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インタビュー
2022.02.24
【WE INTERVIEW #39】~杉澤海星選手(大宮アルディージャVENTUS)~


苦しいとき一番に思い出してもらえる存在に

一見、大人しく見られがち。しかし右サイドをドリブルで駆け上がるその姿には、内に秘めたる闘志がハッキリと現れている。そんなプレーで魅せてくれるのが大宮アルディージャVENTUSの杉澤海星だ。日テレ・東京ヴェルディベレーザの育成組織であるセリアス入団後、十文字高校ではインターハイを制した。順風満帆に思えるその道のりで得たのは、意外にもハングリー精神。世代別代表にも名を連ねる19歳が感じたWEリーグ元年とは——

——いつ頃からサッカーを始めたのでしょうか?

3つ上の兄がサッカーを習っていて、それを見に行く機会がたくさんあって楽しそうだと思ったので、私も5歳くらいから始めました。兄は今大学4年生ですが、オフの時期には一緒にボールを蹴ったり、1対1をしています。

——杉澤選手のポジション歴を教えてください。

小学生の時はボランチをやっていて、中学生の時にサイドバックでプレーして、中3~高3まではずっとセンターバックでした。今のポジションの右サイドハーフは、大宮Vに加入して初めてプレーしました(笑)

——初めてだったんですか?そうは見えませんでした(笑)

サイドバックでのプレーの感覚はかろうじて残っていたんですが、サイドハーフは何をすれば良いのかわかりませんでした・・・。試合の途中からの出場が多かったので、前にアクションを起こしてボールを持ったら仕掛けてクロス、シュート、というところを求められていました。感覚を掴むというよりは、ただがむしゃらでした。

——ドリブルで堂々と前線に上がっていくプレースタイルは、この一年で経験を積みながら得ていきましたか?

そうですね。高校生の時までは、自分がボールを持って前に行くよりも配球して周りを動かすタイプだったので、私が試合でドリブルする機会なんてほとんどありませんでした。

——高校時代の仲間や世代別代表のチームメイトの中にも、WEリーグで活躍している選手が多いですよね。

大宮Vには同学年の選手がいないというのもあって、代表活動で同じ世代の選手たちと一緒にプレーできるのは楽しいです。でも負けられないという気持ちもあり、刺激を受けます。

——「この教えがあったから今の自分がある」というものはありますか?

中学生の3年間は自分にとって濃い時間でした。最初の2年でメンタル面が強くなったと思います。上手くなりたいならやらなきゃいけないことがある。「走る」とか「目の前の相手に負けない」ことは徹底していました。今の私のメンタルはこの2年で作られたと言って良いと思います。

——3年生になってまた別の成長がありましたか?

より技術的な面を学びました。監督が変わって、ポジションがサイドバックからセンターバックになったことも大きいですが、「ボールの持ち方」、「パスするボール一個分のズレにまでこだわる」ところはこの時期に教わったことです。

——そういう経験を重ねて大宮Vへ入団します。最初の印象は?

メンバーを見たときにレジェンドがいっぱいですごすぎて・・・。個人的には、自分の年代でこの選手たちと一緒にプレーできるのは私だけだから、チームが始動する前からすでに大宮Vを選んで良かったと思っていました。

——それを実感した最初の出来事は覚えていますか?

始動して間もない頃、録画してもらった紅白戦のビデオを見てわからないところが出てきて。すっごく悩んだんですけど、葛藤の末に思い切ってその場面の映像を抜き取ってサメさん(鮫島彩選手)に送って聞いてみました。そしたらサメさんが自ら画像を付けて解説してくれたんです!こういうところもレジェンドだな~と思いました。私にとっては大宮Vに加入してから先輩に対して一番大きなアクションでしたね(笑)

——WEリーグが開幕して、前期の終盤には出場機会も増えてきました。

最初は、WEリーグはすごい選手が集まるところだ、と身構えていました。でも、試合に出るにつれて自分はもっと成長できると思えて、ビビってカチコチになる必要はないと気づきました。前期最終節のジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦で初めてフル出場して、もっとボールを受けたいし、受けた後に私がクロスや決定的なことをしなきゃいけない、まだまだやれることはあると思いました。

——ここでみなさんにお伺いしている質問を。今後どんなWEリーグにしていきたいか、杉澤ビジョンを教えてください。

誰かの支えになるものにしたいです。WEリーグ自体で考えると難しいけど、個人としてだったらどうだろう?と考えてみました。私の年代の人たちは、進路や将来の夢について悩む時期だと思います。今、19歳の私がWEリーグでがむしゃらにがんばることによって、「同世代の選手がここまでできるんだ」と思ってもらえるような存在になりたいです。根底にあるのは、これは誰にも言ってこなかったんですけど、セリアスや十文字時代の仲間が壁にぶつかったりした時に、頭に思い浮かぶのが私でありたいと思っています。「海星ががんばっているから自分もがんばろう!」と思ってもらえる存在になりたいです。

——WEリーグは3月から後半戦が始まります。どんなプレーを見せたいですか?

ボールを持ってからゴールに向かうプレーや、ボールを持っていないときのアクションを見てほしいです。サイドの駆け上がりを武器にしていきます!私がこの環境に入って一番印象に残っていることは、サポーターのみなさんの温かさです。応援というものは本当に力になるんだと身を持って感じました。応援してくれるみなさんへの恩返しは結果しかないと思っているので、後半戦は一つでも多くの勝利を届けて、私たちがサポーターのみなさんの笑顔を引き出せるようにしていきたいです!

(インタビュー・構成=早草紀子)



【プロフィール】

杉澤海星(すぎさわ みほし)

2002年8月17日生まれ、神奈川県出身

DF、背番号26

平間FC日テレ・メニーナ・セリアス → 十文字高校 → 大宮アルディージャVENTUS

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