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レポート
2021.10.21
WE ACTION DAY「新しい風(VENTUS)と共に」大宮Vが多彩なプログラムを実施
障がい者サッカーの体験も

大宮アルディージャVENTUSは、1012日から17日を「VENTUS ACTION WEEKと題し、ホームタウンさいたま市を中心に四つのプログラムを実施しました。プログラムは「子どもたちへ元気を届けること」や「地域貢献」、それに「ダイバーシティへの理解」をテーマに選手が発案したということです。



「VENTUS ACTION WEEK」は10月12日にスタート。大宮アルディージャのスクール「なでしこクラス」を訪問し、サッカー少女たちと交流しました。期間中は近くの小学校を訪れ、下校する児童に声を掛けて見送る「あいさつ運動」も展開しました。

さらに、15日には主力選手らが参加して、さいたま市北部5の区役所や主な駅を中心にごみを拾うクリーン大作戦を行いました。

そして、最終日の17日には、大宮Vの全選手が本拠地NACK5スタジアム大宮の室内練習場で障がい者サッカーを体験しました。プログラムは埼玉県障がい者サッカーネットワーク会議などとの連携により実現したもので、障がいや多様性への理解を深めました。

選手は三つのグループに分かれ、ブラインドサッカーは埼玉T.Wings、ロービジョンフットサルはCA SOLUA 葛飾、アンプティサッカーはFC ONE TOPの選手やコーチから指導を受けました。

音と声だけを頼りにプレーするブラインドサッカーは埼玉T.Wingsのキャプテンで、日本代表としても活躍した加藤健人選手が競技を解説。アイマスクを着けた大宮Vの選手は「見えないサッカー」に戸惑いながらも、ドリブルシュートに挑戦しました。前節に2点目を挙げた元女子日本代表のDF有吉佐織選手が華麗にゴールを決めると、大きな拍手と歓声が響きました。


ロービジョンフットサルは、主に弱視の人がプレーします。日本代表経験があるCA SOLUAの岩田朋之選手は病気のため視界全体が白くぼやけ、視界の中心を認識することができないといいます。それでも「目は変えられないが、サッカーを工夫することはできる」と力強く語りました。

上肢や下肢に切断障害をもつ人がプレーするアンプティサッカーでは、選手はクラッチ(医療用のつえ)を持ち、脚1本でのプレーを体験。大宮VFC ONE TOPのミニゲームも行われました。



イベントに参加した障がいを持つサッカープレーヤーは36人。小学生からお年寄り、初心者から日本代表クラスといった幅広い層が集まり、楽しみを共にすることができました。大宮Vの選手にとっては、サッカーにある多様性への気付きとなり「一人ひとりが輝く社会」を改めて考える機会になったようです。

2011年のワールドカップの優勝メンバーで、日本女子サッカーをリードしてきたDF鮫島彩選手は「多様性を重視する中で、今回体験をしたことで知るという第一歩ができたことが良かった」と学びの機会に感謝しました。

約1週間にわたって行われた四つのプログラムは選手のアイデアだということです。準備段階から選手とクラブが話し合い、事前のメディアキャラバンでも選手がWEリーグの理念やWEクラブが地域に果たすべき役割について説明しました。選手たちが主体となり、クラブや地域の方々と協力して展開したことで、選手のモチベーションも高かったということです。

大宮Vの1週間は、ラテン語で「風」を意味する「VENTUS」が、ピッチの外にもWEリーグの新しい風を吹き込んだといえるでしょう。すべてのプログラムを終え鮫島選手は「女子プロサッカー選手として、子どもたちにプロサッカー選手を職業として憧れてもらえる、目標となる存在に私たちがなれるように土台を作っていきたい」とWEリーグと女子サッカーのさらなる発展へ意気込みました。

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