2025年2月11日、大宮アルディージャVENTUSがNACK5スタジアム大宮で、「WE ACTION DAY in NACK5スタジアム大宮 インクルーシブスポーツフェスタ」を行い、様々なスポーツ体験やスポーツごみひろいに取り組みました。
「インクルーシブスポーツフェスタ」は、アーバンスポーツやパラスポーツ、ニュースポーツなど20種類以上の様々なスポーツを体験できるイベントです。もともとは、大宮第二公園で「スポーツフェスタ」「大宮第二公園DXスポーツフェスタ」として開催されていました。
それを、大宮Vの運営会社であるRB大宮株式会社が参画しているNTTグループ・オリエンタルコンサルタンツ大宮公園サッカー場マネジメント共同事業体がNACK5スタジアム大宮の指定管理者となったことをきっかけに、NACK5スタジアム大宮に場所を移して実施することになりました。さらに「埼玉グルメフェスタ」も同時開催。食と健康を考えながら楽しめる一日にもなり、およそ5,000名がNACK5スタジアム大宮に訪れる一大イベントとなりました。
「インクルーシブスポーツフェスタをスタジアムグルメも絡めた名物イベントにしたいと考えました。その上で同日に行われていた『NACK5チームランin大宮公園』とも連動。ピッチの外周をコースとして利用してもらい、開幕前準備でピッチが使えない分、ピッチレベルでの賑わいを演出してもらったほか、大宮競輪場にもスタンプラリーのポイントを置かせてもらっており、NACK5スタジアム大宮を中心に、地域と強固な連携を取って進める形になりました」とクラブスタッフ。
そして、この大きなイベントに大宮Vも連携・参加することになったのは「ALL WE ACTION DAY開催にきっかけがある」(クラブスタッフ)と言います。
「ALL WE ACTION DAYでは大きなテーマとして多様性が置かれる中で、『選手の魅力を発信して、これまで興味を持っていなかった人たちにもスタジアムに来てもらいたい』というWEリーグの思いも感じました。WEリーグがそのように考えてくれているのだから、このスタジアムを拠点とするイベントに大宮Vが参加して、まずは選手・スタッフに単純に様々なスポーツを楽しんでほしい。そしてその姿を見て、選手やチームに興味を持ってもらえたらと思いました。さらにうれしかったのは、パートナー企業さんの参加です。社会貢献活動も入れたいと、大宮公園の掃除を組み込んでいたのですが、WEリーグのシルバーパートナーである旭化成ホームプロダクツ株式会社様から「スポーツごみひろいが面白いよ」と、ご提案をいただいたんです。環境活動をずっと行っているからこその視点でお話をいただき、実施に至りました」(クラブスタッフ)
旭化成ホームプロダクツ株式会社は「スポーツごみひろい」で使用するジップロック®のリサイクル素材を使ったトングなどを提供。さらに参加賞としてジップロック®フリーザーバッグが、参加者全員に手渡されました。また、WEリーグのカップタイトルパートナーでありシルバーパートナーでもあるクラシエ株式会社もスタンプラリーの景品として、子どもたちの「自信を育む」知育菓子®︎シリーズ「ねるねるねるね」を配布。子どもたちが「これほしい!」「やりたい」と、スタンプラリー用紙を手にスタジアムの中へ入って行きました。
近隣自治体やスポーツ団体、WEリーグパートナーなど、多くの人々と手を携える「インクルーシブスポーツフェスタ&埼玉グルメフェスタ」。大宮Vが参加するにあたっては、「選手が楽しむこと」も目的のひとつとなっていたため、中村菫選手と箕輪千慧選手をリーダーに指名。2人が先頭に立って、「インクルーシブスポーツ」体験を主体とするグループと、「スポーツごみひろい」をメインに行うグループに分かれて、参加する形となりました。
「リーダーと言ってもスタッフのみなさんと選手たちをつなぐ役割が主な私たちの仕事でした」と2人は声をそろえます。
「これまでは(年齡が)上の選手たちがまとめてくれることが多かったのですが、自分がリーダーという立場になって、イベントの主旨やスタッフさんたちの意図を伝えることは、とても難しいことを実感しました。同時に、イベントの仕組みや組み立て方を近くで見ることができ、すごく勉強にもなったんです」と箕輪選手。
中村選手も「リーダーに指名されたとき、『活動の趣旨を理解しながら行動することは、自分にとって経験になるしプラスになる』と理由を聞いていました。実際にリーダーとなってみて、ただ先輩たちについていくのではなく、趣旨をちゃんと理解した上で動くことや活動をすることは、大事なことだと改めて感じています」と思いを聞かせてくれました。
箕輪選手はインクルーシブスポーツフェスタ。中村選手はスポーツごみひろいに参加する中で、「みなさんとの交流や選手自身が楽しんでいるか。タイムスケジュールは大丈夫か」などを考えながら取り組んでいたと言います。それでも、実際に体を動かして体験をすることで「とても楽しかった」と、2人は笑顔を輝かせていました。
「インクルーシブスポーツフェスタ」では、スケートボードやBMX、ブレイキンなどのアーバンスポーツ。ブラインドサッカーやボッチャなどのパラスポーツに加え、スラックライン、トイドローンといったニュースポーツ・パークスポーツ、DXスポーツが実施されていました。
特に注目を集めていたのは、箕輪選手たちもトライしたツリークライミングをスタジアム仕様にアレンジした「スタジアムクライミング」。NACK5スタジアム大宮の正面玄関付近に設置されたロープを登っていくものです。
参加していた子どもたちは、コツをつかむとスイスイとあっという間にスタンド付近まで登っていきます。
「小さい子が先にやっていて、意外と簡単そうなのかなと思ったんです。でも実際にやってみると全身の筋肉を使って登っていくので大変でした」と箕輪選手。最初こそ戸惑いの様子を見せていた選手たちも、あっという間にスタンド上部まで登っていきます。
道行く人たちも、「面白そう、やってみたい」「ロープを登っているのがすごい」と足を止めて見入っており、「行ってみようか」と、スタジアム内に向かう大きな“きっかけ”になっていました。
NACK5スタジアム大宮内のコンコースで行われていたのはパラスポーツ。多くの人が集まり、参加希望の親子がたくさん待っていました。ここではブラインドサッカー、アンプティサッカーのほか、ロービジョンフットサル体験も行っており、2月1日のALL WE ACTION DAYで登壇した西山乃彩選手が講師として登場。みんなで一緒にボールを蹴ります。
「大宮Vの選手たちが来てくれて、とても盛り上がっていました。子どもたちともたくさんコミュニケーションを取ってくれていましたし、自分も楽しかったです。参加してくれた人たちが『サッカーって楽しいな』と思ってくれたらいいなと思います」と西山選手。
空き時間にはスタジアムを周り「ダブルダッチもやりましたし、グルメも堪能させてもらいました。時間があればスケードボードなどにもチャレンジしたかったです」(西山選手)と講師を務めながらも、スタジアムでの1日を楽しんだ様子を振り返ってくれました。
NACK5スタジアム大宮を飛び出して隣接する大宮公園で実施したのがスポーツごみひろい「ごみゼロトレジャーハント」です。大宮公園内のごみを制限時間内に集め、ごみの種類によってポイントを加算。合計点を競う“競技”です。選手たちは参加者とチームを組み、トングとゴミ袋を片手にごみひろいへ向かいます。
もともときれいに整備されている大宮公園は落ちているごみが少なく「ごみがない!」と選手たち。それでも空きビンや吸い殻などのごみを探し出してひろっていきます。参加者がごみを見つけると、「よく見つけたね」と声をかけながら進められていました。スポーツごみひろいには制限時間も設けられており、時間内に集合場所に戻らないと減点されてしまうため、「あと5分で戻るよ」「急ごう」という声も飛び交います。
全チームが時間内に戻ったところでスポーツごみひろいが終了。選手たちから参加賞のジップロック®が渡され、表彰式も行われました。
そのほかにも、ダブルダッチやパルクール。3×3やブレイキンなど、様々なスポーツを見て、ふれる1日となった「インクルーシブスポーツフェスタ」。どのスポットでも、たくさんの笑顔が咲く中で「うまいね」「楽しい!」という声があふれ、子どもたちの可能性やスポーツに対する新たな気持ちや発見も大きく拓く時間になっていました。
今回のイベントを含めたWE ACTION DAYの取り組みについて中村選手は「率直に『WE ACTION DAY』は楽しいです。選手たちもみんな笑顔で活動をしていますし、リフレッシュの機会にもなっているのかなと思います。ピッチとは違う一面をファン・サポーターのみなさんやはじめてサッカーに接する方たちに見てもらえるのも『WE ACTION DAY』のいいところですよね」と教えてくれました。
箕輪選手もまた「今日の取り組みでは、様々なスポーツが行われていたので、スポーツをやったことない人も『できそうだな』『面白いな』と思ってもらえる新しい発見があったのかなと感じました。私たちも地域交流に加わることができて良かったと思いますし、女子サッカーが社会に貢献できることは何かを考えるときに『WE ACTION DAY』の実施は、すごく重要なものだと思います」と口にします。
加えて“RB大宮アルディージャ”がクラブとして継続して行っているノーマライゼーションにも触れ「女子サッカーだからということではなく、男子も女子もサッカーを通じて多くの方々と交流をしていく中で、例えば障がいのある方が私たちのことを理解してくれる活動や、逆に私たちが障がいのある方を理解できる交流の実施はすごく大事なことです。こうした活動を通して、女子サッカーや障がいについても、もっともっと身近になったらと思います」(箕輪選手)
活動を行う選手たちの中にも、様々な気づきや気持ちの芽生えが確かに生まれている大宮VのWE ACTION DAY。
クラブスタッフは「今回は、様々なスポーツの選手たちが講師として参加してくれました。彼らも“一流”で“プロ”。演出や見せ方など、選手たちが実際に体験することで、得るものもたくさんあると思います。それが今後に活きる経験になってくれたら」と、イベント実施の裏側にある思いも教えてくれました。
今後もNACK5スタジアム大宮を拠点に、大宮Vが地域に根づき、多様性の輪を広げながら女子サッカーを盛り上げていく活動は続きます。
「NACK5スタジアム大宮ではスポーツ学童など、さいたま市との連携によるアイデアを検討していたり、地域のキッズチアダンススクールに会議室を試験的に利用していただいたりしています。今日もそうですが、子どもたちの姿を見ていると、きっと『あのときクライミングをスタジアムでやったよね』『チアの練習に通ったよね』と思い出に残る。それがゆくゆくはスポーツ振興につながり、男子も女子も地元のサッカークラブを応援することにつながったらうれしいです。もちろん大人の方も同様。シニアサッカー使用やICTを利用したスタジアム活用…サッカーを見ること、ふれること。関わることにつながるように、NACK5スタジアム大宮に来るきっかけをどんどんつくっていきたいですね」(クラブスタッフ)
日本初のサッカー専用スタジアムとして開設され、現存するサッカー専用スタジアムとしては、日本最古であるNACK5スタジアム大宮。そこには、サッカーを見る楽しさ。プレーをする楽しさ。そして、関わる楽しさがつまっています。大宮Vも、その楽しさを伝えていくために、次はピッチで。躍動を誓います。