WEリーグでは、ビジョンに掲げる「世界一の女子サッカー」を実現するため、WEリーガー向けに「FOOTBALLを学ぼう」セミナーを隔週で開催します。第三回は、10月25日、JFAテクニカルハウス、なでしこジャパンテクニカル分析担当の寺口謙介氏による「テクニカル分析をサッカーに活かす」。選手20名を含む65名が参加しました。
一口に分析といっても、その目的から分析の種類や観点が変わってきます。まずは、実際のトレーニングの映像で、目的によって見るものが変わるという例を示しました。
選手はプレーをする際に、状況を把握し、判断し、実行というサイクルを繰り返し、常に分析(状況判断)を行っているのです。分析は、パソコンの前だけで行うだけではなく、起こった現象を、理解、分析し、改善していくことが指導者の役割です。分析をしていく上では、サッカーの目的、原則、基本戦術の理解が不可欠で、WEリーガーの皆さんはC級コーチライセンスを取得し、理論が明確になったことで、プレーの向上に役立っていると思います。
分析には質的分析と量的分析の2種類があります。質的分析は、主観的にプレーを評価し、その現象の背景や因果関係を探って行きます。もう一つの量的分析は、いわゆる数字やデータです。データは客観的数字で説得力があります。ただ、それがプレーの良し悪しを見せるかというとそうではありません。例えば、あるチームが1試合に700本パスを通した。といっても、自陣で回していただけかもしれない。といった量的な分析に質的な考察を加えて分析して行くことが肝心です。
また、何を見たいかによっても分析の内容は変わってきます。1.自チーム、2.相手チーム、3.選手発掘、4.国際大会の傾向。など、目的によって見るものが違います。目的に沿った分析を行い、それを次のゲームや将来のチームのパフォーマンス、または次世代に生かしていく分析をし、伝え、落とし込んで初めて分析に価値が生まれます。
池田太なでしこジャパン監督から、選手発掘の際の観点についても話がありました。
分析の観点について細かく知ることができたとともに、分析の重要性を再認識することができました。
一つの動画でも分析する目的や観点によって視点が変わります。より具体的な視点を学んだことで色々な角度からプレーを捉え、分析で裏付けされたプレーを増やしていきたいです。さらにプレーを言語化し、コミュニケーションを取ることで自分の中で整理できることがわかりました。これからはしっかり自分のプレーを言語化できる能力も身につけていきたいと思いました。
貴重なお時間ありがとうございました。今まで分析と言われても、試合の何をどうみたら良いかわからなかったのですが、話を聞いて、観るべきポイントを少し理解できたと思います。
プレイヤーとは違った視点でサッカーが見られるようになると、また違ったサッカーの面白さを感じられると思いました。
相手チームの分析や自チームの振り返りミーティングなど、選手として身近にある「分析」がどのような観点から成り立っているか、サッカーの分析についての講義を聞いたことは初めてで勉強になりました。
あるシーンを切り取った時に、攻撃を観るのか、守備を観るのか、スカウトとして観るのかなど、それを観る視点や考えることは人それぞれ違って、同じシーンでも捉え方は様々で面白かったです。
チームメイトとひとつのプレーについて話す時、一人一人が感じることはどれも尊重されるべき意見であるからこそ、チームとして基準となる"ものさし"が大切で、基準があるから意見がまとまり、ピッチの中で同じ絵を描くことができます。最近は様々なデータや映像が手に入り、情報が溢れているので、その中から必要な物を選んで、選手が迷わずプレーできるように整理してくれるテクニカルの仕事の重要性を改めて感じました。
なでしこジャパンのテクニカル分析の方の現場の話が聞けてとても面白かったです。現代サッカーはデータ分析が進んでいますが、チームコンセプトによって、映像やデータの見方や課題が変わってくるので、チームコンセプトから逆算してしっかりチームで共有していかなくてはいけないということが特に印象に残りました。
また、代表監督からのデータでは測れない選手の行動も大事になるという話も、サッカーにおいて大切で魅力的な部分で貴重なお話しでした。