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インタビュー
2022.10.06
【WE INTERVIEW #52】~三浦紗津紀選手(アルビレックス新潟レディース)~


野球からサッカーへ、二つの競技から育まれた才

野球少女からサッカー少女への転身という異色のルートを持つ三浦紗津紀。サッカーに触れた時から、守備でのプレーの魅力を感じたと言う。強烈なヘディングで相手の攻撃を跳ね返す——そのプレーは野球で培った感覚がベースになっていた。理想とする「上手くて、強くて、賢いセンターバック」へ近づくための研鑽を積む日々。アルビレックス新潟レディースの守備の要として熱い想いで今シーズンに挑む。

——元々は野球少女だったというのは本当でしょうか?

はい。結構みんなにいじられます(笑)。小学校に入る前から親とキャッチボールをしていて、小学生の時にチームに入ったんですけど、人数がいなくて潰れちゃったんです。その時に友達に誘われたのがサッカーでした(笑)

——野球の楽しさを知っている少女が夢中になったサッカーの楽しさとは?

サッカーを始めた時からディフェンダーでプレーしていたんですけど、最後の砦というか、ゴール前でのプレーを全て自分が処理するということに、満足感ややりがいをすごく感じて虜になりました。もともとゴールを決めたい!という想いもなかったし、他のポジションをやってみたいとも思わなかったです。

——三浦選手のプレーと言えばヘディングのイメージが強いですが、いつ頃から強みだと感じましたか?

中学生の時のコーチがすごく褒めてくれたんですよ。「野球でフライを取っていたから、落下地点を狙うのが上手いんだ」って(笑)。得意なのかなって思い始めたのはその時からですね。

——センターバックとしてのプレーを最も多く学んだ時期はその頃でしょうか?

はい。足が遅いのでスライディングを極めました。当時言われた「ピッチに入ったら、痛いとか恥ずかしいとか全てを抜きにしてやるしかないんだよ」という言葉がすごく響いて、そこからがむしゃらというか、戦う姿勢が身に着いたと思います。

——そこから時を経て、新潟でWEリーグ開幕を迎えます。初年度は全試合に出場しました。

チームとして結果が残せなかったことはかなり悔しかったです。WEリーグでプレーしてみて、リーグ自体のレベル、強度が上がった実感があります。90分の試合が終わった後の疲労度が全然違うんです。あとは、チームの力がほとんど変わらないので、どの試合も勝利できる確証がなく、一戦一戦の重みが違うと感じました。

——三浦選手自身のチーム内での役割も変化してきましたよね。

ディフェンスリーダーを任せてもらいました。今までは自分のところでどうボールを取るか、相手に自由にプレーをさせないかを考えていたんですが、昨季はチーム全体としての試合の流れを読むことをすごく考えたシーズンでした。でもそれが結果に結びつかなかったので、責任を強く感じています。

——印象に残っている相手は?

INAC(神戸レオネッサ)に勝ちたかったです。2試合とも良い試合でしたが、0-1で負けてしまったのでずっと心に残っています。私にとってI神戸は古巣でもありますが、当時無敗が続いていたI神戸から自分たちが何とか白星を取りたかった。良い試合ができても、決めるところで決める選手がI神戸にはいるんだなと感じました。

——WEリーグ元年はどのチームも守備をしっかり構築していた印象です。

フォーメーションだと3バックのチームが上位にいました。守備の時にディフェンダーが5人揃うので堅かったです。でも私たちは4バックで上を狙っていきたい。ブロックを組んで間のパスを全部シャットアウトするのが理想の形です。昨シーズンはそれを上回られたのでたくさん失点してしまいましたが、全員が役割を理解できれば堅い守備になると思います。

——ではここでみなさんに投げかけている質問を。どんなWEリーグにしていきたいか、三浦ビジョンを聞かせてください。

子どもたちがサッカー選手を目指すきっかけがWEリーガーでありたい。ここ数年は面会が制限されて、介護施設や養護施設のみなさんは苦しい想いをされたと思います。ここからは「サッカーを観に来てください」ではなく、私たちが足を運んで、届けに行くことが大事だと思います。

——なかなか外で自由に動き回れない時期もありましたが、最近は世の中の空気も随分変わりました。オフはどう過ごしていますか?

サウナ、お風呂ですかね。新潟には良い温泉がたくさんあって、メンタルの部分でも助かっています。プロになると逃げ場がないので、サッカーから離れることも大切なんです。いろんなものを一旦リセットできるので、最近はよく行きます。

——カップ戦の直前にケガをしてピッチを離れましたが、順調に回復していますか?

もう大丈夫です。頭の中もしっかり整理できたので、あとはコンディションを上げていくだけです!

——WEリーグ第2シーズン、どんなプレーを見せてくれますか?

“超ハードワーク”“堅守速攻”をチームの2大テーマに掲げています。4-4-2でしっかり守るためにはチーム全員の運動量が求められます。守備は堅く、攻撃は高い精度でゴールに繋げられるように後ろからコーチングとビルドアップをしていきたい。個人的にはヘディングはやっぱり武器にしていきたいので、昨シーズン得点王の浦和の菅澤(優衣香)選手との競り合いには全部勝つ!というトライはしたいです。そこに勝てなきゃ意味がないですもん。自分の内なるパッションを見てほしいです(笑)

——三浦選手が考えるパッションとは?

ビルドアップでは飄々とプレーしますが、相手との競り合いになった時には気持ちを見せてプレーしたい。勝ちたい気持ちを誰よりも出せる選手になりたいし、そういう想いを伝播させられる選手でありたいです。

(インタビュー・構成=早草紀子)



【プロフィール】

三浦紗津紀(みうら さつき)

1996年6月16日生まれ、東京都出身

DF、背番号4

落六プルチーニ 浦和レッズレディースジュニアユース → 浦和レッズレディースユース 早稲田大学ア式蹴球部女子部 INAC神戸レオネッサ → アルビレックス新潟レディース

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