第21節のマッチプレビューとして、INAC神戸レオネッサ(I神戸)vs三菱重工浦和レッズレディース(浦和)の見どころを2024年5月17日時点でのWyscout(R)のデータを基に紹介します。
I神戸は14勝4分2敗勝ち点46で2位。浦和は17勝2分1敗勝ち点53で1位。前回の対戦では1対1の引き分けでした。(前回の試合結果はこちら)
この試合のポイントに挙げたいのは前半の戦い方です。
直近5試合の浦和のボール保持率を調べると、5試合中4試合で90分間のボール保持率が50%を下回っていることが分かりました。12連勝中のデータを調べても、後半にボール保持率で50%を上回ったのは5試合のみ。試合を通してボールを保持しているわけではないことが分かりました。
ただ、12試合で失点は5点(そのうち3失点は第13節のAC長野パルセイロ・レディース戦に記録)、そのうち後半の失点は3点のみ。ボールを相手に保持されていても失点はしない戦い方ができています。
この戦い方において、注目をしたいのは柴田華絵選手。90分あたりのインターセプト数が7.17回でリーグ7位。直近5試合のインターセプト数のデータを調べると、前半16回、後半17回と前後半を通してパフォーマンスの維持できていることが分かります。柴田選手の存在が安定した戦いができている要因かもしれません。
12連勝中に挙げた35点のうち、前半に挙げた点は27。すべての試合で先制点を挙げており前半で点数を重ね、さらに後半は相手にボールを保持されても失点をせずに勝利する。こうした浦和の戦い方に持ち込ませないようにするためには、前半をいかに戦うかがポイントです。
対するI神戸は、直近12試合では24得点中8点を前半に挙げています。その8得点の内訳を調べると最も多いのは成宮唯選手の3得点。続いて、守屋都弥選手と田中美南選手の2得点です。後半に得点が多いI神戸ですが、浦和を相手に前半に点を挙げられるかが注目です。
I神戸の失点数を見てみると、直近12試合に喫した6失点中4点は前半に記録していますが、すべてアウェーで開催された試合での失点です。今節はI神戸のホームゲームですが、ホームではシーズンを通して前半の失点は1点のみ。ホームでは前半に先制点を奪って優位に試合を進める試合運びができています。
どちらが前半に先制点を奪うのか。後半に試合が動くとしても前半の戦い方を踏まえての試合となることが予想されます。両チームの前半の戦い方にご注目ください。