2024年3月2日(土)から2023-24 WEリーグが再開します。再開初戦となる第8節の三菱重工浦和レッズレディース vs INAC神戸レオネッサの見どころをWyscout©のデータを基に2点紹介します。
一点目はI神戸のパス交換と浦和のプレスの攻防です。
I神戸の攻撃に関するデータを調べると、DF3選手によるパス本数が多いことが分かりました。
第7節までのパス本数ランキングのトップ10には、三宅史織選手がリーグ1位(604本)、竹重杏歌理選手がリーグ6位(499本)、土光真代選手がリーグ10位(431本)と、I神戸のDF 3選手が名を連ねています。
DF 3選手がパス交換をしながら相手を動かし、縦方向にボールを運ぶ際の起点となるのがI神戸の特徴です。
対する浦和はプレスの強度が高いクラブです。
プレスの強度を算出する「PPDA(Passes Allowed Per Defensive Actions)」と呼ばれる指標※1において、浦和のPPDAは7.17でリーグ1位。強度の高いプレスでボールを奪ってボールを運び、シュートチャンスを作り出すプレーを得意としています。
強度の高いプレスの起点になっているのが柴田華絵選手です。柴田選手は「インターセプト」「相手からボールを奪い返す」といった自チームのポゼッション開始の起点になったプレーを示す「リカバリー」の回数が1試合平均17.68回でリーグ1位、パス本数がリーグ8位(487本)を記録しており、浦和の攻撃の起点になっていることが分かります。
I神戸がDF 3選手のパスを起点に浦和のプレスを外せるのか、それとも浦和が強度の高いプレスでボールを奪って攻撃を仕掛けるのか。両チームの攻防に注目です。
二点目はサイド攻撃です。
I神戸は右サイドからの攻撃が37%、左サイドからの攻撃が33%と、両サイドから攻撃できることが強みです。サイドからのクロスの本数ランキングでは、左ウィングバックの北川ひかる選手がリーグ1位(40本)、右ウィングバックの守屋都弥選手がリーグ2位(39本)と左右どちらからもクロスが上げられていることが分かります。
そして両サイドからのクロスをゴールへと結びつけるのが、シュート数リーグ1位(33本)、ヘディングシュート数リーグ1位(9本)の田中美南選手。両サイドからのクロスが田中選手に何本届くのか注目です。
浦和のサイド攻撃は、左サイドが30%、右サイドが40%と右サイドから攻撃する比率が高いことが特徴です。
右サイドからの攻撃を牽引するのが清家貴子選手です。清家選手はアシスト数がリーグ1位(4本)、シュート数がリーグ3位(29本)、枠内シュート率がリーグ3位(51.7%)、クロスの本数がリーグ3位(30本)、など攻撃に関する複数のスタッツで上位にランクインし、ゴール期待値(xG)は600分以上出場している選手としては1位(0.75)。リーグで最もゴールを期待できる選手といえる活躍をしています。
I神戸の両サイドと浦和の右サイド。サイドの攻防に注目です。
※1:「ピッチ60%のエリアで許した相⼿チームのパス本数」を「タックル+インターセプト+ファウル+チャレンジ(守備のアクション)」で割った値で算出。値が少ないほどプレス強度が高いことを示す。