ちふれASエルフェン埼玉は、熊谷市内の児童養護施設で暮らす小学生と交流。遊びと対話を通して、夢や希望を持って生きることの素晴らしさを伝えました。
EL埼玉は12月5日、児童養護施設「おお里」と「江南」で生活する小学生25人を熊谷市立吉岡小へ招待。選手が考えたメニューで遊び、夢や希望を持つことの大切さを考えるトークショーを行いました。
選手と子どもたちは、おそろいのWE ACTION DAYオリジナルパーカを着て集合。パーカはDF小島美玖選手がデザインしたもので、背中には、レインボーに彩られた選手全員のサインがあしらわれています。主将のMF山本絵美選手が「今日は全力で楽しみましょう」と声を掛け「みんなで遊ぼう」セッションが始まりました。
自己紹介の後、巧なリフティングといったプロの技を披露する「エルフェンショー」からスタート。フリーキックのキッカーを務めるMF瀬戸口梢選手が、狙った枠に一発でボールを蹴り込むと、歓声が沸き、大いに盛り上がりました。
次は、全員でゲームです。皆が楽しめるように選手たちがアイデアを出し合った「しっぽ取り」「手つなぎゲーム」「玉入れ」「ボール集め」で遊びました。笑顔の選手たちと手をつなぎゲームをするうち、はじめは緊張していた小学生たちも柔らかな表情になりました。
続いては、主将の山本選手が中心となってのトークセッション。テーマは「今やってて楽しいこと」です。山本選手は「子どもたちの言葉をたくさん引き出せるようにグループワークを取り入れ、選手たちが積極的にフォローできるようにした」と言い、実りのある時間になるように万全の準備をしたそうです。
まず、山本選手がサッカーを続ける中で直面した困難と、それを克服するために何を考えてどんな努力をしたのかを紹介。「大変なことがあっても、自分なりに考えて努力すれば、一歩でも二歩でも成長できる。好きなことを全力で楽しんで」と話しました。
子どもたちは山本選手のメッセージを参考に「自分の好きなこと」「夢」「そのためにできること」をグループに分かれて考えました。そして、宇宙飛行士やマンガ家、サッカー選手といった夢と、その夢に向かってできることを発表しました。
最後は、選手全員でサイン会。子どもたちは「選手とたくさん話しができて楽しかった」「お気に入りの選手ができた」「今度は一緒にサッカーしたい」「また会いたい」。充実した時間を過ごし、笑顔になりました。
日本代表経験を持つFW荒川恵理子選手は「最後は涙が出そうだった」と振り返りました。「みんなを笑顔にしたいという夢が子どもたちから上がって心が温かくなった。これから大変なこともあると思うけど頑張ってほしいし、私も頑張りたい」。
また、EL埼玉のユース出身で前期2得点のMF吉田莉胡選手は「思った以上に心の距離が縮まった。子どもたちの表情や行動を見ながら、今日という日を楽しんでもらえるように心がけた。WEリーガーにならなければ、このような経験ができなかった」と話しました。選手にとっても貴重な機会になったようです。
児童養護施設「江南」主任の中村陽祐さんは「学校に通えていない児童もいるので正直心配していたが、選手たちの子どもたちを巻き込む力にほっとしている。こういった機会を通じて、多くの大人が一人ひとりの成長を見守っているということが子どもたちに伝わってほしい」と、WEクラブの新たな関わりに期待を寄せました。
このイベントでは、熊谷市役所がクラブと児童養護施設をつないでくださいました。市職員の水落穂南さんは「クラブがこのような企画を提案してくれるのは大変ありがたい。子どもたちにとっても良い経験になるので、今後も継続してもらえたらうれしい」と話しました。