自分のことを一から見直す時期で、ターニングポイントだったと思います。

——苦しい時に立ち返る教えのようなものはありますか?

JFAアカデミー福島で得た「自分にベクトルを向ける」ことは今も自分の中にあります。上手くいかない時に、他のせいにして当たりたくなってしまう気持ちがあると思うんですけど、そこで自分がもっとこうすべきだったと考えます。自分の意見ばかりになったら成長できなくなると思っています。

——その時期を乗り越えて一番成長したことは?

一番熱心に取り組んでいたことがヘディングでした。競れないセンターバックは試合に出られません。練習すればするほど競り負けなくなって、どんなボールが来ても大丈夫という自信に繋がりました。誰よりもいっぱい練習をしたので、その積み重ねから自信が生まれたんだと思います。

——やがて日本代表に招集されるようになりました。印象に残っていることは?

松田監督の下で厳しい練習をしていたので、初めて招集された時も練習できついと思うことはありませんでした。印象に残っていることと言えば、アメリカと初めて対戦した時はすべてが強すぎて、わけがわからない衝撃でしたね(苦笑)

——11月には日本代表としてヨーロッパ選手権を制したイングランドと対戦しました。

海外のチームとの差が広がっていることを実感しました。手応えも少なからずありましたが、なんでそんなところに人がいるんだと思うくらい速かったです。自信があるところも上回ってくるイングランドの強さを見せつけられました。

——ワールドカップまでの限られた時間、何を積み上げますか?

対人プレーでの強度を上げたいです。その中で連続したプレーを出せるようにしないといけない。真っ向勝負をしても勝ち目がないことはわかっているので、駆け引きをしながらボールの取りどころを増やしたいです。

どんなことをしてでも止めないといけない場面の危機察知能力はイングランドとの試合で学びました。ファウルでも止められる距離まで寄せられていたら相手の選手も嫌だろうし、それができなければただただ自由にプレーさせてしまうと思います。

——対人プレーでの強度をどう高めていきますか?

今まではもっとフィジカルがんばります!と言っていましたが、ただパワーをつけても相手のスピードに追いつけなかったら意味がないので、今は「間合いを詰めること」を個人的な課題にしています。意識した分、これまでより相手に剥がされることも増えましたが、ここで身体を寄せ切ることが大事だと思うので、それで相手に身体をぶつける回数は増えました。

——三宅選手はどんなことでリフレッシュしていますか?

昨シーズンは考え過ぎて休み切れなかったので、今シーズンはオンとオフをしっかり切り替えようと思っています。美味しいものを食べることと笑うことですごくリフレッシュできています。今は焼肉をよく食べますが、神戸は餃子も美味しいので開拓したいですね。

——今シーズンはINAC神戸レオネッサでキャプテンを務めます。

自分では意外だと思います。本当は一度断っているんです(笑)。田中(美南)さんと私が候補に挙がっていると聞いて、田中さんともいろいろ話をしましたが、周りが「やってみようかな」と思わせてくれました。私はINAC神戸で9シーズン目ですし、年齢的にもチームを引っ張る自覚はあったので覚悟を決めました。

——今後こんなWEリーグにしていきたいという三宅ビジョンを教えてください

世界で一番面白いリーグにしたい。興味を持ってもらうにはまず日本代表の結果が重要だと感じています。今は90分間試合を観る人よりSNSで結果を知る人が多いと思うので、この前のイングランド戦だと0-4という結果の数字を目にした時に「負けてる」「そんなもんなんだ」という印象を受けると思います。粘り強く守って1-0でも勝ちましたであれば、みなさんが目にするのは「勝った」という結果です。そしたら次は観てみようと思う人が増えるかもしれない、そこで活躍すればWEリーグでのINAC神戸の試合を観てみようと思うかもしれないと考えています。自分たちがやりたいサッカーをしていても、負けたら自己満足になるのが現状だと思います。

——WEリーグではどんなプレーを見せてくれますか?

INAC神戸は後ろからボールを繋げるチームで、私が攻撃の起点になることが多いです。チームのチャンスを作り出すロングフィードも見てほしいです!守備面では最後の最後に球際で負けないところを見てほしいです!

(インタビュー・構成=早草紀子)



【プロフィール】

三宅史織(みやけ しおり)

1995年10月13日生まれ、北海道出身

DF、背番号5

真栄サッカースポーツ少年団 → JFAアカデミー福島 → INAC神戸レオネッサ

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