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インタビュー
2022.11.17
【WE INTERVIEW #55】~奥川千沙(AC長野パルセイロ・レディース)~


大それた存在じゃなくても“自分の100%で挑む”強さがある

どんなに攻め込まれても、最終ラインでその“声”は響く。奥川千沙——鋭い眼光、適切な指示、メッセージ性のあるロングフィード。マイナビ仙台レディースから今シーズン移籍したばかりだが、久しぶりとなるセンターバックで主力として奮闘中だ。貫禄たっぷりのプレーを見せる彼女は、ピッチの外では人一倍の明るさで周りを照らす。等身大の自分を認めながら成長していく彼女の信念に触れることができた。

——トップリーグまで着実にステップアップしてきました。自身のベースとなっている時期は?

いろいろありますが、大学生の時です。それまではサッカーを中心に自分の生活が回っていましたが、大学では授業やアルバイト、外部の人に触れる機会が増えたことで、人と関わるスキルを学べました。そのおかげでサッカーをしていても柔軟に考えることができています。サッカーと聞くと、身体的なスポーツ面でのイメージを持つ人が多いと思うんですけど、人間関係、信頼感というのが大きく含まれているんですよね。

——大学生の時に2度、ユニバーシアード大会に出場し、メダルも獲得しています。2度目の大会の時に、今季AC長野の指揮を執っている田代久美子監督がコーチとして帯同していました。

まさかこうしてまた一緒に戦うことになるなんてビックリです。当時はずっとセンターバックでプレーしていたので、そのイメージで声をかけてくれたと思います。田代監督の印象は今もその時と変わらないです。いつもフランクで、選手のことを考えてくれて、その時々にアドバイスをくれる熱い人なので、親近感を感じます。

——ピッチ上ではキュッと髪をくくって凛々しい奥川選手ですが、普段の姿とギャップがあるように感じます。

第一印象で「怖い!」ってよく言われるんです。私も初対面は本当に緊張しちゃうので、最初は若手の選手たちとどんなノリで接したら良いのかわからず困りました(苦笑)。ちょっとキャピキャピ感を出して「私は見た目より怖くないぞ」アピールで乗り切って今に至っています。仲間内でははっちゃけるタイプなんですけど、あまり見た目に出ないので、サポーターの方に「こんな人だったんですね」って驚かれます(笑)

——昨シーズンまで対戦相手だったAC長野は、どう映っていたのでしょうか?

やりづらかったです!自分たちがやりたいサッカーをさせないように対策をしてくる印象のチームでした。今季チームメイトとして実際にプレーしてみて、それぞれの選手がいろんなことをできると感じました。やろうとしていることにみんなで向かっていって、それが完成していくのを実感しています。

——AC長野に移籍してポジションをセンターバックに変更しました。元々プレーしていた位置ですが、サイドバックを経てからだと違いを感じますか?

サイドバックを経験したことで、頭の中での攻撃のバリエ―ションの引き出しが増えました。そのうえで、今はセンターバックとしてどう攻撃に関わっていくかを考えています。ドンと構えていた大学生の時と比べて、背後の動きやパス一つ一つを考えるようになりました。最近はコーナーキックの攻撃に参加させてもらうようになったので、ゴールをルンルンで狙っています(笑)。その後すぐに最終ラインまで戻らなきゃいけなくても走れちゃいます!

——リーグ戦の前に開催されたWEリーグカップでは、優勝した三菱重工浦和レッズレディースと同じグループAで勝ち点が並んでのフィニッシュでした。

カップ戦では、一つ前の試合でできなかった事を次の試合で改善する意識が見えました。一つ一つ積み重ねて、外から見てくださっている方々に「良いサッカーをしているね」と言われることが多くなって、みんなそれを自信に変えて戦っています。まだまだ課題がたくさんありますが、「そこは伸びしろだ!」ってみんなで言い合っています。

——WEリーグは2年目のシーズンとなりました。ここからどんなWEリーグにしていきたいか、奥川ビジョンを教えてください。

私自身、注目されるような選手ではないです。でもそういう選手がいて良いと思うんです。選手だけじゃなくて、応援してくれるサポーターやスポンサーのみなさん、みんなの居場所がWEリーグにあるといいなって思います。もちろん今もあるんですけど、もっともっとその輪が広がって、1週間の中にちょっとでもWEリーグのことを考える時間があるような、そんな場所になるといいなって考えています。

試合に来てくれる人全員と握手したいです。それくらいみなさんに感謝しています。大それたことをやりたいとか、いろんな人に影響を与えたいとか全くありません。「来ていただいて本当にありがとうございます!!」って面と向かってみなさまに感謝の気持ちをお伝えしたいです!声をかけてくれた時に「ありがとうございます!スタジアムに応援に来てくださいね」とか、ちょっとしたコミュニケーションでサッカーをしていて良かったなって思えるので、そんなことがたくさんできたら嬉しいです。

——スタジアムではどんなプレーを見せてくれるでしょうか?

チームでは全員がリーダーだと思っていますが、個人的にはディフェンスのリーダーとして引っ張っていけるような、最後まで諦めずに100%で泥臭く挑戦するプレーを見てほしいです。チームとしても攻撃のバリエーションが増えて、観客に「お~!」とどよめいてもらえる場面も多くなってきました。そこに勝てるだけの得点力と失点しない守備が相まっていけば、結果に繋がっていくと信じています。楽しいサッカーをしますので、ぜひ観に来てください!

(インタビュー・構成=早草紀子)



【プロフィール】

奥川千沙(おくがわ ちさ)

1995年8月24日生まれ、愛知県出身

DF、背番号22

朝日丘FC → 豊田レディースFC/朝日丘中学サッカー部 → 藤枝順心高校 → 早稲田大学 → マイナビベガルタ仙台レディース → マイナビ仙台レディース → AC長野パルセイロ・レディース

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