WEリーグは12月14日、理念として掲げる「多様性社会の実現」に向けた活動の一環として、WE ACTION MEETINGを開催。WEクラブとパートナー企業、報道関係者らがジェンダーを巡る日本の課題を共有しました。
WE ACTION MEETINGは2月までに計3回開催され、WEリーグが「多様性社会の実現」を目指し取り組んでいくジェンダー課題をリストアップすることになっています。
今回はその1回目で、JFAハウス1階のヴァーチャルスタジアムで開かれました。WEリーグのパートナー企業から17人が参加したほか、報道関係者8人、各クラブ理念推進担当者16人、WEリーグ関係者3人の合計44人が集まりました。
オープニングでWEリーグ岡島喜久子チェアが「女子サッカー選手はずっとジェンダー課題に向き合ってきた。ここでは、多様な関係者の経験をクロスさせ、お互いがフラットな立場で意見を言い合い、一緒に課題に取り組むコミュニティーを作っていきたい」と、あいさつ。垣根を越えてアクションを起こすことに意義がある、と伝えました。
ワークショップではまず、日本NPOセンターらが運営する課題発見シンクタンク「課題ラボ」がプレゼンテーション。全国5万以上のNPOとのネットワークを通じて集めたジェンダーを巡る50の課題「50 QADAI BOOK」の中から22個を提示し、解説しました。
課題は「女性は10代でスポーツやめちゃう問題」「アスリートへの目の付け所そっちじゃない問題」といったスポーツに関する項目のほか「役立つ性教育を誰も教えてくれない問題」「差別を差別と気づけない問題」など社会的な項目までさまざま。参加者はこれらの中から関心の高い課題に投票しました。
ディスカッションでは、WEリーグシルバーパートナーの「株式会社ビーズインターナショナル」の庄司和佳菜さんが「日本の女性の自己肯定感が低い問題は、これまであまり意識をしてこなかったが、あらゆるジェンダー課題の原因の一つになっていると感じた」と発言。日テレ・東京ヴェルディベレーザの横尾弘樹さんは「周囲の大人のジェンダーバイアスが、子どもの希望に制限をかけてしまっている」と、自身の経験を述べました。
続いて、オンラインツールを活用し参加者それぞれが感じている課題をシェアしました。「いろいろ気にしすぎて、言いたいことが言えない問題」や「私の意見ではなく、女性の意見が求められる問題」「女性が女性に厳しい問題」といった課題が共感を集めました。
報道関係者の男性は「何かを変えてくれるヒーロー、ヒロインを待つのではなく、社会のシステムを変えていく必要がある」と話し、WEリーグのコミュニティー全体で課題解決に向けて取り組むことが重要だとしました。
アルビレックス新潟レディースの山本亜里奈さんは「こういった場は社会を知る機会として大切。知ることは変わることの第一歩だと思うので、クラブに持ち帰って大きな動きにしていきたい」と、今後のWE ACTION MEETINGに意欲を示しました。
第2回のWE ACTION MEETINGは選手も交えて、来年1月18日にオンラインで開催予定。WEリーグタイトルパートナーで、魔法のソファ「Yogibo」などを展開する「株式会社ウェブシャーク」の神吉佑貴さんは「これまで気付けなかったスポーツの課題を知ることができたので、クラブが抱えるリアルな悩みを選手や監督から聞いてみたい。これから具体的なアクションにつなげていきたい」と期待を寄せました。