2024年12月12日、AC長野パルセイロ・レディースが信州大学教育学部附属特別支援学校で、「Enjoy ! サッカー Days ! ~日々は続く~」を実施しました。
AC長野は、サッカーの普及などを目的に、地域の学校や施設などを巡回訪問する地域貢献活動「わんパル広場」をクラブとして積極的に展開しています。今回の「Enjoy ! サッカー Days ! ~日々は続く~」は、この活動の一環としてWE ACTION DAYに取り入れたサッカー交流です。
「例年5月からスタートし、通年で行っている地域貢献活動ですが、幼稚園や保育園、小学校、高齢者施設のほか、盲学校や養護学校の寄宿舎などにも訪問をさせていただいています。主に、サッカーを通して体を動かす楽しさを伝えるサッカー交流と見学なども含めたスタジアム交流を行っており、2024年11月は17回実施しました。選手たちは、ほぼ毎回と言っていいほど参加してくれています」と普及リーダーの島田祐大さん。
11月の実施では、17回中16回ほど、選手たちが参加していました。
「選手たちはみんな、積極的に巡回に参加しています。地域のみなさんとの触れ合いは、私たち自身も楽しいですし、みなさんがサッカーを好きになるきっかけにつながるとも思います。先日、岡本祐花選手と一緒に行った保育園で、普段は外で遊ぶこともない女の子が、将来の夢で『女子サッカー選手になりたい』と言ってくれたことを聞きました。巡回での触れ合いはすごく短い時間です。でも、そんなふうに夢を与えられることを実感しましたし、とても良い活動だなと改めて思っています」と伊藤めぐみ選手は話します。
クラブが大事に続けてきた地域の人々との交流。そのひとつとして行われた今回のWE ACTION DAY「Enjoy ! サッカー Days ! ~日々は続く~」も、たくさんの笑顔が咲く1日になりました。
今回、選手たちが訪問したのは、クラブが長く深く交流を続けている信州大学教育学部附属特別支援学校です。11月にも巡回活動で訪れていましたが、この日は小学生から高校生まで約60名が一斉に集い、AC長野のユニフォームやサイン入りウエアに身を包んで、選手たちを待っていました。
まずは、選手たちの挨拶からスタート。背番号と名前、ニックネームなどを伝えると、生徒たちも名前を大きな声で繰り返し、和やかなムードにあふれます。
自己紹介のあとは、早速ボールを使ったレクリエーションへ。まずはボールを投げる。足で止めるなどで体を動かしていきます。選手たちは生徒たちの間に入り、「上手にできているね」「足をこう動かすといいよ」とアドバイス。選手の言葉に生徒たちの顔がどんどん輝き、自然と笑顔が増えていきました。
続いて行ったのは、選手たちとチームを組んでのミニゲーム。円陣を組んで気合を入れたり、作戦を練ったりしながらゲームにトライしていきます。ゴールが決まるとみんなで喜び、「がんばれ」と大きな声が飛び交い始めると、選手たちも徐々に白熱。「チャンスだよ」「ナイスシュート!」と、楽しそうな声も響きます。
ゲームの途中には、信州大学教育学部附属特別支援学校が用意していた試合さながらの応援が流れ、そのリズムに合わせてみんなで踊るシーンも。終始明るく和やかな雰囲気で行われました。
ミニゲームの後は、子どもたちから「サッカーははじめてでしたが楽しかったです。AC長野のみなさん、サッカーもがんばってください。今日はありがとうございました」とエールが贈られ、あっという間の「Enjoy ! サッカー Days ! ~日々は続く~」が終了しました。
その後も、名残惜しそうな選手と生徒たち。サインや写真撮影に応じる合間に、ナッタワディ・プラムナーク選手に「タイ語の言葉を教えて」と話しかけたり「今度、応援に行くね」と約束を交わしたり。生徒たちが次の授業に向かうまで、温かな交流が続きます。
今回のWE ACTION DAYで、AC長野が見せたのは、自然体。お互いに親しみを込めて名前を呼び合う姿が、そこにはありました。障がいの有無や国籍、年齢、性別など“見えるもの”にとらわれず、ひとりの人と人との触れ合いの中で心をつなげてきたAC長野。一つひとつは小さな活動でも、それはAC長野と地域を結ぶかけがえのないものです。
「選手たちと触れ合うと、大人も子どももみんなうれしそうですし、喜んでくれます。訪問先のみなさんが試合を観に来て、手を振って応援してくれることもあります。この地域貢献活動を通してクラブや選手のファンになってくれる人も多いです」と島田さんが話したように、信州大学教育学部附属特別支援学校の生徒も選手たちのファンで、AC長野のファン。
集合写真撮影時、「はずかしい」とみんなの輪から外れてしまった女の子は、以前の交流で岡本選手のファンになったそう。その様子を見ていた岡本選手が呼びに行くとうれしそうに手をつないで輪に戻り、笑顔で写真に収まりました。そんなふうに、心を通わせ、笑顔を生むAC長野の活動は、これからも続いていきます。
改めて伊藤選手に活動を振り返ってもらうと「サッカーは楽しいんだよと伝えられたらと思って活動を続けています。今日のように小学生から高校生までが一緒になった交流は機会が少ないのですが、WE ACTION DAYだからできたことですし、とても楽しかったです。生徒たちがとても積極的に声をかけてくれましたし、コミュニケーションもたくさん取ることができました。今回のWE ACTION DAYでは多様性がテーマになっていますが、普段の生活からだけでは、なかなか分かるものではないのかなと思います。でも、チームにはタイから来た選手がいて、今日のように男女や学年を問わず、特別支援学校の生徒たちと交流ができるのは、サッカーをしているからこそ。私自身とても成長できますし、学ぶことが多いです」と教えてくれました。
AC長野は、この翌日に須坂市立須坂支援学校で交流を実施するほか、後半戦再開後、生徒たちや家族をホームゲームに招待。スタジアムでの新たな交流を予定しています。
「チームの雰囲気はすごく良いです。でもサッカーの面では厳しさを持ってお互い切磋琢磨をし合いながら後半戦に向かっていきたいと思います。まずはチームとして勝利をできるようにみんなで頑張りたいです。今日もそうですが、巡回活動で触れ合ったみなさんがスタジアムにも来てくれると思うので、真剣に戦う姿を見せたいですし、感動をしてもらえるように、全力でプレーしたいなと思います」と気持ちを新たにした伊藤選手。
後半戦もチーム一丸。地域一丸となって戦うAC長野が、次はスタジアムで。たくさんの笑顔を咲かせるために、心のこもったプレーを続けていきます。