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2025.01.17
WE ACTION DAY マイ仙台 
「仙台自分づくり夢教室」を実施

2024年12月10日、マイナビ仙台レディースが仙台市立高森東小学校で「仙台自分づくり夢教室」を実施しました。

選手たちが“先生”に。子どもたちに夢を届ける「仙台自分づくり夢教室」

「仙台自分づくり夢教室」は、仙台で活躍している人たちが、子どもたちに「夢」を持つ大切を伝え、将来について考えてもらうことを目的に、仙台市教育委員会が開催しているものです。これまで、アナウンサーやプロレスラー、料理研究家など、さまざまな人たちが“先生”を務めてきました。

マイ仙台のコーチや選手たちが“先生”となり、「仙台自分づくり夢教室」を実施するのは今シーズン3回目。今回は小学6年生、56名を対象に佐々木里緒選手、吉岡心選手が“先生”となりました。

「最初に“先生”をすることを聞いたときは驚きました。自分にできるかなと思いましたし、とても緊張しました」と、ふたりは声をそろえます。


「選手たちには活動の内容をしっかりと理解して、自分たちの思いをきちんと自分の言葉で伝えられる機会になればと思っています。その中で、今回は若手のふたりが担当。当日はとても緊張していましたが、小学生たちの心に響く、夢の話をしてくれました」とクラブスタッフは舞台裏を教えてくれました。

少しだけ緊張感の漂う中、アイスブレイクとして「ミニミニサッカー教室」からスタート。選手たちがメニューを考えたリフティングやパス交換を行うと、子どもたちも「おお〜!」と盛り上がりました。


緊張がほどよく溶けたところで、小学生に向けたふたりの“授業”が始まりました。

「小学生にも伝わる言葉選びを心がけながら、自分のこれまでなどにふれる中で、サッカーを続けていくうえで意識していることなどを伝えました」と佐々木選手。吉岡選手も「サッカーをしていない子も多かったですが、夢を持つことの大切さを伝えられたらと思いました。みんなきちんと聞いてくれていて、うれしかったです」と“授業”への思いを教えてくれました。

特別だけど特別じゃない。中学時代に親元を離れて…


大分県出身の佐々木選手。京都府出身の吉岡選手は、ともにJFAアカデミー福島の出身。中学進学時に、越境する決断を下していました。今、目の前にいる子どもたちと、同じ年齢のときです。

「ふたりは、小学校を卒業して親元を離れています。中学、高校をJFAアカデミー福島で過ごしているのですが、その話を事前に校長先生にお話ししました。すると、校長先生から『子どもたちは驚くかもしれませんが、心に響くのでぜひその話をしてほしい』と言っていただいて。越境などは、サッカー界やスポーツ界では当たり前のことかもしれません。でも、普通に生活をするみなさんの視点で見ると、12〜13歳で寮生活を送るのはきっと特殊なこと。そのことも含めて、ふたりは自分のこれまでを上手に話していました」(クラブスタッフ)

当時を思い返しながら、ふたりが子どもたちに伝えたのは「家族の元を離れて寂しかった。でも、仲間もいるし、自分でやらなければいけない環境にいたことで、自立と成長につながった」ということでした。特別な環境下だったとしても、ふたりの間では、それは決して特別なことではなく、当たり前のように通ってきた道です。

「サッカー一筋の6年間。熱中することは大事」「上手な選手から学ぶことが出来、切磋琢磨する環境だった」と語るふたりの決断と歩みは、やがてプロサッカー選手としての扉を開き、世代別日本代表としての活躍にもつながっていきます。


そして今回は、世界で活動することやチームに在籍する外国籍選手についてなど、“多様性”に関するテーマにも触れていました。

「チームでも当初はコミュニケーション面で困惑したこともあったと思います。でも選手たちはあっという間に仲良くなって、言葉を教え合うようなシーンがたくさんありました」(クラブスタッフ)

ふたりは世代別日本女子代表選手としてアジアや世界でも戦ってきています。「海外と日本では異なる環境下。コンディションの維持が難しかった」「外国籍選手と対峙するとパワーなどがどうしても劣ってしまう。でも日本はテクニックとコミュニケーション、チームプレーで十分に戦える」など、実体験の話もたくさん飛び出していました。

代表での活動以外にも、マイ仙台には、2024年12月時点で韓国籍の選手が在籍中。昨シーズンは、ナイジェリア、韓国、スペイン、タイ、日本と5カ国の選手たちが集っていました。そうした中で佐々木選手は「外国籍選手とのコミュニケーションを取ることが増え、もっと語学を勉強しておけばよかったと思いました。みんなも語学の勉強は早く始めるといいよ」と子どもたちにアドバイスを送っていました。

ふたりが話す歩みは、一方から見れば普通のことでも、見方を変えると“多様性”と呼べるものだったかもしれません。一見普通のことでもその過程を振り返って言葉にすることで、伝わることもあります。人とは違うこと。みんなの当たり前は自分の当たり前ではないこと。そして、そうした違いを受け入れることを自然と学び、体感し、知ることにつながったWE ACTION DAYになりました。

「いろいろなことにチャレンジしてほしい」という願いを込めて


ふたりの話に、目を輝かせながら聞き入る子どもたち。等身大の言葉が、子どもたちの刺激になったようです。

「ピッチ外でのこのような機会は、決して数多くあるわけではありません。今日はとても新鮮な気持ちでしたし、これからも前向きに取り組めたらと思いました。今回は85点くらい。残りの15点分は次回、またがんばろうという思いを込めて残しておきます」と佐々木選手。

吉岡選手も「今日は70点くらいかなと思いましたが、聞いてくれていたみんなが『すごく良かった』と言ってくれたので85点です。サッカーをしている姿で何かを届けることも大事ですが、改めて、ピッチ外での活動でも思いを伝えられる機会は大事だなと思いました」と振り返ります。

そんなふたりが、最後に子どもたちに伝えたメッセージは「次の中学生のステージでも何ごとにもチャレンジをしてほしい。失敗しても無駄にはならないので、いろいろなことにチャレンジをすることが大事だと思います」(佐々木選手)。「夢や目標を持つことがとても大事。叶えるために何をするか?何をしたら良いのか?を考えることが大事だと思います。小さい目標からで良いので、周りに流されずにチャレンジしてほしい」(吉岡選手)ということ。

その思いを込めて、一人ひとりに手渡される定規すべてにサインを描いていきます。大喜びだった子どもたちは「もったいなくて使えない!」「すごく良い話を聞けたし、楽しかった」「夢や目標を持つことや努力する大切さを学ぶことができました」と「仙台自分づくり夢教室」の感想を聞かせてくれました。

「選手たちの中には高校を卒業してすぐにプロサッカー選手になる子もいます。社会とのつながりや働くという経験がない中で、社会や地域との接点やセカンドキャリアなどに通じる道を拓きたい。WE ACTION DAYを含めた地域交流やピッチ外での活動から築いていきたいという思いがあります。みなさんに女子サッカーを、マイナビ仙台レディースを知っていただけたらと思いますし、クラブとして継続して活動を続けていけたら」とクラブスタッフ。ピッチ外での活動について、一層の思いを込めていました。

選手たちもまた同様に「地域の皆さんをはじめ、多くの人に応援してもらっています。街中を歩いていても『マイナビの選手だ』と声をかけてもらえることもある。そうした声援が自分たちのがんばる原動力になります。今日の『仙台自分づくり夢教室』もそうですが、地域との交流の中で選手たちとの触れ合いをきっかけに、試合を見たいと思ってもらえたらうれしいです」と佐々木選手。

吉岡選手は「チームとして勝利を増やせるようにがんばります。その姿を見に来ていただいて、みんなと一緒に喜びたいです」とリーグ後半戦への思いを新たにしていました。

子どもたちとの触れ合いの中で、夢の大切さやこれまでの歩みをしっかりと自分の言葉で伝えたマイ仙台のWE ACTION DAY。次は、スタジアムで、地域の人たちや子どもたちの声援を背に「一緒に喜ぶ」夢を実現していきます。

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