アルビレックス新潟レディースは10月10日、新潟市にある本拠地デンカビッグスワンスタジアムなどで働く女性にスポットライトを当てた二つのトークショーを開催しました。
トークショーは、まずデンカビッグスワンスタジアムで開かれ、村松大介監督と各年代別代表を経験し「なでしこジャパン」のメンバーとして東京五輪に出場したGKの平尾知佳選手、それに川田綾乃トレーナーが登場。子どもたちとその保護者約50人に「サッカーに関わる仕事」をテーマに語りかけました。
平尾選手は、サッカー選手は楽しく華やかなだけではないといい、これまでに2度あった大きなけがの経験を打ち明けました。けがによって仕事のサッカーができず、ひどく落ち込んだ時期があったそうです。
それでもチームメートや監督、家族など「支えてくれた周りの人のために」との思いが、つらい時期を乗り越える力になったということです。諦めない気持ちや努力、感謝する気持ちの大切さを、サッカー選手になる夢を抱く子どもたちに伝えました。
川田トレーナーは、はり治療のデモンストレーションを交えながら、表舞台に出る機会が少ないトレーナーの仕事を紹介。はりのほかマッサージなどを通じて選手を支え「けがをしないようにする」という役割に、子どもたちは興味津々の様子でした。
松村監督は参加した子どもたちにクラブカラー、オレンジ色の折り紙で作った白鳥をプレゼントしました。折り紙の白鳥には「女の子がサッカーで夢を追い続けられるように」という思いが込められています。
WEリーガーを目指すだけでなく、サッカーを頑張った先には様々な仕事が存在。WEクラブで働くことも憧れの一つに考えてもらいたい、と願っているということです。
もう一つのトークショーは新潟市内のショッピングモールで開かれ、新潟県出身で日本代表経験のあるMFの川村優理選手に加え、新潟県の代表選手として国体優勝の経験を持つMFの山谷瑠香選手が出演。モール内にあるカフェ「SUZUKI COFFEE」の女性バリスタ横山有沙さんも交え、新しい職業としての女子プロサッカー選手と女性の活躍についてトークを展開しました。
山谷選手はプロ選手WEリーガーが誕生したことに意義があるとして「女の子たちが将来プロサッカー選手になりたいと思えるような環境にしていきたいし、自分自身もそんな存在になりたい」と意気込みました。
また、川村選手は女性の活躍を巡り「男性と違った女性ならではの視点から意見を伝えることができる」と前向きな変化に期待を寄せました。
さらに3人は、「サッカー選手が試合に勝つこと、バリスタがおいしいコーヒーを出すことはプロならば大前提。ファンやお客様にまた来たいと思ってもらえるよう、接し方や立ち振る舞いを意識したり、スタジアムや店内の雰囲気作りを工夫したりといった、期待以上の価値を提供する姿勢が大切だ」と一致しました。
WEリーガーが1日に行うルーティンを紹介した後は、Q&Aタイム。50人以上集まった聴衆から「サッカーを始めたきっかけは」とか「新潟で好きな場所は」といった質問が出て、選手をより身近に感じてもらう機会にもなりました。
この他にも、新潟Lはスタジアムツアーやサッカー教室などを開催。クラブを挙げてホームタウンと手を取り合い、WEリーグの理念を推進するWE ACTION DAYとなりました。