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インタビュー
2021.05.19
【WE INTERVIEW #11】~髙瀬愛実選手(INAC神戸レオネッサ)~


紆余曲折を経た今だから出来るチャレンジがある

 

髙瀬愛実はINAC神戸レオネッサ一筋、今年で13年目のシーズンを迎える。恵まれたフィジカルを武器にパワー溢れる攻撃で、なでしこリーグでは得点王&MVPも獲得したが、実は自身の強みとポジションがかみ合わず、苦い時期も長く経験している。常に悩みながらも選択基準は「試合に出てなんぼ」といたってシンプル。トップからサイドバックへ、そして再びトップへ。苦悩の底で見つけた突破口は間違いではなかった。

  

——U-19女子代表に選出された頃には、すでに強靭なフィジカルの持ち主だという印象がありました。

なでしこリーグに入るまではフィジカルが強いことをあまり認識していませんでした。高校のとき、自主的に筋力トレーニングはしていましたが、ボールが裏に抜ければ自分のスピードで得点できてしまっていたので、身体が強いことが武器になるとは思いませんでした。

 

——リーグでプレーするようになってから?

INAC神戸に入ってすぐの頃ですね。周りから言われて、女子選手でゴリゴリ行く選手がいないと気づきました。他にない選手になれるならこの強みを生かしたらいいんじゃないかって。強みと言っても、自分のスタイルはいまだにわかってないんですけど(笑)。ただ、ここでは絶対負けちゃいけないっていう部分は早い段階で確立されてました。

 

——強みを持った頃からポジション的にさまよった時期もあったので、“スタイル”となると難しかったのでしょうか?

まさに(笑)。ボランチでプレーしていたときもあったんですが、そのときもフィジカルやヘディングの“強さ”が評価されたんです。サイドバックでも、攻撃的で1対1に“強い”ところが評価されて、どこのポジションでも“強さ”がくっついてくるんですが・・・

 

——ポジションをその都度かみ砕いて自分のものにしていく作業を何年も繰り返していく中で、サイドバックに対しては吹っ切れるのが早かった気がします。

そうですね。まず違ったのは気持ちの持ち方。当時27歳で、高倉(麻子)さんがなでしこジャパンの監督になってから呼ばれなくなっていました。チームでもサイドハーフやFWで定位置がなくて、絶対的な存在になれない時期でもあった。それで、サイドバックでもう一回チャンスがあるかもしれないという思いは正直ありました。試合に出てナンボ。ここだ!っていうポジションでチャレンジしたかったんです。

 

——それが認められてサイドバックを定位置に出来ました。そこから昨年FWに戻りますよね。

それもサイドバックで試合に出られなくなってきたからです。若い選手も成長してきて、自分はスペシャリストという訳でもない。今試合に出られないのなら、好きなことをやってやろうって思ったんです。で、練習のときにシレっと攻撃の前線位置に入ったりして(笑)。この年齢になったからできたことだと思います。

 

——それが代表復帰につながったことを考えれば、何がきっかけになるかわからないですね。今シーズンの私は〇〇が違う!というのはありますか?

FWとしての駆け引きが違います!サイドバックを経験してからのFWなので、ディフェンスが嫌がっているなと感じることができました。そういう駆け引きを増やしていきたいです。

 

——WEリーグで一番〇〇な選手になるというのでは?

一番スイッチの切り替えが上手な選手になる!これから練習に行くぞ、練習を始めるぞ、というスイッチが自分の中でいくつかあるんです。ピッチで起きたことを持って帰って考え込んで、オフがオフじゃなくなってしまうことも多いので、自分が崩れてしまわないように、しっかり休めるようにしています。自分に元気がなくなっちゃったらスイッチも入れられなくなってしまうので、自分の心の元気を、栄養を養うことを大事にしています。

 

——では最後にファン・サポーターの方にメッセージをお願いします。

今年から始まるWEリーグを本当にたくさんの方が楽しみにしてくださっていると思います。女子サッカーの新しい歴史の中に選手として立っていられることは幸せなことだと感じています。その瞬間を皆さんと一緒に感じて、WEリーグが未来につながるような素敵な女子サッカーリーグにしていきたいと思っているので、なでしこリーグもWEリーグも女子サッカー全体をみなさんに応援していただきたいと思います。よろしくお願いします。





【プロフィール】

髙瀬愛実(たかせ めぐみ)

1990年11月10日生まれ、北海道出身

FW、背番号11

北見オニオンキッド → 北見リトルウィングス → 網走ジュニアユース → 釧路リベラルティ → 北海道文教大学明清高校 → INAC神戸レオネッサ

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