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レポート
2021.10.08
WEリーガーテクニカルセミナー 「FOOTBALLを学ぼう」vol.1
「世界のサッカーのトレンド 〜WEリーグを世界一のリーグへ」

WEリーグでは、ビジョンに掲げる「世界一の女子サッカー」を実現するため、WEリーガー向けに「FOOTBALLを学ぼう」セミナーを隔週で開催します。第一回目は、927日、WEリーグのテクニカルアドバイザーであるJFA技術委員会小野剛副委員長が、「世界のサッカーのトレンド」について講義しました。選手14名を含む37名がオンラインで講義に参加しました。



WEリーグ テクニカルアドバイザー 小野剛 氏 講義要旨

まずは、プロ選手とは何か。長年、多くのプロ選手を見てきましたが、プロになって伸びる選手と、プロになったからこそ、消えていった選手がいるのも事実です。それは、124時間をどうデザインするか、ライフスタイルをどうマネジメントできるかということにかかっています。人によって、デザインの仕方はそれぞれです。自分なりのプロフェッショナルというものを確立していって欲しいと思います。



WEリーグが掲げるビジョンの一つ、世界一のリーグを目指すには、世界のサッカーの最前線を知っている必要があります。現在のトレンドとは、ボールを保持していようがいまいが、仕掛けるというインテンシティ(強度)の高いフットボールです。

東京オリンピックでメダルをとった国とのデータを比較しながら、日本のプレーを分析しました。準々決勝 なでしこジャパン対スウェーデンはいい戦いで、相手にプレッシャーをかけてボールを奪えていたということがデータにも表れています。相手のハイプレッシングをかいくぐる、効果的な攻撃が見られました。

世界のトレンドになっているハイプレッシングをかいくぐって攻撃を仕掛けていくこと。日本の高く正確な技術とコレクティブな動き、連動性によってそれが可能になります。また、日常の環境をハイプレッシングにしていくことで、その精度は増して行きます。

ヨーロッパの女子サッカーの成長は目覚ましいものがあります。それは、環境整備によりリーグ全体の強度が上がったからです。

選手が競い合ってチームを作り、チーム同士が競い合ってリーグを作ります。リーグでインテンシティの高いゲームが常にできれば、再び世界一になることも夢ではありません。

みんなで一緒に世界一を目指して行きましょう。

選手感想
柴山史菜選手(三菱重工浦和レッズレディース)

講義の中で、コンパクトに前から連携した守備をすること、また攻守の切り替えの早さが勝負の鍵を握るということからスプリントの重要性を改めて感じました。

頭の切り替えはもちろんですが、走る・止まるという基本的な動作からもっと力を入れてトレーニングしていかなければいけないと思いました。この学びを活かし自己の成長に繋げていきたいと思います。貴重なお話をありがとうございました。

安藤梢選手(三菱重工浦和レッズレディース)

世界の現在のサッカーのトレンドを、男子・女子両方の面から知ることができました。特に、普段知ることのできない観点からデータを交えて東京オリンピックの試合を振り返り、日本の課題や特徴、世界との差を知ることができた点がとても面白く勉強になりました。

発展している世界各国の女子リーグとの差を学ぶことができました。WEリーグを「世界一のリーグ」にしていくために、このセミナーでいろいろな角度からサッカーを共に学び、リーグ全体のサッカーの質をお互いに高め、みんなで激しく熱いリーグにしていきたいと思いました!

猶本光選手(三菱重工浦和レッズレディース)

これまでも男子のトップクラブがサッカーを発展させていて、女子サッカーもそこをお手本に進化してきているので、世界の男子のトレンドを聞けて勉強になりました。

チェルシー、バルセロナなど男女ともに強化しているクラブは、女子チームのフットボールのインテンシティも高く、スピードがあり、戦術的にも男子に近くなっている印象があります。選手の立ち位置やボールの配球場所などが類似しているという点で、その戦術を体現できるような運動能力(スピードやボールを蹴る距離など)が備わっている選手たちにしかできないサッカーになってきていると感じます。

ヨーロッパの国は今回学んだ最先端のフットボールをやってくるので、日本の女子サッカーがガラパゴス化しないように、そのレベルに対応できるよう自分たちは何をすべきかよく考えて日々の練習や試合をしないといけないと思いました。

岩清水梓選手 (日テレ・東京ヴェルディベレーザ)

この内容は、全チーム全選手が知るべき内容だったと思います。

プロリーグにした意味の中に、なでしこジャパンの強化があると思います。どうやったらリーグのレベルが上がるのか。トレンドを知ることが世界への近道であり、WEリーグがやるべき道標がそこにはあったと思います。

自分の力ではトレンドを知ることはできなかったので、講義を聞けてよかったです。

次回は、1011日、テーマは「EMOTION感情を味方につける」です。

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