ジェフユナイテッド市原・千葉レディースは5月8日、クラブ理念のもと「地域に起こっているさまざまな課題をフットボールの力で解決する」ことを目指すとともに「一人ひとりが輝く社会」を考える機会としてさまざまな取り組みを行いました。
一つ目は、知的障がい者のチームと地域の社会人チームとの交流試合「ユニバーサルマッチ presented by 古河電工」への支援です。選手8人が副審やボールパーソンとして協力しました。
この交流試合は、千葉県知的障がい者サッカー連盟が抱える「試合が少なく選手のモチベーション維持が難しい」「社会人リーグへの参入はハードルが高い」といった課題をクラブが知り、企画がスタートしました。
ダイバーシティ&インクルージョンを推進する古河電気工業株式会社から支援をいただき、交流試合が実現。千葉県知的障がい者選抜チームは、古河電工千葉事業所のサッカー部「FURUKAWA GRANDES」と、地元の社会人チーム「ACちば」と対戦しました。
千葉Lの選手とスタッフは、交流試合を前に障がい者スポーツについての勉強会を開催。障がい者サッカーに七つのカテゴリーがあることや、それぞれのルール、それに留意点などについて理解を深めました。この学びを踏まえ、今回の活動を「支援というより、活動に取り組むスタート」と位置づけたということです。
試合はホームスタジアムのフクダ電子アリーナに隣接するフクダ電子フィールドで行われました。副審を務めたMF今井裕里奈選手はプレーを見極めようと真剣なまなざし。FW今田紗良選手も副審として選手の動きに合わせてピッチサイドを走り、試合運びのサポートをしました。
千葉県知的障がい者選抜チームは2試合とも無得点に終わりました。悔しそうにうつむく選手もいましたが、千葉Lの選手たちは選抜チームの健闘を拍手でたたえました。 DF市瀬千里選手は大会後のあいさつで「皆さんと交流できたことがうれしかったです。攻める姿勢やゴールを守る姿に胸が熱くなり、刺激を受けました」と締めくくりました。
今井選手は教員免許を取得する際、社会福祉施設で介護等体験をしたそうです。その経験を思い出しながら「障がい者サッカーの方たちがプレーできる場所が少ないと聞いて、誰もがサッカーを楽しめるように私たちはWEリーガーとしてできることをやっていきたい」と笑顔で話しました。
一方、千葉市の稲毛海浜公園では主将のDF林香奈絵選手や、昨年11月に長男を出産し今年2月に試合に復帰したFW大滝麻未選手ら16人が、海を守るビーチクリーン活動をしました。
若者や家族連れでにぎわうビーチを、約40人のファンとともに1時間ほどかけて清掃しました。一見きれいに見える浜辺には、砂に埋もれたポリ袋やタバコの吸い殻などがあり、拾ったごみは、4Lのごみ袋が50個以上に上りました。
また、フクダ電子アリーナではJ2千葉のホームゲームがあり、5500人以上のサポーターが来場しました。千葉Lはクラブに男女のチームがある強みを生かし、試合会場内でパネルの展示などを行いました。
パネル展示は「プロサッカーチームとしてのジェフ千葉レディースとは」と題し、チームの活動を振り返りました。このほか、障がい者の就労を支援する福祉作業所が飲食ブースを出店。家庭で余った食品を回収するフードドライブもあり、多くのサポーターが余剰食品などを持ち込んでいました。
加えて、今季のWE ACTION DAY最後のイベントとして千葉県内のビジネスリーダーと選手による全5回の対談を予定しています。「女性が活躍できる社会」について考えるもので、内容はオフィシャルスポンサー千葉日報の紙面と、クラブのオフィシャルウェブサイトに掲載されるということです。