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レポート コラム
2024.02.27
2023-24 WEリーグ前半戦テクニカルレポート
攻撃


パス本数が減少している傾向があり、よりダイナミックな攻撃が以前よりも多く見られるようになってきたと考えられる。

また、シュートの本数が減少したことから、シュートを打たせないというゴール前の攻防が多くなったのではないかと考えられる。ペナルティボックス内の攻撃の質を追求していくことが今後求められてくるだろう。

一方で、クロスの増加がみられている。中央を固められている中で、サイドから攻撃していく、崩していくという世界のトレンドを踏襲していると考えられる。

守備


PPDA*が低下しており、ディフェンシブチャレンジが多くなり、プレス強度が高まっていることがわかる。

また、一試合平均のボール奪取数も増えていることから、守備から攻撃へのトランジションも多く見受けられた。

*PPDA:ピッチの相手陣地側60%における相手のパス本数を守備のアクションの総数で割った値。数値が低いとプレス強度が高くなる。ただし、チームの戦術・コンセプトにもよるので一概に低ければ低いほど良いということではない。

試合展開



過去2シーズンと比較して、試合終盤の得点の動きが多く見られるようになった。特に、76~90分での得点の動きが多く見られた。そういったことから、ベンチワークや交代選手の活躍、勝利への執着心が関係していると考えられる。

試合の終盤までボールやゴールを取りに行く貪欲なプレーが印象的であり、サッカーの本質的な魅力が見受けられる。

総括

各チームがハードワークをベースに強度の高い洗練されたプレッシングと、それをかい潜るアンチプレッシングが多く見られ、どのチームも攻守に仕掛けていくアグレッシブな攻防が魅力的であった。また、選手たちの個々の特徴を活かすプレーや交代選手による活躍などのベンチワークなど、試合終盤まで一進一退のスペクタクルな試合展開により最後まで目を離せない試合が多く見られた。

後半戦もWEリーグの特徴であるテクニックと連続した攻守の関わり、ハードワークをベースとした攻撃的なフットボールを見ていきたい。

 

狩野倫久(WEリーグテクニカルアドバイザー)

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