2024年10月20日、AC長野パルセイロ・レディースが長野Uスタジアムで、「パルセイロ×楽しい防災」~楽しく防災を学ぼう!はたらくくるまも大集合!~を実施しました。
AC長野がWE ACTION DAYで行った「パルセイロ×楽しい防災」~楽しく防災を学ぼう!はたらくくるまも大集合!~は、楽しく防災の知識を学び、イベントを通じて防災力の高い地域を目指すことを目的としたイベントです。2024-25 SOMPOWEリーグ 第6節マイナビ仙台レディース戦の前に行われました。
今回のイベントでは、「①防災アクティビティブース:体験しながら楽しく防災を学ぼう!」「②はたらくくるま大集合」「③親子防災サッカー教室:JAPANサッカーカレッジ×パルセイロ」の3コンテンツを実施。橋谷優里選手やタニガーン・デーンダー選手などが参加し、スタジアムに訪れた多くのファン・サポーター、子どもたちとともに防災について楽しく学びながら、知識を得る時間となりました。
「最近は地震や豪雨などの自然災害も多く、私自身も防災リュックを買って備えています」と話す橋谷選手。
この日は「初めて水入りの消火器を使いましたが、普段の生活ではなかなかできない体験を経験できて良かったです」と口にしたように、水の入った消火器で的を狙う水消火器的当てや毛布で担架、親子防災サッカー教室など体験型のものから、WEリーグタイトルパートナーであるSOMPOグループが行う災害から身を守るための知識や安全な行動を身に付けてもらうことを目的とした「防災ジャパンダプロジェクト」など、防災に関する様々なブースが立ち並びます。
「一緒にやろう」と選手たちが声をかけてはじまったのは防災鬼ごっこ。周囲の人たちと協力しながら鬼から逃げるもので、選手たちが鬼役となって参加者や子どもたちを追いかけていきます。
「こっちに逃げよう」「うまく避けられない」と参加者たち。明るい笑い声が響く中にも、真剣で一生懸命に取り組む様子が見られました。
ひときわ「すごい、かっこいい!」とたくさんの声が聞こえたのが「はたらくくるま大集合」です。実際の災害現場で使用される自衛隊の「アクセスノード車」や警察の「ウニモグ(災害用対策車)」、消防の「救助工作車」、日赤の「DERU(国内型緊急対応ユニット)」などが並びました。
災害時にどのように使われるのかを、担当隊員がわかりやすく紹介。「ニュースで見たことがある!」など子どもたちは目を輝かせながら、制服などを着用して写真撮影などを行っていました。
自衛隊の制服を着用していたのは久保田明未選手、髙野瀬紫苑選手。参加者を案内したり、鬼ごっこをしたりと大活躍。選手たちも、多くのファン・サポーター、子どもたちと触れ合いながらともに学ぶ、充実の時間を過ごしていました。
同時にピッチでは、JAPANサッカーカレッジの学生たちによる親子防災サッカー教室も実施。宮本華乃選手や風間優華選手が参加しました。
親子防災サッカー教室では、自然災害が発生したときに必要なアイテムを、ボールや水などの絵が書かれたカードの中から選んでドリブル競争をしたほか、選手や友だち、保護者と子どもたちがペアを組んで手をつなぎ、ゴールを目指すゲームが行われました。
このゲームは「ペアを組むことで災害が発生した時に、家族や友だちとの連係や協力につながる」もの。性別や年齢などに関係なくペアを組み、互いに協力をしながらゴールを目指します。
選手たちも「ここでボールを取ろう」など、積極的にコミュニケーション。参加者からも徐々に「あっちに行こう」「走ろう」など声が出はじめ、サッカーを通して周囲との連携や協力を自然に身に着ける時間になっていきました。 親子防災サッカー教室の最後には、宮本選手が防災時に必要なグッズなど、今日学んだことを振り返ります。その中で「チームメイトの伊藤有里彩選手が防災に必要なものを一生懸命考えて作ったものだよ」と選手自らが考案した防災ボトルも紹介。「災害が起きた時はみんなで協力して乗り越えられるように備えていきましょう」と締めくりました。
宮本選手が紹介していたのは、マイ仙台戦で限定発売された「伊藤有里彩選手考案防災ボトル」です。
「防災イベントはホームゲームがある日。約1ヶ月前から準備してきたものです。最近は日本各地で大きな地震などの発生が多くなってきました。でも、家に大きな防災用具を置くのは難しい。実際に私も防災グッズを整えたのですが、とても重かったのです。選手たちにも持ってもらっても『重すぎる』と言っていました。いざ、避難する時にそれでは持てないですし、家に取り残されたときでも、小さくてもひとつ、防災グッズがあれば安心だと感じて、今回の防災ボトルを考えました。これを持つことで防災に対しても意識が高くなったらいいなと思いますし、まずはそれをAC長野から始めようと思いました」と考案の裏側を話してくれました。
ボトルの中身も、伊藤有里彩選手自らが考案。加えてAC長野らしさを盛り込むために「全選手のサインとメッセージカードをつけました。選手みんなに呼びかけながら、カードを配って書いてもらいましたし、ラミネートも自分たちでやりました。少しでもみんなに元気を。そして、励ます気持ちを送れたらと思いました」と伊藤有里彩選手。
様々な手書きのメッセージは温かいものばかり。「エールを込めた言葉を書きました。自分が言われてうれしいメッセージになっています」と伊藤めぐみ選手も教えてくれました。伊藤有里彩選手の呼びかけに選手全員が協力して完成した防災ボトルは、大好評。どの選手のものが当たるかもお楽しみで、多くのファン・サポーターが手に取っていきます。
また、販売ブースの近くには選手たちが「防災について意識していること」も掲示され、ファン・サポーターも防災への意識を高める1日になりました。
防災について学ぶだけではなく、選手たち自らが“ACTION”を起こして、防災と向き合ったAC長野のWE ACTION DAY。
「WE ACTION DAYも1年目はどのようにやったらいいか迷ったり、手探りでやってきたりした部分もありました。でも今シーズンで4年目。選手自身の自覚やどういう活動しなくてはいけないかが一人ひとりの中に芽生えてきて、責任を持って取り組めるようになりました。今度はこうしたいという意見もたくさん出てくるようになっています」と橋谷選手。
「その中で、アスリートとして地域の方々と一緒に“長野”を盛り上げたい気持ちもあります。スタジアムがある篠ノ井地域も含めて、地域の皆さんが本当に熱心に応援してくださる。だからこそ、サッカーで勝利を届けることももちろん大事ですが、今日のように地域の方々と協力していくピッチ外のイベントも大切にしていきたいです」(橋谷選手)と言葉を続けます。
「防災サッカー教室も楽しかったし、紙コップを作るのも楽しかったです」と話してくれた小学3年生の女の子は、SAMURAI BLUE(サッカー日本代表)の試合をきっかけにサッカーを好きになり、地元のプロクラブであるAC長野の試合に足を運んでいるそう。AC長野の活躍は、男の子に混ざってサッカーを励む日々の原動力。「選手たちのようになりたい」と憧れながら「一緒にWEリーグを盛り上げていきたい」という思いを明かしてくれました。
AC長野が地域のハブとなって課題解決に取り組み、地域全体の連携を強化する「パルセイロ×楽しい防災」~楽しく防災を学ぼう!はたらくくるまも大集合!~。イベントを通じて、地域とのつながりを大事にしながらも、選手たち自身の自覚や責任感を育み、女子サッカーの存在価値を高めることにもつなげているWE ACTION DAYになっていました。
ピッチ上でもその思いは変わらず「応援してくださる方々の心も奪えるようなサッカーをしていきたい」と橋谷選手。伊藤めぐみ選手も「1試合1試合勝つことにこだわりながらチーム一丸となって戦っていきたい」とシーズンへの決意を話してくれました。
確かな思いを胸に、地域になくてはならないプロサッカークラブへと歩みを進めるAC長野。4年目のシーズンを“長野”とともに盛り上げながら、地域一帯となって戦っていきます。