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レポート
2025.02.21
「2024-25 ALL WE ACTION DAY」
第2部「選手が語る「多様性」とWE ACTION DAY」についてトークセッションを実施

クラブで実施したALL WE ACTION DAYを振り返る



2025年2月1日、WEリーグはJFAサッカー文化創造拠点「blue-ing!」で、「女子サッカーにおける、「する」「見る」「関わる」機会を増やし、多様性の枠を広げる」をテーマとした「2024-25 ALL WE ACTION DAY」を2部構成で開催しました。

「女性や障がい者サッカーへのアクセスについて」をパネルディスカッションした第1部に続き、第2部では全12クラブから代表した選手1名が登壇。「選手が語る「多様性」とWE ACTION DAY」について、トークセッションが行われました。

シーズン開幕後、「2024-25 ALL WE ACTION DAY」に向け、さまざまな取り組みを行ってきた各クラブ。まずは全クラブの実施内容が選手たちから発表されていきます。



「2024-25 ALL WE ACTION DAY」の大きなテーマは「多様性」。各クラブが、この「多様性」と向き合い、独自の取り組みを行いました。多様性といっても取り方はさまざま。「障がい」「多様な人が集まるスタジアム」「外国人」「年齢」などテーマによって、実施内容を振り返り、感じたことや得たことを選手たちが伝えていきました。

ちふれASエルフェン埼玉の園田悠奈選手は「今回のALL WE ACTION DAYを実施するまで障がいのある方と関わる機会が少なく、どのように接したらいいのか不安もありました。でも、実際の交流の中では、ありのままの自分で接していることに気づきましたし、生徒の皆さんも明るく元気に参加してくれました。楽しむ心と笑顔を忘れないことが大事だなと改めて感じましたし、笑顔でいることが人との輪を広げるのかなと思います」と言います。





三菱重工浦和レッズレディースの島田芽依選手は「テーマである“多様性”には答えがないと佐伯夕利子さんがおしゃっていたのですが、答えがないものを考えるのは難しい部分もありました。でもこの勉強会をきっかけに多様性についてより深く考えるようになりましたし、お話を聞いて自分自身の世界や考えが広がったと思います。自分が当たり前だと思っていることは、他の人にとっては当たり前ではないこと。一人ひとり考えの違いがある中で、多様性について考え続けて、当たり前を広げていくことがすごく大切だなと感じています」と活動を振り返ります。





12クラブそれぞれに特色のある実施内容に対して「私たちもブラインドサッカーを行ったことがありますが、障がいのある方との触れ合いが多いなと感じました。他のクラブが実施している内容を聞くことができ、すごく良かったです」と大宮アルディージャVENTUSの牧野美優選手。

INAC神戸レオネッサの大熊茜選手も「サッカー教室や地域交流などを楽しみながらやっていきたいなと思いました」と、刺激を受けた様子でした。

選手たちが関わることが女子サッカーやWEリーグの大きな魅力に

全クラブの発表のあとは、取り組みの振り返りや多様性について感じていることなどを、フリーディスカッションしていきます。

海外クラブでプレー経験があるサンフレッチェ広島レジーナの近賀ゆかり選手は、ピッチ外での活動について「続けていきたいこと」だと語ります。

「アーセナル時代に小児病棟で子どもたちと触れ合うことがありました。ニコニコとした子どもたちや喜んでいるご家族の様子を見て、スポーツの力や(選手が)こうした活動をすることに意味があると感じたんです。日本でも同様にやっていきたいと考えている中で、ケガで入院をしていた時期に院内でのハロウィンイベントに、クラブ(S広島R)の協力の元で参加をしました。そこでも、うれしそうな子どもたちの笑顔を見ることができたんです。女子サッカー選手からお菓子をもらうことで、サッカーに触れてもらう機会にもなったと思いますが、やっぱり子どもたちの笑顔がうれしかった。今後も、続けていきたい活動だと思っています」と教えてくれました。





活動で意識したことを問われたのは、ジェフ千葉レディースの小林ひなた選手。「失敗しても何度でもチャレンジすればいいんだという思いを持ってもらうために、私たちがチャレンジする姿を見せることやポジティブな声かけをすることを心がけていました」と話します。

日テレ・東京ベレーザの柏村菜那選手は、活動中の参加者の変化について触れ、「最初はボールを蹴るのが怖いと感じて積極的にやってくれる方が少なかったんです。でも、私たちが楽しみながらお手本を見せたり、みんなでボールに触れていったりするうちに『私もやってみようかな』と興味を持ってくれる方がどんどん増えていきました。最終的には皆さん楽しんでやってくれましたし、その姿を見ることができて私もうれしかったです」と笑顔を見せます。





スタジアムの集客を考えたアルビレックス新潟レディースの道上彩花選手。取り組みについて「選手はプレーをする側です。試合に関わってくださる方や見に来てくださる方々のことは、そこまで深く見えていなかったり、気にできていなかったりする部分があります。でも、選手自身が『どうすれば自分たちの魅力あるサッカーを多くの方に見ていただけるのか』『どうしたらサッカーというひとつのスポーツをみんなが楽しめるのか』を選手たち自身がしっかり考えるいい機会をつくれたのかなと思います」と振り返ります。

特に、活動内で企画案として発案された「練習着などにQRコードをつけてPRする」ことは、他の選手たちからも「面白い内容でやってみたい」「とてもいいPRになりそう」と声が上がったほか、第1部にパネラーとして登壇したロービジョンフットサルの西山乃彩選手も「印象に残ったアイデアで、やってみたいことです」と多くの関心を集めていました。

取り組みの中でさまざまなことを感じ取り、それを発信することも“WE ACTION”につながります。最後にMCを務めた海堀あゆみ理事が「選手たちが主体となって関わることはWEリーグの魅力のひとつだと思います。今回、多様性というテーマを持ってさまざまな取り組みが行われましたが、幅が広がったと思いますし、本当にいろいろな活動があることを実感しました。まだまだ小さな活動かもしれませんが、こうした活動を社会に発信することで一つひとつのアクションが大きくなって、社会を動かせる力になるのかなと感じた1日になりました」と振り返って、第2部が終了しました。



「2024-25 ALL WE ACTION DAY」を終えたマイナビ仙台レディースの吉岡心選手は「とても緊張しましたが、改めて参加をして、みんなでサッカーを広めよう。盛り上げようという気持ちを感じましたし、いろいろな人とのつながりの中で自分ができることをどんどんやっていきたいと思っています。多様性についても、きちんと考える機会になりました」と感想を聞かせてくれました。

また、「全クラブの活動を聞いて、改めて良い活動だな」と感じたというS広島R・近賀選手は「自分たちの課題でもある集客について考えていた新潟Lの内容は、いろいろなことにフォーカスをして考えているものでしたし、佐伯さんと考える浦和の勉強会もすごくいいなと思いながら聞いていました。子ども食堂に訪問した東京NBの活動もとてもいいですよね。いろいろな取り組みがあって、どれもいいことだなと改めて思いました。スポーツ選手の価値はスポーツだけにあるものじゃないと、これまでの経験で感じてきました。私ひとりでできることではありませんが、みんなに手伝ってもらったり一緒に活動をしたりすることをスポーツ選手がやるからこそ、広がっていくこともあると思います。周囲の人に相談すること。話してみることもすごく大事だなと思いながら、S広島Rでも活動をしていますが、これを継続していくことも大切です。WE ACTION DAYを含めて、女子サッカーが先頭に立って社会課題に取り組む活動が広まっていったらと思います」と、思いを口にします。





選手たち自身が発すること。そして、先輩から後輩へ。キャリアを重ねた選手の経験や思いがプロサッカー選手への道のりを歩みはじめた選手たちの心にしっかりと届いていくのもWEリーグの良さ。全クラブが一堂に介することで、その輪も大きく広がっていきます。





WE ACTION DAYを実施して4シーズン目。WEリーグが思いを込めて植えてきた「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」という理念の種を、各クラブがそれぞれの色に染めながら大事に育てています。

今、何をすべきか。自分たちに何ができるのかを問いながら、積極的に取り組む選手たちやクラブの姿はWEリーグの大きな魅力。それが女子サッカーをさらに輝かせていく原動力になっていきます。

今後も自由に活発に。選手たちやクラブ、そしてWEリーグの新たな一面に出会えるWE ACTION DAYは、これからも続いていきます。

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