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レポート
2022.05.23
WE ACTION DAY「サッカーでつながる輪を広げよう」
大宮Vが「手話」をテーマに学びと実践、サッカー教室も開催

大宮アルディージャVENTUSは「手話」をテーマに5月11日から「VENTUS ACTION WEEK」を行いました。特別支援学校の訪問や、手話講習などのほか、最終日には、手話でコミュニケーションをしながらサッカー教室を開催。小学生から大人までの女性、約40人が参加しました。


大宮Vが「手話」をテーマに選んだのは、同じクラブのJ2大宮の活動がきっかけです。大宮は障がいのある人もない人も一緒にサッカーを楽しめるよう、2006年から「手話応援デー」を行っています。大宮Vでも「一人ひとりが輝く社会の実現・発展」に向けて、選手から「手話を通じた取り組みをしたい」と声が上がり、今回の活動につながりました。

初日の11日は、主将のDF有吉佐織選手とDF坂井優紀選手ら4人が埼玉県立特別支援学校大宮ろう学園を訪問。生徒たちから手話を教えてもらい、サッカーのミニゲームやストレッチなどで交流しました。

この日はメディアキャラバンも実施。GKスタンボー華選手やMF仲田歩夢選手らが埼玉県庁とさいたま市役所を訪れ、それぞれの記者クラブで一連のイベントへの思いや内容について説明しました。

さらに、12日にさいたま市聴覚障害者協会から講師をお招きし、クラブハウスで手話の講習会を開きました。受講したのは日本代表のDF乗松瑠華選手ら10人。あいさつや選手それぞれの名前を学ぶとともに、手話への理解を深めました。


そして、最終日の15日には「手話を使ったサッカー教室」を開催しました。GK望月ありさ選手が中心となり、選手が事前の準備から進行まで行いました。当日は受付係も選手。直々のお出迎えに参加者のテンションは一気に上がったようです。

サッカー教室には小学生から大人まで幅広い年代の女性が集まり、学年別の小学生3グループと中学生以上のグループに分かれました。選手はあいさつと自己紹介で、早速手話を用いました。

小学校低学年のグループで、有吉選手が「手話を知っている人?」と尋ねると、半数以上が元気よく手を上げました。ある女の子は手話を学校で習ったといい「ありがとう」を披露。すると、みんなが一斉にまねをしました。

一方、中学生以上のグループでは応援に使える手話を乗松選手が教えました。「がんばれ」「ナイス」のほか、J2大宮の応援歌「愛してるぜ We are ORANGE」にちなみ「愛してる」を紹介。両手を広げて親指と人さし指、それに小指を立てる動きを、全員が楽しそうに練習しました。

もちろん、サッカーの実技でも盛り上がりました。小学校中学年のグループは、しっぽ取りゲームに熱中。FW大熊良奈選手は7人に囲まれながらも全力で逃げていましたが、終了直前にしっぽを取られて悔しそう。スタンボー選手は、勢いよくボールを蹴ってシュートの練習をする子どもたちの姿に胸が熱くなった様子。手話で「愛してる」とメッセージを送りました。

高学年のグループではレベルの高いメニューに挑戦。望月選手は2人組での浮き球でのパス交換に苦戦していた子に「つま先をまっすぐに伸ばして、足のインサイドでボールを蹴ってみて」とアドバイス。直後にボールは一直線に相手の懐へ。その子はうれしそうな笑顔になりました。


最後は選手と参加者が試合で対戦しました。序盤から白熱の展開となりましたが、選手たちは本気のプレーでプロの意地を見せつけました。プログラム終了後は、全員が「愛してる」のポーズをして記念撮影。サッカーに手話が加わり、交流がさらに深まるイベントになりました。

望月選手は「手話がテーマということで、選手たちも手話を学ぶことができた。大宮Vが手話でサッカー教室をして、みなさんが笑顔になってくれたことがうれしい」と語りました。また、2011年W杯優勝メンバーのDF鮫島彩選手は、WE ACTION DAYの企画や運営に選手が自主的に関わった経緯を振り返り「普段からみんなで地域に根ざし、社会課題に取り組む活動をもっとやっていきたい」と述べました。

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