公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)は、2024年5月28日に第7回 WE ACTION MEETINGをオンラインで開催しました。今回は、WEリーグクラブ選手12名、WEリーグクラブスタッフ12名、WEリーグパートナー企業から9名、他競技スポーツ団体から2名、WEリーグ事務局を含め計49名が参加。
2024年1月23日開催の第6回に続き、“女子アスリートが安心・安全に競技ができる環境を整える”をテーマにしたグループワークを行い、それぞれの立場から実際に困った経験や、取り組んでいる施策などの情報を共有し、具体的な施策案の発表につなげていく時間となりました。
まず、6つのグループに分かれた参加者は「現場(職場)における安心・安全」、「インターネット・SNS上における安心・安全」について、現状をディスカッション。お互いの声に耳を傾けます。
選手たちから悩み・体験談として、多く聞かれたのは「ファン・サポーターとの距離感、コミュニケーション」のこと。例えば、試合に伴う移動時でのファンサービスやSNSでの対応が難しいなどがあげられました。
こうした声に対し、クラブやパートナー企業は、コンプライアンス窓口を設けたり、一定のルールを設けたりして対応していることなどが共有されていきます。WEリーグと同じように女子アスリートが活躍している他のスポーツ団体からは「競技に限らずにスポーツ界で情報共有することも対策を取る上では大事なことではないか」という声も聞かれ、それぞれの立場からの視点で、盛んな情報交換がなされていきました。
この情報を下に、①「啓発映像の作成」②「サポート体制の構築」③「研修の実施」④「共同宣言」⑤「ルール策定」⑥「セミナーや勉強会」といったWEリーグがアクションにつなげる具体的な実施プランを話し合い、発表に進みます。
・パートナー企業の力を借りながら、みんなが見やすい映像を制作。開幕時や国際女性デーなど、注目が集まるときにしっかりと提示する(啓発映像の作成)
・育成年代でも取り組みを進めたり、専門家を呼んだりする(セミナーや勉強会)
・新人研修など全員が必ず一度は参加する(研修の実施)
・クラブとリーグに相談窓口を設けて情報を共有しながら個々で悩まない体制づくりを進める(サポート体制の構築)
このように様々な案が発表される中、「なぜ“女子アスリートが安心・安全に競技ができる環境を整える”ことが必要なのか。選手、チーム、関係者、ファン・サポーターの方がスタジアムに集まるWEリーグだからこそ作れるものがあるから。その原点にしっかりと立ち返りながら、具体的なアクションにつなげることが大事」という意見と、「6つの施策はそれぞれにつながっていること。ひとつの円を描くような施策をしていきたい」という発表には、参加者全員が大きく頷く様子も見られました。
“女子アスリートが安心・安全に競技ができる環境を整える”をテーマについて、約2時間におよんだ今回のWE ACTION MEETINGではお互いの声に耳を傾け、考えを共有する、実りある時間になりました。
今回の発案を大切にしながら、今後は具体的なアクションへつなげます。WEリーグは、これからも選手、クラブ、パートな企業の皆様、スポーツ団体の皆様。そしてファン・サポーターと一緒に、女子スポーツ選手がより輝くための環境づくりを進めていきます。
現場でのことやSNS上でのことなど、他チームでいろいろな事例があることに驚きました。
選手が安全にプレーできることはもちろんのこと、ファン・サポーターの方も楽しめるよう、マナーを守った交流ができる取り組みをリーグ全体で進めていければ、もっと応援してくれる方や興味を持ってくれる方を増やせるのではないかと思います。なかなか他チームの選手やリーグ関係者の方々とお話する機会がないので、リーグとしての取り組みや選手の考えなどを聞くことができとても新鮮な時間になりました。ありがとうございました。
今回はテーマがはっきりしており事前課題もあったので議論しやすかったです。ただ時間が短かく、立場が異なる人同士が同じグループだったので表面的な話しかできず深いところまで議論できなかったのが少し残念でした。今回の内容をもとに実行していくことを重視しているということだったので、どのようなルール作り他ができるのか楽しみにしています。
これからプロを目指すユース選手や大学生に向けた研修を協会として強化しているという他競技スポーツ団体さんのお話が印象に残りました。危機意識を持ってもらうためにも、とても良い取り組みだと感じています。また、今回も参加させていただけたことで、他クラブの選手の意見を直接聞くことができたり、各クラブの現状や他競技の現状を知ることもできたりする貴重な情報共有の場になりました。ここから行動に移していくことが大切です。リーグと協力をしながら形にできたらと思います。本日は、ありがとうございました。