公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)は12月14日、JFAハウスにて第1回WE ACTION MEETINGを開催しました。
WE ACTION は、WEリーグが掲げる理念・ビジョンを体現し、一人ひとりが輝く社会をみんな(WE)でつくるためのコミュニティです。多様性社会、ジェンダー平等を実現するために、アクションを起こしていきます。2021-22シーズンのテーマは、「課題の発見とリスト化」。「リサーチ」「ディスカッション」「実践」という3つの軸をもってWE ACTION MEETINGを推進します。
今回はジェンダー課題の「リサーチ」を目的に、WEリーグパートナー17名、メディア8名、各クラブ理念推進担当者16名、WEリーグ3名の総勢44名が参加し、ディスカッションを行いました。連携先である日本NPOセンター・課題ラボに集まった課題を全員で共有したほか、私たちが普段感じるジェンダー課題をリストアップしました。
今後は、第2回を1月18日にオンラインで、第3回を2月22日にJFAハウスで開催し、具体的なアクションの実践につなげていきます。
開催日時・場所:12月14日(火)15:30~17:30 於JFAハウス1F ヴァーチャルスタジアム
参 加 者:計44名(WEリーグパートナー17名、メディア8名、各クラブ理念推進担当者16名、WEリーグ3名)
ファシリテーター:
三本 裕子(特定非営利活動法人日本NPOセンター/課題ラボ リサーチャー)
キリーロバ・ナージャ (株式会社電通 クリエーティブディレクター/コピーライター)
倉成 英俊(Creative Project Base 代表)
司会/榎戸 教子(フリーアナウンサー)
実施内容:
①オープニング
岡島喜久子チェア挨拶、本年度のアジェンダ共有
②自己紹介
③日本NPOセンター・課題ラボ発表
事前に日本NPOセンターで収集した課題50個の共有、気になる課題にスマホで投票しみんなで深堀り
<参加者から最も共感が集まった課題ベスト5> ※問題の詳細は別紙参照
1 日本の女子の自己肯定感が低すぎる問題
2 大人がバイアスを育ててる問題
3 女性は10代でスポーツやめちゃう問題
4 アスリートへの目の付け所そっちじゃない問題
5 差別を差別と気づけない問題
④みんなからの課題募集
参加者から日頃感じている課題を募集、集まった課題についてみんなでディスカッション
⑤クロージング
課題リスト配布、次回予告
●WEリーグ チェア 岡島喜久子
WEリーグでジェンダー課題に取り組むことには意味があります。男子のスポーツとして広まったサッカーですが、現代では女性たちも数多くプレーしています。その世界にいる私たちは、意識していても、いなくてもジェンダー課題と向き合ってきました。私たちWEリーグが日本の社会的な問題に取り組むのは、スポーツには政治や経済では持つことのできない「人を感動させる力」があるからです。WE ACTIONはその代名詞になる取り組みに育てていきたいと思っています。
9月のKICK‐OFF MEETINGを経て、これまでにない取り組みのスタートに期待を膨らませていましたが、その期待どおりに有意義な時間となりました。パートナー、クラブ、メディアの垣根を越えたフラットな形で、それぞれの経験と視点をクロスさせながら意見を出し合うことができました。このWE ACTIONが渦となり、周りの人や団体をどんどん巻き込んでジェンダー平等を進めていきます。
●株式会社ウェブシャーク 神吉 佑貴 (PRセクション セクションリーダー)
WEリーグタイトルパートナーとしてWEリーグの理念を推進する活動に参加し、身近に数多く存在しているジェンダー課題を発見することができました。「女性は10代でスポーツをやめてしまう問題」については、普段過ごしているとあまり気づかなかったのですが、改めて考えてみると、学校環境や場所の問題もあり女性がスポーツをする機会は確かに減っていく状況にあります。これは、なかなか解決が難しい問題ではありますが、そういった環境を整え裾野を広げていく必要があると思いました。WE ACTION MEETINGは、各企業、各クラブがそれぞれの立場から見えることや意見を一堂に会して話していく場所です。今日は課題を出し合うことが目的でしたが、次回それをどう解決していくのか、実現に向けてどのようなアクションを私たちが起こしていけるのか、今後の展開に期待しています。
●株式会社ビーズインターナショナル 庄司 和佳菜(総本社 人事法務部 人事課・広報室)
ジェンダーにまつわる問題を様々な目線から洗い出すことができ、とても良い機会になりました。一緒にWEリーグを盛り上げていく仲間の一員として、盛り上げるだけでなく、課題になっている部分にも目を向けて、ともに解決し、色々なカタチで社会に還元していきたいです。数々の「〇〇問題」が紹介されましたが、「日本女性の自己肯定感が低い問題」は、とても意外だなと思いました。サッカー選手でも自己肯定感が低いという話があったのですが、意外に思うと同時に親近感も感じました。次回、私たちとは違う目線で選手たちの話を聞けることがとても楽しみです。
●DAZN Japan Investment 合同会社 桑山 萌(サブスクリプション マーケティング エグゼクティブ)
参加する前は、私に話せることがあるのだろうかと不安でしたが、参加されている皆さんの話が興味深く、自分の中でも継続的に考えていきたいと思いました。女性がスポーツを続けること自体に、男性にはないハードルがあるという問題は、社会課題まで落とし込むと深い課題だと思いました。ジェンダーの話題は機会をつくらなければ議論できない部分があると感じています。私自身もサッカーに関わる一員ですが、サッカーだけではなく、敢えてもう一歩踏み込んでディスカッションをすることは大切だと思いました。リーグやクラブが動くとサポーターの方も動いてくれますし、選手や関係者も動いてくれます。ジェンダー課題にスポーツ界が取り組んでいく意義は大きいと思います。「WE ACTION」の名のとおり、きちんと課題を解決するためのアクションにつなげていきたいです。
●日テレ・東京ヴェルディベレーザ 横尾 弘樹(試合運営部 ベレーザ運営担当)
問題意識について、文字や言葉だけではなく、直接話し合って様々な意見を聞くことができました。今回の内容をクラブに持ち帰り、色々な人に伝えていきたいです。クラブだけではサッカー軸で話が進んだかもしれませんが、ここにパートナーやメディアの方が加わったことで、また異なる視点で課題へのアプローチがありました。
私が特に注目したのは、『大人がバイアスを育ててる問題』です。個人的にも、サッカーの現場でその問題を感じたことがあります。これまで個人で感じていた違和感や気づきを、同じように感じていらっしゃる参加者が多いことが分かりました。第2回は、選手たちも参加します。スポーツ選手の目や考え方が入ることで、良いシナジー効果が生まれ、新たな取り組みや改善につながるのではないかと思います。
●アルビレックス新潟レディース 山本 亜里奈(強化育成本部、スポーツダイレクター)
様々な企業やクラブの方と直接会ってディスカッションできて良かったです。クラブの中で仕事をしていると、どうしても視野が内向きになりがちですが、今回のWE ACTION MEETINGに参加し、世の中の動きを把握することができました。特に、社会で作られた男女の役割に対する固定概念(ジェンダーバイアス)は個々の心がけひとつで変えていけると感じています。まずはサッカークラブ・サッカー選手としての本分を大事にしながら、社会と溶け込めるような活動を展開する中で「女性活躍」を表現していければと思っています。アクションを起こすためには、まず知ることが第一歩です。今後も、周りの方々から多様な考えを伺いながら自分の考えも発言し、この「WE ACTION」を一緒に大きくしていけるといいと思います。
WE ACTIONとは、WEリーグに所属する選手、クラブ、そして、サポートするパートナー企業をはじめとする様々な人が、リーグの理念「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する。」の実現のために輪となり、私たちみんな(WE)で起こす行動(ACTION)です。
WE ACTION MEETINGでは、選手、クラブ、パートナーの3者が集まり、自身や社会を見つめ、互いに共有することから始めます。この3者のステークホルダーが連携し、共創し、より大きな輪となり、社会へのACTIONを示していきます。
WEリーグのWが渦の中心にあって、周囲に波紋が広がる様子を表しています。
「リサーチ」「ディスカッション」「実践」の3軸でMEETINGを推進する。
1)リサーチ
・WE ACTION MEETINGの連携先である日本NPOセンター・課題ラボに集まる課題を知る
・自分たちが普段感じるジェンダー課題をリストアップする。
2)ディスカッション
・リストアップした課題をメンバー同士で共有する
・課題に関する各自の意見や新たな発見について意見交換を行う
3)実践
・業界や分野を越えて、課題解決に共に取り組むチームを作る
・発見した課題を世の中に対して発信する
第2回 1月18日(火) 19:00~21:00 於 オンライン
第3回 2月22日(火) 15:30~18:30 於 JFAハウス
※WE ACTIONに関する情報は公式Webページをご覧ください。